Leikon's Photo Diary

写真とカメラなどに係わる独り言

團菊祭五月大歌舞伎 夜の部

2024年05月03日 23時28分39秒 | 歌舞伎

誤認衆の H 口さんのご厚意で團菊祭に芝居見物。お目当ては菊之助の乳人政岡。7 年前に 2 回観ていますが、その間の進境著しいので、どう変わったかも楽しみです。あとは同じく 7 年前に観た「四千両」も。梅玉の藤十郎は変わらずで、富蔵が菊五郎丈から松緑に変わっています。
 
まず「御殿」。菊之助が貫禄が付いて(児太郎みたいに付き過ぎではない)、雀右衛門の栄御前、歌六の八汐に位負けしていないです。栄御前を見送ってからのくどきが泣かせます。ただ、千松殺しのあと鶴千代を連れ出すのですが、政岡の部屋の設えがないので、安全なのかイマイチ不安。沖の井に預ける方が分かり易いように思いました。八汐の歌六は憎々しいところが鉄板です。雀右衛門さんは最初の台詞が飛んでしまったようで、そこだけ興醒め。他は安定していただけに惜しい。丑之助も上手いですね。
「床下」では仁木弾正の團十郎が良かったです。妖気が漂っていました。台詞がなくて芝居の少ない、こういう役ならイイです。

次に「四川両」。牢内が風俗もわかり面白いです。ただ、前回観た四世左團次は修羅場をくぐってきたと思わせる不思議な魅力があり、正に牢名主でしたけど、歌六は牢名主としては真面目過ぎてしまい合ってない感じ。八汐は女形なので吹っ切れて良かったのか。松緑も悪くはないのですが、菊五郎のイメージが(珍しいことに!)残っているので、もう少しがんばりましょう、に思えてしまいます。梅玉は手堅いです。

惜しい方を亡くしました。

幕間は「吉兆」さんで。
 
稚鮎に筍ご飯、皐月和えなど季節感タップリで美味でした。


【 本日の演目 】

一、伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ) 
御殿 
床下 
〈御殿〉 
乳人政岡   菊之助(同左、玉三郎、藤十郎)
栄御前    雀右衛門(魁春、吉弥、秀太郎)
一子千松   丑之助
鶴千代    種太郎
沖の井    米吉(梅枝、菊之助、時蔵)
八汐     歌六(同左、同左、梅玉)
〈床下〉 
仁木弾正   團十郎(同左:海老蔵、吉右衛門、幸四郎:白鷗)
荒獅子男之助 右團次(松緑、同左、吉右衛門)
( )内は 2017 年 5 月( 2 回)、2015 年 9 月、2013 年 5 月(歌舞伎座新開場柿葺落公演)の配役です。
  
河竹黙阿弥 作 
二、四千両小判梅葉(しせんりょうこばんのうめのは) 
四谷見附より牢内言渡しまで
野州無宿富蔵  松緑(菊五郎)
数見役     彦三郎(権十郎)
頭       坂東亀蔵(亀三郎)
女房おさよ   梅枝(時蔵)
三番役     歌昇(亀寿)
浅草無宿才次郎 萬太郎(松緑)
伊丹屋徳太郎  巳之助(錦之助)
四番役     種之助 
黒川隼人    莟玉(鷹之資 休演、松江)
寺島無宿長太郎 左近(菊之助)
生馬の眼八   橘太郎(團蔵)
田舎役者萬九郎 松江 
浜田左内    権十郎(彦三郎)
うどん屋六兵衛 彌十郎(東蔵)
隅の隠居    團蔵(歌六)
牢名主松島奥五郎 歌六(左團次)
石出帯刀    楽善(秀調)
藤岡藤十郎   梅玉(同左)
( )内は 2017 年 2 月の配役です。