マロッシの趣味の家

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Ⅴ号(独り言)

2006年09月22日 23時20分27秒 | 戦車
第二次世界大戦中ソビエト戦線で優秀なソビエトのT-34中戦車に苦しめられた
ドイツ軍はそれまでのⅢ号、Ⅳ号と全く違った、Ⅴ号パンター戦車を開発した。
実際にはⅤ号パンターよりもⅥ号ティーガーⅠ型重戦車の方が先に開発されたのだが、
T-34に強い影響を受け生産性の高いパンターの方が優先された為Ⅴ号となる。
パンター戦車は見切り発車でまともに可動しなかったD型に始まり、改良型のA型
装甲の強化された完成形の操縦窓の無いG型と続き、実戦には間に合わなかったF型までがある。
当時さらに進化したロシアの重戦車などから見ればインパクトは低いが、ティーガーⅠ型に比べれば
貫通力の優れた75mm砲を搭載し量産性が高く機動力の優れた優秀な戦車だった。
しかし、計画よりも遥かに重くなった車体からか、足回りやトランスミッションのトラブルが多く
常に稼動させるにはかなりメンテナンスの必要な戦車だったらしい。
特徴のある転輪はティーガーⅠと同じ挟み込み式だが、初期型ティーガーと違い、
起動輪の直ぐ後ろが一輪と配列が違うので泥詰りは少なかった。
それでも冬のロシアでは雪が詰まって凍り付いて大変だったらしい。
後には転輪の内側にダンパーゴムを入れ耐久性を増した千鳥形に改められた。

画像は同時期戦ったパンター(左)とシャーマン(右)
なんでもパンター一台でシャーマン戦車10台を破壊したとの記録がある程!
連合軍の戦車との性能差は明らかだった。
如何にドイツ軍が過酷なロシア戦線で鍛えられたかって事だろう。
当時の記録を読むと乗務員の安全性に関しての問題を上層部に苦言する指揮官など、
機甲師団のプライドや指揮は高く、精神論だけの当時の日本軍とは大違い。
非常に科学的で、今の日本よりちゃんと文句を言っているではないか!(笑)
残忍なナチスやSSのイメージとは違い、正規ドイツ軍の優秀さを感じる。