みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

堺市に住民監査請求書を提出(代理人代表・上野千鶴子)/特定図書排除問題で。

2008-11-05 08:32:02 | 「ジェンダー図書排除」事件
帰ったら続きを書くと書いたのですが、遅くなって疲れていたので
夕飯を食べて、メールのチェックだけして寝ました。

昨日は、堺へ住民監査請求書を提出しに行ってきました。

9時前に岐阜を出て、岐阜地裁に住民訴訟の準備書面を届け、
そのあしで、JR岐阜駅から快速電車に飛び乗り、
名古屋から新幹線「のぞみ」で
伊吹山を眺めながら、新大阪へ。

新大阪からは地下鉄御堂筋線で「なんば」に行き、
「南海電鉄」に乗り換えてお昼過ぎに市役所のある堺東へ。

ここで、堺市の監査請求人の皆さんと待ち合わせて、
昼食を食べながら監査請求提出の打ち合わせをして、いざ市役所へ。

監査請求は、当該自治体の「住民」しかできませんが、代理人を立てられます。
で、請求人の堺市民28人と、委任された代理人12人で提出しました。
代理人代表は、上野千鶴子さんです。
もちろん、わたしも代理人に名を連ねています。


建物は仁徳陵を込みおろさないように配慮されてるとか(・・・)。

しもじもは、みあげるばかりの堺市役所。

2時から本館5階の市政記者室で記者会見。
堺市中央図書館の職員や広報担当もきていて、
「後ろで聞いてもらってもいいですかか」と幹事社に聞かれたので
「ぜひどうぞ」ということで、会見用の資料もお渡ししました。

記者会見は、まずわたしが簡単に今回の事件の経緯をお話し、
ともまささんが監査請求書について説明しました。
つづいて請求人のみなさんが一言ずつ市民としての思いを話され、
最後に、代理人代表の上野さんのコメントを読み上げました。

             堺市住民監査請求・代理人代表のコメント

どんな理由があれ、公共の図書館における図書の排除や検閲はゆるされない。
情報公開と表現の自由は民主主義の基本だ。
たとえ反対意見であってもそれを発表する自由を守るというのが、「表現の自由」だ。
わたしたちは福井県の図書排除事件以来、情報公開と表現の自由のために闘ってきた。
日本中、どこで同じようなことがあっても、闘うだろう。
図書排除の要求をした関係者の図書館行政への不当な介入と、その要求を受けいれた堺市の不見識とに猛省を促したい。

                        2008年11月4日

                  上野千鶴子  東京大学大学院教授
                「ジェンダー図書排除」究明原告団・代表


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後半は、記者さんたちからの質疑をうけて、約一時間の記者会見を終了。

高層19階の監査室へ、監査請求書を提出に行きました。
見晴らしがよいところです。


提出した監査請求は、
「特定図書排除に関する住民監査請求書 (堺市職員措置請求書)」で
「請求の要旨」は
  1. はじめに
堺市立図書館において、本年2008年7月頃、市民や市議らの強い要求を受けて、特定の図書が開架から排除され、廃棄処分されようとしている。しかし、それは許されない違法な行為であるから、速やかに当該排除、廃棄行為を中止しもしくは現状復帰すべきである。
 請求人は、すべての市民の知る権利、学ぶ権利を保障するために資料収集・提供を行い、市として全国屈指の図書の充実をはかってきた堺市の図書館を誇りに思いつつ、どんな種類の図書についても、著者が誰であろうと、出版社がどこであろうと、基本的に排除は許されないとの観点で住民監査請求を提起する。


住民監査請求では、地方自治法第242条の2第1項に規定された
措置を監査委員に求める、公的な手法です。
今回の監査請求では、
 「 一 当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求
三  当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求
四  当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償  」
 

つまり、
★本件請求人は、住民監査請求及び住民訴訟の制度の趣旨に鑑み、「本件図書の廃棄処分または貸し出し不可能な閉鎖状態で保管すること(当該行為)」をしないように当該行為の差止めの勧告を求める。
★もし、一部にしろ、すでに当該行為がなされたのなら、当該行為が財産の管理を怠る違法なことであると確認し、勧告をすることを求める。
★一部にしろ、すでに当該行為がなされたのなら同図書を直ちに本来の管理状態に復帰させるよう勧告をすること、具体的には、「前記職員らは連帯して(最高で)金額366万8883円を返還する」(8月以降、対象が増えたとのデータもあり、本件監査によって対象書籍の増加が確認され、金額が増えたのならその金額である)よう勧告すること。
もしくは当該怠る事実に係る職員らに損害賠償の命令をするよう勧告することを求める。
 
という内容です。

新聞各紙の記事、監査請求書などの詳細は、追ってお知らせします。


追伸・「てらまち・ねっと」に請求書をアップしたようなので、リンクします。
◆堺市図書排除問題で住民監査請求/
上野千鶴子「日本中、どこで同じようなことがあっても、闘うだろう」


つ ・ づ ・ く 。

(上記の続き) 2008-11-05 18:12:39
「ボーイズラブ」はだれにとって有害で不適切なのか?/新聞各紙の報道 


(監査請求、その後の経過)2008-12-12 17:10:47
堺市へ「情報公開」文書の受けとりと監査請求の「陳述」に行ってきました。


堺市立図書館で「特定図書排除」事件はなぜ起きたのか?
(寺町みどり) 2008-12-10


堺市立図書館の5706冊の「特定(BL)図書排除リスト」一挙公開!
/著者別、出版社別でも分類・整理(2008.11.30)



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17 コメント

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本当ですか? (富士山2000)
2008-11-05 15:37:58
凄い行動力ですね。市民運動の手本のような運動に敬意を評します。 が考え方には???

上野先生のコメント
>どんな理由があれ、公共の図書館における図書の排除や検閲はゆるされない。
情報公開と表現の自由は民主主義の基本だ。

本当ですか?
ならば、
1)船橋の図書館で、保守系の本を破棄した事件も、許されない行為なのですね。

2)高橋埼玉教育委員長の反対運動をしておりますが、これは本人の表現の自由を侵してはいませんか

3)新しい教科書をつくる会の教科書を採択する自由も認めるのですか?
 フェミ側の反対運動に対しても、異議を申し立てて頂けるのでしょうね。

でなければ、「ダブルスタンダード」ではないかと私は思います。

私は、中立に装うのではなく、「フェミ側の本は賛成だが、ジェンダー反対本はダメだ」人間をダメにするからと言ってもらった方がわかりやすい。

私がBL本に反対するのは、「青少年に有害図書」だからです。「情報公開と表現の自由」などと高尚な理屈ではありません。親として理屈抜きの要求です。
簡単明快な回答 (veinmx)
2008-11-06 18:26:43
1)(その事件については詳細はよく知りませんが)事実であるとすれば、その通りです。
2)高橋氏は公人(この場合は公務員)ですから、表現の自由には一定の限界があります。
3)教科書を出版する自由は認められますが、特定の学校で採択をすることに異議を唱えることこそ表現の自由です。

全くダブルスタンダードではありません。
疲れるので、最後の一言 (富士山2000)
2008-11-06 18:47:30
1)(その事件については詳細はよく知りませんが)事実であるとすれば、その通りです。
知らないとは驚き、勉強して下さい。
http://page.freett.com/postx/funahaki/funakiji.html

2)高橋氏は公人(この場合は公務員)ですから、表現の自由には一定の限界があります。
  では日教組も同じですね。

3)教科書を出版する自由は認められますが、特定の学校で採択をすることに異議を唱えることこそ表現の自由です。

 図書館にBL本を置く事に異議を唱える事も、表現の自由ではありませんか!

 結論
同じ山を見ているようで、実は全く別な山を見ているような感じです。
とりあえずのお返事。 (みどり)
2008-11-08 14:15:16
★富士山2000さん

「疲れるので、最後の一言」というのは、もう見に来ないということですか?
この記事のおかげで、アクセスが急増してて喜んでいるのですが、さびしくなりますね(笑)。

お返事はveinmxさんがされたものですから、あしからず。
とはいえ、だれであれ、考えは百人百色ですから、
「同じ山を見ているようで、実は全く別な山を見ている」のはとうぜんです。
上野さんのコメントには、適切でかっこいいと共感しますが、文責は上野さんですから「本当ですか」は、ご本人にお聞きになってください。

あなたの質問のお返事は、別の記事に書きました。
疲れるなら、読まなくてもけっこうですけど。

明快な応答。 (みどり)
2008-11-08 14:21:04
★veinmxさん

ほんと「簡単明快な回答」ですね。
エネルギーが枯渇してて限定型なので、
すばやく明快に応答してくださって、ありがとうございます。
毎日見ております。 (富士山2000)
2008-11-09 17:04:33

私の市民運動の先生は、寺町ご夫妻ですから、いつでも参考にしておりますのでご安心下さい。

疲れるのは、かみ合わない議論ですから、当分書き込みを静観という意味です。
了解です。 (みどり)
2008-11-13 13:46:47
★富士山2000さん

>私の市民運動の先生は、寺町ご夫妻ですから、いつでも参考にしておりますのでご安心下さい。

かれとわたしは別人格なので、「ご夫妻」はやめてほしいですけど・・・(笑)。
参考にしていただいて喜んでよいのか悲しんでよいのか、「安心」もできなくて、複雑なおもいです。
まあ、運動のノウハウはまねできてもスキルまでは参考にできませんからいいですけど。

>疲れるのは、かみ合わない議論ですから、当分書き込みを静観という意味です。

了解です。
不毛の議論を吹っかけてくる方もあって、忙しいときなど疲れます。
とはいえ、お互い、フェアに議論しましょうね。

誤った使い方では? (たけし)
2008-12-23 19:43:28
法的平等と言っても、それは偏見や差別がいけないということで、胸を張って主張できる権利とは違うと思います。
国が男性同士の結婚を認めてない以上、やはり恋愛も望ましくない行為ではないでしょうか。
男性が男性を好きだと思うのは個人の自由ですが、女性が「そういう男性達が好き」というのは倒錯し過ぎです。
また、図書館という公共性からすると、男性が読まない本を置くのはいかがなものでしょう
男性が読まないとは断言できませんが、それならば女性同士の恋愛をテーマにした書籍も同数置くべきです。
図書館はどちらの性にも偏ることのない書籍を扱うべきで、ジェンダーフリーの立場でいるべきではないでしょうか。
素晴らしい (あお)
2008-12-24 02:52:16
素晴らしいご意見です。
例えどんな種類の書籍であっても検閲、排除されるべきではありませんよね。

ところで、件の書籍は女性の性的欲求を発散するのが主な目的な書籍だと認識しておりますが、
堺市中央図書館では男性向けの性的欲求を発散書物がないそうです。
これは著しく民主主義に反しているように思います。
すべての市民の知る権利と、真のジェンターフリーの実現のために、
男性の性的欲求を発散する書物を置く様、共に運動しませんか?
エロ本との境界 (tamakei)
2008-12-24 03:15:26
監査請求は,まず青少年に害のある図書(エロ本)とそうでない本をいかに区別するべきかを話し合った後でいいのではと思いました.

あと,監査請求に主体的に携わった人の何パーセントが堺市市民なんだろうなと思ったりも・・・
地方自治はそこに住む住人が行う物なのだから,自重するところは自重しないと思う次第です.

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