毎日が夏休み

LEAVES THAT ARE GREEN TURN TO BROWN

タウシュベツ橋梁に触れてみる

2010-03-07 23:58:58 | go west & east



…信じられないっ。
また文章ぶっ飛びましたっ。
なんで消えるのよ…


…昨夜眼精疲労につき強制終了した続きです。





まさかここまで来ちゃうとはなんですけどね(笑)。
目の前にタウシュベツ橋梁が佇んでおりまして。


美しいんですわ…








一度水没するごとに、
5倍だったか10倍だったか(どっちだったか忘れちまいました。ぅぉぉぉっ)、
通常の倍速で老朽化が進むのだそうです。
それを毎年繰り返しているわけです…


この色、この質感。









水没??ってかたに軽く説明いたしますと…


ここ糠平湖は人造ダム湖でして、
水位の変化により橋が水面下に沈み、
また姿を現しを毎年繰り返しているわけです。


私は全景をあらわすまでぎりぎり粘りましたので3月と。


で、
この水没によりコンクリートの粘着力がどんどん無くなっているそうで。
実に脆くなっていて、
それでロープが張られ橋の下へは進入禁止となっています。


水没を繰り返すことによって、
この何百年も前の遺跡のような質感になり、
また氷を割り氷と擦れて姿を現すため、
なんともいえぬ風合いが出ているそうで。


なんだか皮肉というか、
そういう宿命を背負っちゃった橋といいますか…。


崩れているでしょ?
あそこは2003年の十勝沖地震の時に崩落したんですって…









なんて美しい直線と曲線なんでしょ。
もう溜め息撒き散らしですわ…


ガイドのおにいさんに教えていただいたのですが。


ダム湖が出来る前、
旧国鉄士幌線が廃線になる前。
この橋の上を汽車がぽっぽ~っと走っていた頃の姿。


なんとなんですけど、
当たり前といえば当たり前なんですけど、
この橋以外は全て森だったわけです。


あたり一面深い森。
その中のほんの一部分、
タウシュベツ川に架かる130mの橋。


工事に携わった人たちぐらいしかこの橋の姿を見てないのではと。
汽車に乗っていても、
今橋の上を通過しているなんて気がつかなかったのではと。


で、
私が一番唸った話はね、
これを設計?建築?した人のプライド説でして。


工費の予算が最低限で、
その最低限の予算内で強度を保ち、
これだけの美しい橋を設計する。
それも深い森の中で日の目を浴びることはない。


まぁ廃線&ダム湖で逆に脚光を浴びることになりましたけど、
当時はそんなこと露知らずですから。


心意気というか意地というか。


元デザイナーのガイドのお兄さんの話にね、
なんだか私はえらく感銘を受けたのでした。









タウシュベツ川。









氷、
すっごいことなってるでしょ?。


でね、
ここで私お兄さんにリクエストしたんですわ。
『橋を上から見れます?』と。
『無理ならいいんですけど、
 線路が通っていたところまで行けます?』とね。


OKが出ました。
上の画像だと橋の一番左端です。


川と氷の裂け目を迂回いたしまして、
いやぁ、
ここが一番の難所でしたわ(笑)。
板状の分厚い割れた氷の滑り台を斜めに何枚も何枚も乗り越えでして。
この時はMSR持ってくりゃ良かったと(笑)。
板氷を避けると土と石をスノーシューでして。
これもこれで歩き難いしね。









苦闘の末、
橋のある土手?にたどり着きまして。


ここに線路が通っていたんです。
ここを材木を積んだ汽車が走っていた。





ズーム。










ね?
見えない線路が続いているでしょ。
林が割れているんです。



で。


橋の手前2メートルがまた板の氷のドミノ傾斜でして。
一番緊張が走りましたわ。


お兄さんに聞いてみたんです。
『橋に触ってもいいですか?』と。
もちろんOKでして。


手袋を外し、
そぉっとそぉっと手を伸ばしまして。


脆かったです。
想像以上に脆く簡単に石が土が動き崩れそうになる。













お兄さんが、
『うまく言えないけど、
 今僕達はきっと橋以外の何かも見てると思うんです』と。


うん。
同類項がここにいる。


きっとこの言葉がわかる人とわからない人に分かれるでしょね。
うん、いいの。











まるで船の舳先のよう。









ここまで来て良かったなとね。









影も割れております。
なんだかこの裂けて割れた影を見たとき、
なんて言えばいいんでしょ、
うまく表現できないんですけど。
人の命も美しい橋も終わりはあるのだなと。
だからこんなに切なくて悲しくて美しくて愛おしいのかなと。


なんてもう少しいい角度で写せよなんですけれど(笑)。
ってこの足元ですからっ。
無理無理っ(笑)。


またきっと来るっ。
なんだかそういう予感を胸に、
タウシュベツ橋梁に別れを告げたのでした。




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2 コメント

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崩壊 (ヒデ)
2010-03-08 08:00:16
近くで見るとかなり痛んでますね、
通常より速いスピードで崩壊が進む、なるほど
です。
「工事に携わった人たちぐらいしかこの橋の姿
を見てない」そうだよね、後々名所になるとは
思いもよらなかったかもです。
私たちが訪れたときは林道脇から小道を辿って
橋に着いたのですが、これは線路跡だったので
すね、そこまで考えて無かったですよ。
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崩壊 (みどり)
2010-03-08 18:04:43
原爆ドームのようにセメントを注入して保存する方法もあるそうです。
でも確か巨額のお金をかけても10年しか持たないと。
ね、
昔は見えてなかったなんてね。
次回は私も林道歩きですっ。
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