イワン・アサノヴィッチの一日  畑と映画の好きな卒サラ男。

政官業癒着体質の某公共事業職場を定年退職。鞍馬天狗・鉄腕アトムの人類愛に未だに影響を受けっ放し。孫には目がない。(笑い)

民に出来ないことを民にやらせている

2013-12-20 00:34:27 | 国際・政治

 『民に出来る事は民に任せる。』と元小泉首相は良く口にしたものである。
竹中平蔵と組んでの「規制緩和」路線の一環だった。

18日、AIJ投資顧問会社の前社長・浅川和彦が詐欺等の罪で懲役15年の判決がだされた。
罪状は年金資産の248億円を詐取したものである。

この事件と前後して各地の厚生年金基金で不祥事が相次いだ。
三井物産・北海道石油業・長野県建設業厚生年金基金などである。

長野県建設業厚生年金基金では24億円の資産が不明となり、元事務局長がタイに逃亡。11月に逮捕された事件は耳新しい。

これら基金の役員は「みなし公務員」とみなされ、金品などを受け取って投資先を決めた場合は収賄罪に問われることになっている。<o:p></o:p>

 そもそも「今だけカネだけ自分だけ」という刹那的で貪欲な哲学しか持ち得ない、日本の資本主義に公的資産を運営管理させる制度そのものが間違いなのである。

公務員の中にも横領・背任で公金に手を付ける輩が居ない訳ではない。
しかし、さすがに24億円などと言う金額の横領・詐取にはお目にかかったことはない。

24億円などと言う金額をひとりの職員が勝手に動かせるシステムがないからだ。
いくら「みなし公務員」という哲学もない言葉を被せたところで、貪欲な民間システムでは何千人という老後の生活を保障する公金は扱い切れないのである。

AIJ
社運用の出資基金は、財政破綻で基金の解散に追い込まれている。
民に出来ないことを民にやらせているからだ。

そして、いつものことであるが最終的な犠牲者は無垢の庶民・国民なのである。
老後の僅かな年金収入に大きな狂いが生じて、塗炭の苦しみに喘がねばならない。

資本主義が未発達な日本でにあっては、こと年金福祉については民に任せること自体がそもそも間違いなのである。

出口(監視)が甘いのに入り口(規制緩和・民活)も甘くしたのでは当然の結果となる。
規制緩和そのものには反対ではないが、監視の無い規制緩和は間違いである。

従って監視・検査の制度のない民間に「民活」などと言って公の責任を丸投げしたりすることは危険無謀なことと指摘せざるを得ない。

『民に出来る事は民に任せる』 ワンフレーズ首相の小泉純一郎のアジテーションが、いま大きな悲劇的な事態をうんでいる。


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