最初に、少しネタバレだと断らないといけないと言う人種が居るので断わっておきます。
映画は、なかなかの社会派のエンタテイメント。舞台はダイヤモンド採掘を巡る政府軍と反政府軍の争奪戦が実際に展開されたアフリカのシエラレオネ。
欧米資本と結託した腐敗政府と反政府軍の確執の中で翻弄され、生き抜こうとした人間のドラマである。L・デイカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジャイモン・フンスー(黒人俳優)が好演。
ブラッド=血塗られた:紛争、のダイヤモンドは双方の軍資金としては死活問題的な物質である。採掘についても労働力を強制的に徴発してこなければならない。無防備な住民が襲われ、無差別に手首が切断される。
ベルギーが50年前頃にコンゴーの黒人弾圧に初めて用いた手法である。少年兵が狩り出さ、残虐非道な方法で洗脳される。そんな少年兵が全アフリカで20万人以上存在すると推計されている。
デイカプリオは紛争の中で両親を失い、ダイヤの密輸でアフリカ生活からの脱出を図る。ブラッドダイヤモンドの実態を追う女性ジャーナリストのコネリーと接触するうちに相愛となる。少年兵に徴発された息子を我が手に戻さんとする強靱な父親をフンスーが演じてドラマに絡む。
ラスト、往年の映画ファンは、「誰がために鐘は鳴る:ゲーリー・クーパー、イングリッド・バーグマン主演」のラストシーンに流した同じ涙を流すに違いない。
デイカプリオファンはお見逃しなく。デイカプリオもまた、この映画で一皮むけた成長を遂げたのではないかと感じさせられた。
…あんな役が一度でも私めに回って来ていたなら、と詮無い思いを抱きながら、我が家のバーグマンの横顔をそっと眺めながら映画館を出た。
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