毎日が夏休み

LEAVES THAT ARE GREEN TURN TO BROWN

17ページ 6行目 203

2017-05-19 23:58:58 | 本 3

 

気がつけば今日は19日なんですね。あっという間に10日が過ぎてしまった。

今日は三角山をぷらぷらしてきたのですが、いい季節です。暑かったけど。

ちょっと体力消耗しているので、今回の17ページシリーズは短めに。

って最後になったらやっぱり長かったわってことになっているかもしれないですが。

 

ではいつものようにこの10日間に読んだ本の17ページの6行目をアタマから書き写し、

あとは感想にも紹介にもならない雑文です。

 

 

 

 

  パンツの面目ふんどしの沽券/米原万理

 パンツである。

 

下ネタ炸裂エッセイかと思いきや、パンツや褌の資料をとことん極め、

どの章も濃すぎるというか凄すぎる考察に麻痺してしまうこの感覚。

といいつつやはりソ連のパンツ&トイレ話は圧巻で、それだけで脳内ソ連一色。

20章タイツにまつわる二つの悲劇の浩一君の話を読んだとき、

ここが家でよかったと切実に思いました。

家でさえ堪えきれない突き上げるこの下腹部の痙攣。

勇気のある方はぜひ書店で立ち読みしてみてください、浩一君の出てくるページを。

「ぷっ」とも頬をぴくりともせず読み終えられたら尊敬してしまいます。

 

 

 

 

 

 タスキメシ/額賀澪

 そう言って稔は校舎の縁で靴底の泥を落とし、畑の目の前にある生物準備室へ消えた。

 

 

額賀さん3冊目。

走ることをそんなに簡単に諦めていいのかなんて思いながら読んでいたのですが、

ああそうなるのかと読了。ちょっと世代が若いけど(ちょっとどころではないけれど)、

引き続き読んでみようかと思わせるってことはやっぱりチカラがあるんだろうな。

いずれまた登場すると思います。

 

 

 

 

 

  実さえ花さえ/朝井まかて

りのお手入れ指南だった。

 

 

朝井まかてさんのデビュー作。

面白くないことはないのだけれど、詰め込みすぎというか、いろいろありすぎで、

もうちょっと減らしても…何て思いながらも最後まであっというまに読んでしまうところは巧いからなんでしょね。

現在何冊発行されているのかわかりませんが、初期のころより今に近い作品のほうがあうのかもしれない。

 

 

 

 

 

  まにまに/西加奈子

のだろう。でも生きる。

 

 

数えてみたら西さんの本は8冊読んでいて、全部小説で、エッセイは今回初めてだったのですが、

あれ? 第1章日々のことはいいとして、第2章音楽のこと、第3章本のことはまるっきり共通項がなかったのには驚き。

むしろイラストがうまくて(ご本人画)面白かったかな。特にどうのってことではないのだけれど。

あ、それとこれは書かなければ。さんづけの話。

私は敬意を表して作家の名前は西さんとか朝井さんとか書いていて、呼び捨てにするのキングだけ。だってキングだもの。

たまに外国の作家さんをさんなしで書いていることがあるかもしれないけれど、

日本の作家さんは呼び捨てしたら失礼な気がするし上からっぽいし、年上だろが年下だろがさんづけを使っています。

が、ここで西さんはさんづけをすることを「何近しい感じだしとんねん」と書いてあり、

ええ!そんな受け取り方もあるんだとびっくり。近しい感じか。そんなつもりないんだけれどな。

逆の敬う気持ちで今後もやっぱり私はさんづけしか使えないな。

あ、でもベルガーはベルガーで呼び捨てだしアムンセンもアムンセンさんとは言わないぞ。

どこでこの差は生まれるんだ? アムンセンさんなんて書いたら全然感覚違うし。

な、なんなんだ。職業別? あ、わからなくなってきた。

 

 

 

 

 

 身体巡礼[ドイツ・オーストリア・チェコ編]/養老孟司

対して申し訳ないと感じておられたか、それがよく理解できる。だからこそ遺体は、どういう形

 

 

こういう類の本、好きです。特に第1章のハプスブルク家の心臓埋葬は面白かった。

心臓を遺体から取り出すのは知っていたけれど、心臓・内臓・残りの遺体、3ヶ所に分けて埋葬してあるそうな。

国が違えば(といってもハプスブルク家だけど)死生観って違うものなんですね。

この本の表紙、よく見てください、骨です、骨装飾。

こういう類の本好きですといっても、養老さん頭良すぎて話しについていけない(笑)。

 

 

 

 

 強制収容所のバイオリニスト/ヘレナ・ドゥニチ-ニヴィンスカ 田村和子訳

 

 

 

さきほどの養老さんの本に「なぜユダヤ人はあれほど迫害されたのか私には理解できなかった」と書かれていて、

あの養老さんでさえわからないのなら私がわかるはずないのだけれど、

たまたま同じ時期に2冊を読むこととなったけれど、

ユダヤ人とは、強制収容所とはと考えるとわからないことだらけ。

この著者のヘレナさんはポーランド人、ユダヤ人ではない。

以前読んだ「チェロを弾く少女アニタ」のアニタ・ラスカー=ウオルフィッシュもやはり名前と写真が載っていた。

こういうことは知らなくても生きていけることだけど、浅いながらも少しでも知っておきたいと思います。

 

 

以上、203回目でした。

アムンセンはまだ氷河の入り口で待っていてくれているのだろうか。