今回の思い出の名画は「アパートの鍵、貸します」です。
1960年製作の白黒(この言葉自体が古いか…(笑い))映画です。私がハイテイーンの頃に観た映画です。
今なら差し詰め「パワハラ」と「セクハラ」がてんこ盛りの、都会派のコメデイー・ラブストーリーと言うところでしょう。
主人公(ジャック・レモン)は、しがないサラリーマン。出世の足がかりにと思い、上司の部長(フレッド・マクマレー)の不倫のために自分のアパートの鍵を時間貸ししています。
部長の不倫の相手(シャーリー・マクレーン)は会社のエレベーターガール、上司からすればもちろん愛情のないセクハラ相手の付き合いでしかない。
そんな不倫関係に失望したシャーリー・マクレーンは上司が帰った後に、ジャック・レモンの部屋とは識らずに睡眠薬自殺を図る。
仕事を終えてアパートに帰って来たジャック・レモンは、横たわるシャーリー・マクレーンと睡眠薬の空ビンを見つけ、懸命にシャーリー・マクレーンの一命をとりとめる。
このことが縁となり、ジャック・レモンは、以前から密かに思いを寄せていたシャーリー・マクレーンとの恋を深めて行く。
50年ぐらい前に観た映画なので定かではありませんが、たしか…、それから二人は共闘して上司のフレッド・マクマレーにこっぴどい仕返しをして最後は結ばれると言うハッピーエンドものでした。
コメデイータッチで爽やかに描かれた作品だったことと、大都会の片隅でつましく生きる庶民同士の意気の触れあいが印象に残る映画でした。
ジャック・レモンはイケメンではなく、またシャーリー・マクレーンも可愛いけれど決して美人ではないキャステイングが、これまた却って良かったのですね。
この映画を観て私は、素っ気ないけれど放ってはおけない愛らしさを持った、シャーリー・マクレーンという女優が好きになりました。
男三人兄弟で育った私は若い女性の気心など知るよしも無く、きっとその分だけ映画の中で共演する女優をしっかり観察していたのでしょうね。
そして、共演する女優が好きになる作品が私にとっての名画になる傾向も多いのです。
もちろん、イタリア映画「鉄道員」の如く、主演男優のピエトロ・ジェルミの男臭さに感動する例もありますが。
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