鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『経過』する美学

2013-07-09 22:51:47 | Weblog

夏の始まりに出遅れた蜩が、やっと鳴き始める。蜩、今年の仕事始めの日。


私は、もともと『短気』な性格で、仕事などでの問合せなどは、レスポンスの速さを優先しているし、こちらからの問い合わせに対して、回答を待たされるのは、ストレスとなる。

・・・面倒な事は、早く終わらせたい・・・というタイプなのだと思う。

即レス(ポンス)は、美学だとおもっているけれど、世の中には、時間の経過という過程を経ないと、結果が解らぬ・・・というものも、数多くて、むしろ、時間を経過したもののほうが、どうも、『本物』っぽい気がする。
ウイスキーとかワインとか・・・。

恋愛なども顕著な例で、出会って、一気に燃え上がってしまったら、別れも早い・・・というパターンから、時間をかけて、確かめ合って、どちらかがこの世から消失するまで、持続する恋愛(・・・これは、もう恋愛以外の何かわからないこれこそ『時間』の芸術?みたいな・・・雰囲気もあるか?)というのも、数(例)は、極小だが、存在しないこともないような気がする。

何十年と持続する『人』、『物』、それらの『関係』は、それだけで、信頼するに足りるものだろうし、一瞬にして、崩壊の危機をもはらんでいるものなのかもしれない。

またまた、どうでもいい前置きが、長くなってしまった。


今日のお題の『経過』の美学。

これは、『香水』について、書こうと思っていた。
このアイテムの寿命は、長くて、8時間。
トップノートから、ミドルノートそしてラストノートへ、香りが変わっていく過程を楽しめる・・・時間の経過が、嗅覚で、堪能できる芸術だと思っている。

最近は、単一ノート・・・というか、トップからラストまで、香りの変化がないものが多い(私は、使ったことがないけれど、かのシャネルのアリュール?か、チャンス?あたりからのトレンド?)らしい。
単一ノートは、変化しない分、扱いが、ラクなのではないかと思うけれど、私的には、朝つけた香水が、夕方にドライダウンしたあたりで、その足で、懐石料理を楽しむ・・・みたいな時間の経過とスケジュールのTPOに叶った使い方が、楽しいと思う。

また、これは、ご法度かもしれないけれど、似たような香りの軽めのオー・デ・トワレを朝つけて、夕方に、同じ系統の少し強めのパルファンを足して、デートするなんてのも、やってみると案外、面白いかもしれない。
お相手に、感想などを求めてみるもの一興か。重ね付けというらしい。

ドライヴ・デートのときは、密室だし、香りが濃すぎないことも条件のひとつになるのではないかと思う・・・まあ、そう思うだけで、実際には、やりませんけどね・・・面倒だし。
そんなことを想像して楽しんでいる(引き籠りだから・・・)。

時間と結果(計算)を、突き合わせて楽しむことのできる稀有で、贅沢な遊び。