みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

『つながりの作法』綾屋紗月・熊谷晋一郎著/『ジェンダー平等と多文化共生』辻村みよ子,・大沢真理編

2011-02-05 16:41:53 | ほん/新聞/ニュース
立春がすぎて、昨日今日とぽかぽか陽気が続いています。

今年になって読んだ本で、とってもおもしろくて
イチオシなのが、綾屋紗月さんと熊谷晋一郎さんの共著『つながりの作法』。

   『つながりの作法―同じでもなく 違うでもなく』
(綾屋 紗月 (著), 熊谷 晋一郎 (著)
/日本放送出版協会(生活人新書 335)/2010/12/8


 つながりの作法同じでもなく 違うでもなく
(NHK出版生活人新書 335) 

綾屋紗月著 熊谷晋一郎著

「孤」でなく
「個」として生きられる居場所とは
“つながらないさみしさ”“つながりすぎる苦しみ”――自閉症と脳性マヒというそれぞれの障害によって外界との「つながり」に困難を抱えて生きてきた二人の障害当事者が、人と人とが「互いの違いを認めた上でなお、つながりうるか」という、現代社会の最も根源的課題に挑む画期的な書。


綾屋紗月さんと熊谷晋一郎さんのお話は、
東大ジェンダーコロキアムで聴いたことがあり、
その後の交流会でも、ごいっしょしました。

綾屋さんと熊谷さんの『発達障害当事者研究 ゆっくりていねいにつながりたい』と、
熊谷さんの『リハビリの夜』は、以前わたしのブログで紹介しました。
おふたりの本は、ほとんど読んでいますが、読み応えがあり、
わが身にひきつけて、考えさせられる深い本ばかりです。

『発達障害当事者研究 ゆっくりていねいにつながりたい』/『発達障害に気づかない大人たち』(2010-07-30)
『リハビリの夜』熊谷晋一郎著/『逝かない身体――ALS的日常を生きる』川口有美子著/医学書院(2010-04-08)


紹介しようと思っているうちに、版元の理論社が倒産してしまって、
紹介し損ねた、綾屋紗月さんの『前略、離婚を決めました』。

『前略、離婚を決めました』
(綾屋 紗月著/理論社よりみちパン!セ 47/2009/08)


よりみちパン!セ「前略、離婚を決めました」(youtube動画)

こちらもスゴイ本です。

読んでみたい人は、
   綾屋紗月さんのブログへ飛んでください。

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1月30日の『日本のフェミニズム』刊行記念シンポジウムでは、
受付スタッフを担当したのですが、そのときにいただいたのが『ジェンダー平等と多文化共生』。

帰ってきてさっそく読み始めたら、新刊が出たばかりのときに、
「複合差別」という言葉にひかれて、岐阜県図書館で借りて読んだことのある本でした。

『ジェンダー平等と多文化共生』
(辻村みよ子,・大沢真理編集/東北大学出版会/2010/04 )


とはいえ、中身はすっかり忘れていたので、
あらためて、じっくり読みなおしました。
ちょっとむずかしい本ですが、いろんな視点から論じられていておもしろいです。

『ジェンダー平等と多文化共生-複合差別を超えて-』
辻村みよ子・大沢真理 編(東北大学出版会)

定価3,150円(税込) A5判 263頁
ISBN978-4-86163-146-7 C3036
(2010年3月刊行)

《目 次》
序論 グローバル時代のジェンダー平等と「共生」
第1部 ジェンダー平等と「多文化共生」
第2部 経済格差・労働・家族
第3部 移民の人権・シティズンシップと共生政策
第4部 現代の統合とジェンダー・多文化共生
補論 個人の創造性/選択の自由と多文化共生

GCOE「多文化共生社会のジェンダー平等」研究プロジェクトの成果として、2009 年8 月開催の「国際セミナー2009」参加者や研究協力者の論文を中心に編集。本GCOEが追求する「ジェンダー平等」と「多文化共生」の視点を交錯させ、複合差別を超えるという観点から現代の諸課題に迫る意欲的な学際的共著。 


オマケは、前に紹介した本。
こちらは、とっても分かりやすく、まとめられています。
いまこそ考えたい 生活保障のしくみ
(岩波書店/大沢 真理 著/2010/9/8)


 『いまこそ考えたい 生活保障のしくみ』(岩波ブックレット)

著者からのメッセージ
 生活が保障され参加の機会が確保されて,誰もがその人らしく生きられる社会.そういう「包摂する」社会では,性別,年齢,出身,障がいの有無などにかかわらず,各人に個性に応じた出番があるだろう.つまずいて落ち込んでも,誰かがさりげなく寄り添ってくれるから,家庭で安心して憩い,職場で役割を果たしていけるだろう.寄り添う誰かには,NPOや役所の親身な担当さんもいるので,おひとりさまでも大丈夫.
 自分の子どもを生んでも生まなくても,幼い人を育むことにかかわれば,自分自身も育つ.自分がつまずいた頃を振り返りながら,いま困っている誰かに寄り添ったり,親しい人を看取ることが,休暇制度などによって社会的にサポートされている.そして,いつかは自分が看取られる.
 そのような包摂する社会は,経済的には効率が低いのだろうか.このブックレットで振り返るように,旧政権の権力者たちは,そう考えていたようだ.それだけでなく,妻子を扶養できない失業者やホームレスは甲斐性なし,女は夫を支え家庭を守るべきで離婚などは身勝手,という理念が,日本の生活保障システムには埋め込まれていた.
 小泉政権の構造改革によって,生活保障システムの機能不全と逆機能による貧困と社会的排除の広がりは,覆いがたいものになった.経済が成長しても潤いが庶民に行き渡らないだけでなく,税・社会保障制度による再分配が,かえって貧困率を高くする.だからこそ,世界金融経済危機にたいして日本経済は「衝撃的」なまでに脆(もろ)かった.
 構造改革がつくり上げた「排除する」社会よりも,「包摂する」社会のほうが経済的にも強い――それがこの本のメッセージである.包摂する社会を実現するために,いまこそ生活保障のしくみを抜本的に見直さなくてはならない.           大沢真理

目 次
まえがき
1 日本経済こそが危機
   ――回復のカギは女性の就業率アップ?
2 現実を直視しなかった旧政権
3 生活保障システムというアプローチ
コラム 「フツー」を疑ってみること(皆川満寿美)/拡がる女性間格差(兼高利枝子)/貧困はあなたのせいじゃない(赤石千衣子)
4 「生きにくい」国ニッポン
5 所得と雇用は
6 ジェンダーこそが問題だ
  コラム ペイ・エクイティ(同一価値労働同一賃金)運動で均等待遇を!(屋嘉比ふみ子)
7 政府は何をしてきたか/何をしてこなかったか
  コラム ただ普通に暮らしたいだけ(鈴木重光)
8 生活の協同に根ざした福祉政府を
  コラム 日本には,一種類の家族形態・一種類の未来しかないのだろうか?――性や生き方に中立な政策を(宇佐美翔子)/女性も男性も生きやすい社会を!(小宮山洋子)


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2月4日(金)のつぶやき

2011-02-05 01:28:07 | 花/美しいもの
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きょうのブログ。○2月6日はトリプル投票/愛知県知事選、名古屋市長選、住民投票のゆくえは・・・ #goo_midorinet002 http://t.co/Y4yhUC9
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