2014年06月27日 18時06分
以下転載
統合失調症治療薬「ゼプリオン」の使用後に死亡する患者が相次いでいる問題で、半年間の死亡報告が32人に上り、直近1か月で11人増えたことが読売新聞の取材で分かった。
この薬は昨年11月の市販開始から5か月間に21人が死亡し、厚生労働省は4月、販売元のヤンセンファーマ社に医療関係者への注意喚起を求めたが、以後も死亡報告が積み重なった。
ゼプリオンは、成分が体内に長く残る注射薬で、4週に1度の使用で効果が続く。同社が今月、医師向けに配布した報告書によると、今年5月までの半年間の使用者は推計1万1000人。死者32人中、12人は心疾患などによる突然死、4人は突然死が疑われる死亡だった。この薬だけで治療した30歳代の女性患者は、2回目の投与後、体の硬直などの副作用で以後の投与が中止された。だがその後、頻脈、意識障害、肺炎などが起き、投与開始72日後に死亡した。
こうした死亡例について、同社は報告書で「(薬と死亡との)明確な因果関係の有無は不明」としている。一般に統合失調症治療薬は多く使うと突然死などの副作用を起こすことがあり、同社では「他の薬に比べ死亡率が高いとは判断していないが、より慎重な投与を医師に求めたい」と話す。
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