本屋に立ち寄ったら単行本がでていたので帰ってストーブの前で読みました。なんだろう このギクシャクしたストーリーの流れは.....手練れの山岸涼子さんとも思えない とつおいつ 未練ほのみえるすっきりしない終わり方、おわらぜるのなら空美ちゃんとローラ・チャンの秘密を読者にわたしてくれても と思うのです。
六花ちゃんは コリグラファーとして成長してゆくのだろう。六花ちゃんの身体能力では成就できない 振り付けを超絶の肉体と技巧を持つローラ・チャンがかわりに体現する。ふたりは歴史的なコンビになるのだろう。でもふたりの成長譚をもうすこし見たかったと思います。夢半ばで空を舞い散った千花ちゃん トゥオネラで今も踊りつづけている千花ちゃん 本来は六花ちゃんと千花ちゃんのものがたりだったのかもしれません。悪意に貶められ 自殺を選んだ千花ちゃん 虐待されても踊り続けた空美ちゃん わたしには千花ちゃんと空美ちゃんが重なって見えます。
山岸さんは悪意の書ける漫画家でした。混じりけのない悪意というか 良心のカケラもなく 一抹の同情にも値しない悪意を書くことができるのです。それでも テレプシコーラで見せた 千花ちゃんのクラスメート 空美ちゃんを買う男たちは常軌をはずしているようにわたしには思えました。あれはただ社会現象を書いた.....とも思えない。枷というか贄というか空美ちゃんが舞踏家としてして大成ゆくために必要な重荷だった。だったらなおのこと、その後の空美 ローラ.チャンを見せてほしかった。水野英子さんのトゥオネラの白鳥......ひそかなオマージュだったりして....と思いました。
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