みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

名古屋トリプル投票:「河村劇場」第2幕へ/当選者に聞く:河村たかし・大村秀章

2011-02-08 18:20:04 | 選挙関連
名古屋市長選と愛知県知事選から一夜明けて、
当選者のインタビューが届いた。

河村たかし市長と、大村秀章知事の微妙に違う温度差。
元民主党と元自民党のひとの蜜月は、ながくは続かないだろう、
という見方も出はじめているが、
とりあえず、今回の選挙の当選者と落選者の弁を、記録と記憶にとどめておこうと思う。

【愛知県知事選】大村さん「新しい政治が起きる」 当選者に聞く

党派を超えたタッグで知事選、名古屋市長選を制した大村秀章さん(50)と河村たかしさん(62)。既成政党に満足できず、変化に期待をかけた有権者の心をつかみ、圧倒的な勝利を手にしたが、その前途は多難だ。選挙戦で共通の看板政策に掲げた「減税」や、県と名古屋市を合体させる「中京都構想」は今後どう道筋を付けるのか。自らが率いる地域政党は来るべき名古屋市議選、続く県議選でどう戦うのか。激戦を終えた2人に今後のかじ取りへの考えを聞いた。 (聞き手・志村清一中日新聞編集局長)

◆国から独立する気概でやる 
 -勝因をどう自己分析するか。
 河村さんと組んだインパクトが一番大きい。民主党の国会議員だった河村さんと自民党の国会議員だった私が党派を超えて組み、新しい政治が起きるのではないかという期待感があったと思う。国政に対する不信感もあって、地域政党が今度こそ本当の変革をやるという訴えに共鳴してもらえたのではないか。

 -三河が生んだ初の知事だ。
 人口が少ないので出にくかったと思う。そういう意味では画期的なことだろう。県民と約束した236項目のマニフェスト(選挙公約)をすぐに進める。4月から半年で全部の仕掛けをつくりたい。県議会と真剣に協議し、秋をめどにあらゆる政策の方向付けをする。企業誘致を進め、地元の主力である自動車産業をさらに盤石にする。経済力があって初めて自立できる。

 -公約の県民税10%減税はどう進める。
 減税に必要な原資は350億円。県の人件費は7200億円あり、本年度も3%削減し、210億円を生み出している。民間給与が厳しいのだから、無理のない形で職員の皆さんに協力してもらう。県民税は法人税が中心で、景気が回復すれば財源を生み出す余力はあると思う。最短コースで2012年度予算に反映させたい。

 -中京都構想の狙いは。
 県と政令指定都市の名古屋市は重複する分野があり、二重行政になっている。お互い違った方向に向くと力が出てこない。司令塔を一つにして企業誘致や産業振興をする。ライバルは上海とシンガポールだ。これに勝てないと人材や企業の海外流出が一段と進む。国から独立する気概で取り組むつもりだ。

 -2月県議会はどのような姿勢で臨むか。
 当面は公明党を除いてオール野党だから、丁々発止の議論をすることになる。ただ、議論は徹底してやるつもりだが、最後は多数で決めるのが民主主義のルールだ。東三河担当の副知事を増員する条例案を出したい。

 -4月の県議選で自ら率いる地域政党「日本一愛知の会」から候補を出すのか。
 政策を実行するために議会で多くの仲間がほしい。新人を立てるつもりで既に何人かから話が来ている。これまでの経緯を水に流し、現職の方でも一緒にやってくれるというなら民主、自民でも構わない。市町村議も含めて出たい人を公募するつもりだ。もちろんマニフェストに賛同してくれることが前提。

 -国政に戻る気はあるのか。
 私のマニフェストは国政が変わらないと実現しないので、国政に影響力を持ちたいと思うが、県政に全力投球する。圧倒的な民意がバックにあれば、国政への影響力は行使できると思っている。
中日新聞 2011年2月7日


 河村さん「地殻変動だ」 当選者に聞く
2011年2月7日 中日新聞

 党派を超えたタッグで知事選、名古屋市長選を制した大村秀章さん(50)と河村たかしさん(62)。既成政党に満足できず、変化に期待をかけた有権者の心をつかみ、圧倒的な勝利を手にしたが、その前途は多難だ。選挙戦で共通の看板政策に掲げた「減税」や、県と名古屋市を合体させる「中京都構想」は今後どう道筋を付けるのか。自らが率いる地域政党は来るべき名古屋市議選、続く県議選でどう戦うのか。激戦を終えた2人に今後のかじ取りへの考えを聞いた。 (聞き手・志村清一中日新聞編集局長)

◆自ら「給料年800万円」大きかった 
 -自らの当選、大村さんの当選、住民投票の勝利で3冠。勝因は何だと思うか。
 端的に言えば、公約を貫く姿勢を支持していただいたのだと思う。自分が給料を年800万円にしたのも大きい。政治の庶民性というか、当たり前の政治像が市民の皆さんの中にあったのでは。名古屋は保守的なんだけど、反骨精神も意外とあるのではないか。

 -三つの勝利で一番うれしいのは。
 住民投票ですね。権力に対する闘争。まさに庶民革命。ようここまで来たな。(住民投票の法定署名数)36万人はできんのじゃないかと思った。10万人ならどういう辞め方をするか考えていた。名古屋の民度は相当高い。市民が直接的に政治を動かす決断をした。地殻変動が起きた。

 -民主党推薦だった初当選時と何が違うか。
 前回だって組織は付いていない。私がやっているのは時代が求めていること。国の政治に対する不満もでかい。

 -再選後にまず手掛けることは。
 予算編成と3大公約(減税、地域委員会、議会改革)実現。何と言っても市議選。否決されないように仲間をつくる。ここで現職に投票したら何ともならんと言いたい。民意を実らせる戦いになる。あと地域委員会を早く広げたい。国会議員を辞めた大きな理由はこれなんだ。児童虐待や孤独死など、今までの枠組みではできない取り組みが動き始めている。

 -市議選で減税日本が過半数に達しない場合、減税と議員報酬半減をどのように実現していくか。
 市長選で明確な争点になったのに、新しい議員が否決できますかね。いったい市長選、住民投票は何だったとなる。議員は地域の代表という面もある。市全体のことは、あらためて住民投票で問うということになる。

 -河村さんが独裁化するという心配もある。
 800万円の独裁者がどこにいるのか。独裁者は私腹を肥やす。2400万円なら後ろで議会と手を握って長くやろうとなる。800万円なら理想に殉じようと思う。

 -減税より福祉や教育、景気対策に力を入れてほしいという声をどう受け止めるか。
 減税そのものを問えば賛成が多い。減税分を寄付という流れになると、柔軟な福祉になる。

 -大村さんは、支持を受けた公明党の「低所得者に手厚い減税」を検討するという。市と県の減税政策が異なってもいいのか。
 相談はする。減税税率を累進構造にしてもいいと法律を変えてもらうしかない。

 -3大公約以外に新しい試みは。
 久屋大通公園の両側の道をやめて、巨大な公園にする。広小路通より南は酒飲み解放区。テレビ塔より北は自然ゾーン。名古屋で1日ぶらっとすると、どえらい面白い。木造の名古屋城天守閣も絶対やらないかん。 


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選挙:トリプル投票 「河村劇場」第2幕へ/連携実り大村氏(その1)/愛知  

 ◇「庶民のための政治に」
 前名古屋市長の河村たかし氏(62)が仕掛けた知事選、出直し名古屋市長選、同市議会解散の賛否を問う住民投票の「トリプル投票」が6日、投開票され、連携して選挙戦を展開した河村氏と前衆院議員の大村秀章氏(50)がそろって市長と知事の座を射止めた。住民投票も賛成票が半数を上回り、「河村流」の圧勝に終わった。投票率は、知事選52・52%(前回52・11%)▽名古屋市長選54・14%(同50・54%)▽住民投票54・17%。地域政党を設立するなど、党派を超えて支持を集めた河村、大村両氏に対し、民主、自民などの既存政党は存在感を示せなかった。09年4月の市長就任以来、市政を舞台に展開された「河村劇場」は、県政を巻き込んで第2幕を迎える。
 河村たかし氏の当選が決まると、名古屋市東区の事務所は歓声で沸いた。河村氏は支援者らの握手攻めにあい、再選の喜びを分かち合った。
 前回市長選は民主党の推薦を受けたが、今回は市議団との不和が原因で民主との全面対決に。しかし、任期中に市民税10%減税や地域委員会、議会改革をめぐって市議会と対立を続けたことで、河村氏に注目が集まった。不可能とみられた市議会解散請求(リコール)の署名集めを成し遂げ、知名度は揺るぎないものとなった。
 組織の支援を受けない河村氏は、得意の自転車街宣スタイルを貫き通した。街頭では知事選候補の大村氏や、自身がつくった地域政党「減税日本」の次期市議選立候補予定者らと共に、「職業化した議員のあり方を変え、庶民のための政治を作る」と訴えた。【高橋恵子】

 ◇「歴史的審判もっと先」 石田氏、敗戦の弁も強気
 石田芳弘氏(65)は午後8時過ぎに同市中区の事務所に姿を見せた。敗戦については「市民の判断として受け入れる」としながらも「河村市政は、財政的にも政治スタイルとしても持続不可能。歴史的審判はもっと先に下る」と強気の弁を貫き、「市議選の結果次第で、半年以内に市長選がある可能性もある」と見通した。
 衆院議員を辞職して臨んだ選挙。河村氏の減税政策や議会と対立を続ける姿勢を批判、「議会に予算編成権を与えることが地域主権に必要」と訴えて追い上げたが、河村氏との差を縮められなかった。【丸山進、秋山信一】

 ◇八田氏「知名度生かせず」
 八田ひろ子氏(64)は同市中区の事務所で「手応えのある選挙戦でしたが、皆さんに培っていただいた知名度を十分生かせず、おわびしたい」と集まった支援者らを前にあいさつした。
 先に知事選出馬を表明していた土井敏彦氏とタッグを組み、国民健康保険料の1万円引き下げや住宅リフォーム助成の拡大などを訴えた。元参院議員として知名度もあったが、トリプル投票に持ち込んだ河村氏の戦略の前に、存在感を発揮できなかった。【沢田勇】

 ◇「賛成」圧勝に歓声 議員報酬「高すぎ」支持
 名古屋市議会解散の賛否を問う住民投票で「賛成」が過半数を占めることが確実になると、前市長の河村たかし氏が設立した「減税日本」の事務所(同市東区)に集まっていた「ネットワーク河村市長」のメンバーらは歓声を上げ、万歳を繰り返した。
 河村氏は、議会を解散に追い込んだ場合には自身も市長を辞職し、知事選と合わせた「トリプル選」が行われるように時期を図り、昨年8月27日に署名活動を始めた。しかし、「法令に反した署名収集が行われている」との情報が市選管に多く寄せられ、署名活動の中心となる請求代表者10人が集めたとする署名が全体の4分の1を占めたことを、市選管が疑問視。審査期間を1カ月延長したため、河村氏のトリプル選構想は崩れた。審査の結果、一時は有効署名数が住民投票実施に必要な数を1万2004人分下回ったが、請求代表者を中心に約3万4000人分もの異議申し立てを行った結果、必要数を確保して住民投票実施にこぎ着けた。
 その後、議会側は「4月の市議選を3月に1カ月前倒しすることで、3億2000万円の税金が無駄に使われる」などと訴えて対抗したが、「年1630万円の議員報酬は高すぎる」と訴え続けた河村氏に支持が集まった。【丸山進、福島祥】

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 ◇名古屋市長選=選管最終発表
当 662,251 河村たかし 62 諸前
  216,764 石田芳弘  65 無新
   46,405 八田ひろ子 64 無新
   23,185 杉山均   54 無新

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河村たかし(かわむら・たかし) 62 諸前(2)
 [元]市長▽地域政党「減税日本」代表[歴]古紙回収会社役員▽衆院議員・逓信委員会理事・国会等移転に関する特別委員会委員長・法務委員会野党筆頭理事▽民主党政調副会長・税調副会長・副幹事長▽一橋大

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 ◇住民投票開票結果=選管最終発表
賛成 696,146
反対 252,921
毎日新聞 2011年2月7日 地方版

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選挙:トリプル投票 「河村劇場」第2幕へ/連携実り大村氏(その2止) /愛知

■2011知事選
 ◇党派超えて浸透
 名古屋市中区の繁華街にある大村秀章氏(50)の事務所では、報道各社の世論調査で優位が伝えられていたため、関係者や詰めかけた支持者らは柔らかな表情で開票速報を見守った。「当選確実」の報が流れると事務所は歓声に包まれ、拍手の中で登場した大村氏は「愛知から日本の変革の嵐を起こしたい」と活躍を誓った。
 5期15年務めた衆院議員を辞して挑んだ知事選。地域政党「日本一愛知の会」を設立し、中京都構想や減税を掲げて、出直し名古屋市長選に立候補した前市長の河村たかし氏と連携。大阪府の橋下徹知事の応援も受け、話題性は抜群だった。
 重徳和彦氏を推す自民党県連とは対立したが、同党の一部国会議員が大村氏支援を表明。県連会長時代から親交のあった公明党県本部の支持も取り付け、党派を超えて浸透した。【稲垣衆史】

 ◇支持者らため息 重徳氏、自民支持層一角崩され
 大須観音(同市中区)に近い重徳和彦氏(40)の事務所では、自民党県連幹部や黄色いジャンパー姿の支持者たちからため息が。重徳氏は「多くの素晴らしい仲間に支援していただいたが、期待に応えられなかった。心よりおわびする」と、妻美佐子さん(39)と共に頭を下げた。
 ラグビー選手だった重徳氏は若さを武器に「民間の経営感覚を生かした県政」を掲げ、引退する神田真秋知事の全面支援に加え、党本部も大島理森副総裁ら幹部を続々と投入して追い上げを図った。だが前県連会長の大村氏に自民支持層の一角を崩された。【福島祥、山口知】

 ◇「こうも大差で…」 御園氏、政権支持率低迷も響く
 同市中区の御園慎一郎氏(57)の事務所には、支持者らがつく深いため息が満ち、「こうも大差で敗れるとは」と陣営スタッフはうなだれた。
 民主党は告示以降、岡田克也幹事長が全国会議員に愛知入りを要請するなど総力で支援。片山善博総務相、蓮舫行政刷新担当相など閣僚級も連日のように応援に駆け付けた。だが河村・大村連合に話題をさらわれ、菅政権の支持率低迷も影を落とし、民主支持層すら固めきれなかった。
 御園氏は「(有権者に)訴えが十分に理解されなかった。私の力不足。誠に申し訳ありません」と深々と頭を下げた。【宮島寛】

 ◇「次もチャレンジしたい」 薬師寺氏に風は吹かず
 薬師寺道代氏(46)は、みんなの党関係者や同党の統一地方選立候補予定者らが集まった同市中区の事務所に現れ、「着実にみんなの党と薬師寺道代が何をしたいのかが愛知県に広がっているということを、肌身を通じて感じた。皆様にお許し願えるならば次もチャレンジしたい」とあいさつした。
 昨夏の参院選愛知選挙区で次点に終わったが、無党派層に浸透して約53万票を獲得。党は知事選を統一選に向けた党勢拡大の好機と位置づけ、知名度が上がった薬師寺氏を擁立した。渡辺喜美代表ら党幹部が連日愛知入りするなどてこ入れを図ったが、風は吹かなかった。【高木香奈】

 ◇「多くの問題提起できた」 土井氏、出馬表明の遅れ響く
 土井敏彦氏(64)は落選が決まると、同市中区の事務所に集まった支援者約30人を前に「残念な結果に終わったが、さまざまな問題提起ができた」と選挙戦を振り返った。地域医療の現場に長年従事している土井氏は、国民健康保険料の引き下げなどを訴えたが、出馬表明が昨年12月と遅れたことが、最後まで響いた。【沢田勇】

 ◇集計ミスで有権者数訂正--県選管
 県選管が5日に発表した知事選の選挙人名簿登録者数のうち、津島市と長久手町分に誤りがあったと、県選管が6日発表した。津島市は県内転出者を除外したため321人少なく、長久手町は県外転出者を含めて集計したため231人多く、県選管に報告していた。このため5日現在の登録者数は581万1097人と訂正された。【山田一晶】

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 ◇知事選開票結果◇=選管最終発表
当 1,502,571 大村秀章  50 無新
    546,610 重徳和彦  40 無新
    487,896 御園慎一郎 57 無新
    324,222 薬師寺道代 46 み新
    141,320 土井敏彦  64 無新

==============
大村秀章(おおむら・ひであき) 50 無新(1)
 [元]衆院議員▽地域政党「日本一愛知の会」会長[歴]農水省課長補佐▽経産政務官▽内閣政務官▽自民党厚労部会長・県会長▽副内閣相▽副厚労相▽衆院厚労委筆頭理事・決算行政監視委員長▽東大
毎日新聞 2011年2月7日 地方版



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2月7日(月)のつぶやき

2011-02-08 01:24:16 | 花/美しいもの
16:51 from Tweet Button
きょうのブログ。○名古屋のトリプル投票:河村陣営圧勝!/7日朝刊各紙の社説 #goo_midorinet002 http://t.co/QXcSVgf
by midorinet002 on Twitter
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