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東京と北京、神経戦

2013-03-25 | ラジオ
日本政府は習近平国家主席が選ばれたことをお祝いし、新しい中国政府との間で両国関係を発展させていく準備があることを明らかにした。
これは尖閣諸島・ジャオユイダオをめぐる、領土問題をめぐる東京と北京との神経戦を背景にしている。

中国は緊張をさらに高める恐れのある一歩を踏み出すつもりだ。というのも適切な時期に、尖閣諸島に対して測量士を派遣する意向を示しているから だ。
これは航空写真だけでは分からない地形の詳細を地図に掲載するためだ。詳細な地図が出ることによって、中国側の主張が強化されると見られている。
日本政府はこれに対して予想通りの反応を見せた。菅義偉官房長官は、中国側の測量士が上陸した場合には、それを逮捕することを約束している。昨年 夏、日本は香港から上陸した活動家らを実際に逮捕しており、その後、国外退去処分にしている。これは中国からは激しい批判を呼んだ。同じことが繰 り返されれば、中国からの憤慨を呼び、報復措置がとられる可能性もある。さらに中国側の監視船が、この海域に侵入することはすでに日常化してい る。

各国の専門家らは、いつかどちらかの神経が悲鳴を上げ、武力衝突に発展する恐れもあると指摘している。しかし、地政学問題アカデミーのアニューヒ ン副総裁は、武力衝突には至らないとの考えを示している。
「軍事衝突になることはない。どちら側の政府もそのような事態を許しはしないでしょう。時期に応じて盛り上がったり、収まったりするような領土問 題というのはノーマルな現象だからだ。
愛国的ヒステリーというのは通常、深刻な政治問題や経済問題から目をそむけるためのものだからだ。両国とも一歩たりとも譲歩するつもりはなく、攻 撃的な言い回しや挑発が続いていますが、軍事衝突につながるような行動を許すことはないでしょう」
このようにコメントしている。

この指摘が正しいものであることを期待したいものだ。しかし歴史上は、管理された危機がコントロールを超えてしまうことも度々あったわけだ。
誰も熱い平和を望まなかった冷戦時代においてさへ、核戦争の瀬戸際に立たされたときが幾度かあった。19世紀の思想家のひとりは、人間社会の進歩 についてパラドキシカルな定義を与えている。つまり多くの人間の相容れない望みと志向が交差する時、誰も望まなかったことが発生するところにこそ 進歩があるのだと。

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3月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル