天皇はもともと 神 ではなく 祭祀をつかさどる祭祀王 ときにかんなぎであった。 天皇を神にしようとしたモノはすなわち 天皇の威光を利用しようとした輩なのである。
天皇は天意 神の御心を民につたえる御役であった。 政治をまつりごとというのはその名残である。上代では、神を祭ることと政治とが一体である祭政一致であった。天皇は神に祈り 神の声を聴くことで世を治めたのである。逸脱すれば 世が乱れるのは必定であるかもしれない。
『禁祕抄』(順徳天皇著・承久年間成る)は宮中の故實・慣例を記したもので、其の中に「禁 中は年中、事を以て大事とする」との意が記されてゐる。皇室は幾度か危機に瀕したが、必 ず天皇は事を守り祭祀王の道を守られたのである。
今も宮中では毎日のように さまざまな祭祀がおこなわれていると聴く。
わたしは大正天皇を敬愛している。大正天皇は決してお脳のよわい方ではなかった。軍部にとって都合のいい存在ではなかったので 譲位されたようだ。
昔 宮内庁の方に 皇太子様はすばらしい方だとうかがって以来 皇太子様も敬愛している。おことばとおふるまいにブレがない。
どうか 日本が 永遠に平和を希求する国でありますように。
まことに 神国にふさわしい 寛恕の国 喜びの国 曇りなき国 安らかな国でありますように。
大正天皇御製
「神まつるわが白妙(しろたえ)の袖の上に かつうすれ行くみあかしのかげ」(大正10年 皇太子(昭和天皇)が摂政として立たれ 祭祀王としての御役から降りられたときの御歌。)