知命堂日記   ~  人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻のごとくなり ~ 2005.9.11

いつ死んでもおかしくない年のころ。
夢も希望もなく、やっと生きてます。
今を夢幻と思って、ただひたすらに…

マスグレイブ流に

2006-07-28 22:23:49 | Weblog
行政問題と切っても切れない財政学から考えてみましょう。
財政の3大機能は次のとおりです(魔法の言葉になります)。
1 資源配分
2 所得の再配分
3 景気の安定
問題を考える際に、この3点から考えてはいかがでしょうか?
これらは、マスグレイブがまとめたものですが、マスグレイブという名称を引用しただけでも差が付くでしょう。だいたい、マスグレイブを知らない役人は、たくさん居ます。
1の資源配分は、どんな議論の展開も有りです。ただ、資源配分の一環として行政が手を出すべきか否かは、サービスの供給主体が充実しているかです。第三セクターの多くは、行政から民への過渡的な時期であったが故にその存在が許されたわけで、民が充実してきた今日、もはや多くの第3セクターは存在意義を失っているわけです。当然、郵便局も行政という位置づけからは外れたわけです。
 公共性、守秘義務、そういったものは、行政が行う理由として成立しなくなりました。ただ、建築確認の問題などから信頼性という切り口は、再認識できる気がします。逆に、行政は絶対に信頼を損なってはいけないということです。
2の所得の再配分です。
これは、いささかリスクのある領域です。所得の再配分を否定したときに、人によっては致命的な悪印象を与えかねません。したがって、生活保護を批判するなどのストレートな表現は慎みましょう。極力、やる気を喪失させない程度の所得の再配分に抑えるべきであるという論調とドロップアウトした者への再挑戦の機会の付与くらいは考えて置くとよいでしょう。しかし、セーフティネットをこれ以上手篤くする必要はないと存じますが、ニート対策として所得の再配分を論じるのであれば、好意的な評価を受けるでしょう。
3の景気の安定ですが、これは小渕内閣のやった大借金が大きなツケとなって今日に悪影響を与えていることを考えれば、批判してもいいと思います。ただし、有効な政策を議論できる能力があればの話です。中途半端な政策提言は、避けた方が賢明です。いずれにしても景気の安定は、国策の問題であり、都道府県や市町村のような限定的な領域では、独自の政策展開は無理です。
最後に、マスグレイブの本は、手に入りにくくなりましたが、図書館に行って探せば見つかります。ただし、読んでもわかりにくいので、日本人の書いた財政学の本を読んでおけば十分だと思います。
では、本日はこれまで。






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