除草剤を使っても枯れない「スーパー雑草」が米国やカナダの農地で勢力を拡大している。遺伝子組み換え作物の普及によって一つの除草剤を大量に使い続けた結果、突然変異で耐性を持つようになった。収量が減るなど深刻な影響が出た農家もある。今後被害が世界に広がる可能性が高く、各国の農業関係者は米国の対策を注視している。
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ホー博士によると、生態系に放たれたGMO(遺伝子組み換作物)の時限爆弾は、そろそろ爆発するタイミングだという。
モンサントの有名なラウンドアップのような特許グリホサート除草剤の経年使用により、新たな除草剤耐性の「スーパー雑草」が進化している。 自然を犯そうとした人間に対する自然の反撃だ。
最近になって米国の大手全国放送のABCテレビは、「退治できないスーパー雑草」というタイトルのドキュメンタリー番組を製作した。
インタビューされたアーカンソー州一帯の農家と学者は、「農地が巨大なアカザに覆われてしまい、いくら除草剤グリホサートを散布しても退治できない」と述べている。ある農家は、たった3ヶ月で約40万ユーロを費やしたが、新型のスーパー雑草は駆除できなかったという。
新型スーパー雑草は非常に頑強であり、収穫のコンバインも動かすことができず、手作業で切ろうとしても道具が壊れてしまう。 アーカンソー州だけで少なくとも40万ヘクタールの大豆・綿畑が、この新型の変異体に覆われている。 他の農業地帯の詳細データは無いが、類似の状況が想定される。アグリビジネス寄りのGMO推進派の農務省は、この不快な現実を隠蔽し、世界最大のGMO市場で反乱が炸裂するのを防止する意味もあって、米国の農作物の収穫の実態について嘘をついていると伝えられている。
パーマー・アカザ(palmer pigweed)というスーパー雑草の種類は、高さ2.4メートルまで成長し、過酷な熱と延々と続く干ばつにも耐え、農作物から栄養を奪い取る根に無数の種を実らせる。野放しにすれば、一年で畑全域を乗っ取ってしまうのである。農地を手放さざるをえない農家も現れている。
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農業専門家:スーパー雑草の除去は困難
http://www.reuters.com/article/2012/05/10/us-agriculture-weeds-idUSBRE8491JZ20120510
アメリカの農場で急速に増殖している「スーパー雑草」問題は簡単には収束できないだろう、また農業従事者と政府は食料生産を保護する為には実行されている方法を変更する必要があるだろう、と5月10日に専門家は語った。
「これは複雑な問題だ」と、ワシントンで開かれた除草剤に対する抵抗力をつけた雑草と戦うための雑草エキスパートの全国大会で、植物学者のデイビッド・ショウは語った。抵抗力を付けた雑草繁殖範囲は1200万エーカーに拡大しており、アメリカの南西部の重要な農業地帯とトウモロコシと大豆が育つ中西部に影響を与えている。
多くの最悪の雑草の中には6フィートにもなり、作物の収穫を大きく損なわせるものがある。モンサントが除草剤に耐えるよう開発した「ラウンドアップ順応型」作物の商業化と共にこれは広がっていった。今やスーパー雑草がラウンドアップに対する抵抗力を付け出したので、農業従事者はこの雑草にどう対処すべきか悩んでいる。
「我々はこれに対処できる技術をもっていない。我々は基本に返らねばならない」と、ショウは語った。彼はアメリカ農務省と一緒になって雑草の耐性問題にどう向き合うかという問題を扱うタスクフォースの議長を務めている。
モンサント 不自然な食べ物 ⇒ こちら
以上
日経さん わかっているなら TPPに反対してください。