1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

ロシア科学アカデミー・シベリア支部(2)

2013-03-14 | ラジオ
2月8日、科学の日の前夜、ノヴォシビルスクで細胞技術センターがオープンした。シベリア地区のあらゆる生物研究員が集って、人間の細胞や高等生物の細胞を研究する研究所だ。このセンターでは大規模な研究が行われる、と生化学基礎医学研究所の所長でアカデミー会員のヴラソフ氏は語っている。
「ここでは医療用タンパク質を得るための細胞の培養が行われている。それらから医薬品が製造される。たとえばガンやウィルス、ダニ由来の脳炎に対抗するためのものだ。
再生医療にも大きな注意が払われている。将来的には、我々は器官や細胞の治療のための、様々な細胞構造を手に入れることが出来るようになるだろう。我々は患者の細胞を使う。骨の細胞あるいは脂肪組織を用いる。これらは特別な操作を施せば、幹細胞に変身するのだ」
ヴラソフ氏のコメントを紹介した。

また世界レベルの発明はクラスノヤルスクのシベリア連邦大学でも行われている。この大学では、2008年のノーベル化学賞受賞者、日本の下村脩氏が、1年以上、研究を行っている。
下村氏はバイオルミネッセンスバイオテクノロジー研究所の所長を務めている。下村氏がロシアを選んだのは、彼の意見ではバイオルミネッセンスの方面では、他ならぬロシアの学者たちが世界の主導的な地位を位置を占めているからだ。
副学長ロマノフ氏はそう語っている。
「こうした発明の応用先は分析医学である。すなわち器官の生物発光の研究だ。この技術はガンを含む疾患の診断メソッドの開発に役立てることが出来る。さらに我々のところで旺盛に取り組みがなされているバイオテクノロジー分野の、もうひとつの方面がバイオポリマーというものだ。これは器官によく溶け込むバイオポリマーを開発するための新たな技術が研究される分野だ。

「大発見」の思考法 (文春新書)
クリエーター情報なし
文藝春秋

2月9日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル