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中国に強硬な反応を煽動するアメリカ

2013-03-09 | ラジオ
米韓合同海上演習は中国国内にアメリカにとっては好ましくない、深刻なリアクションを呼び起こしかねない。というのも総勢20万人の海兵隊が演習を行う時期に平行して、中国では全国人民代表大会と中国人民政治協商会議という、2つの大きな大会が行なわれているからだ。
ロシア科学アカデミー極東研究所の専門家、ラリン氏はこの演習は東アジア地域でのアピアレンスを強化し、中国抑制を図るアメリカの意図をデモンストレーションしているとして、次のように語っている。
「これは危険な歩みだ。何故ならばこの間行なわれる2つの大会で、声明が出される危険性が増すからだ。これによって中国の国防支出拡大が公言されかねない。アメリカはかつて対ソ作戦にこれを上手に利用し、ソ連を軍拡競争への道に誘き出すことに成功した。中国にはこうした作戦は不適当だろう。というのは中国の抱える経済備蓄は巨額だからだ」
ラリン氏は、このように発言している。

2013年の中国国防支出は昨年比で10.7%増の1143億ドルとなっている。全国人民代表大会の報告で温家宝首相は、人民軍の戦闘準備は絶えず向上しており、どんな複雑かつ重大な課題にも、首尾よく取り込む(?)ことのできる状態にあると強調している。
軍事問題の専門家、シヴコフ氏は中国の強化はアメリカの国益には、そぐわないとして次のように語っている。
「中国はアメリカが影響を持つ海域で、自国艦隊を集中的に強化している状態にある以上、アメリカにとって対中関係を先鋭化することは全く利益にならない。中国は軍事力をも含めたあらゆる手段を用いて、この海域からアメリカを追い出そうとしている。そのため、アメリカにとっては海軍力拡大の追加資金を拠出しようとする中国のタカ派に、新たな切り札を渡すのは非常に利にならないということだ」
専門家は、このように発言している。

今回の演習は北朝鮮の核実験後、韓国の新大統領の体制でこの地域において行なう、初めての大規模な演習となる。
シヴコフ氏は、これを北朝鮮をいさめる試みだとしながらも、目的はそれに留まらないとの見方を示し、さらに次のように語っている。
「アメリカはこの演習を、中国しかも北朝鮮を怒らす目的だけで行なうのではなく、おそらく韓国における自国の影響を強化し、朝鮮半島において追加的な緊張を生み出すために行なうものと見られている。こうした場合、韓国のハト派は半島からアメリカ軍を一掃する問題を提起しなくなるからだ」
専門家は、このように発言している。
シヴコフ氏はこうした背景では微々たる煽動も、北朝鮮との軍事紛争を引き起こしかねず、北朝鮮は的確な反応を示す能力を持っていると懸念している。

ベテラン女性アナウンサーは「首尾よく取り込む(?)ことのできる」と言ったが正しくは「首尾よく取り組むことのできる」だと思う。

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3月5日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル