リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

何だか煙たい話だけど

2023年05月24日 | 日々の風の吹くまま
5月23日(火曜日)。☁☁。連休明けは曇りではじまり。けさはヒーターは入っていなかったけど、まだ温度は低め。きのうは最高気温が15度、最低気温が10度だったそうで、季節外れの猛暑の後でちょっと季節外れの冷え込み。ヨーヨーじゃあるまいし、暑くなったり寒くなったり、こんなのを繰り返されていたら、身体が参っちゃいそうだな。今日はわりと元気もりもりの気分だけど。

家事とウォーキングを午前中に済ませて、ランチの後は翻訳の見直しの第2ラウンド。変更履歴はオンにしたままで、台詞を自然な流れで読めるように、マークアップは不表示。先月のクルーズでのできごとが何となく影を落として、登場人物の背景についての読み込みが深まったような気がする。あんまり深く踏み込んでしまうと、今度は全体が見えなくなってしまいそうなので、そこは第三者的な視点も忘れないようにしないとね。それだけじゃなくて、あの出来事と関連付けていろいろと考えているうちに、自分自身の人生のいろんな背景のようなものが見えて来たような気もして、だからハウザーの弾くチェロを聞いていると、つい泣けて来てしまうのかな。音楽は言葉、言葉は音楽なんだもの。

でも、そのハウザーがルカ・スーリッチと組んで2Cellosとして活動を始める前に、フルネームのステファン・ハウザーとしてクロアチアの国民的歌手と言われたオリヴェル・ドラゴイェヴィッチと競演したクロアチアのプーラでのコンサートでは、ドラゴイェヴィッチのジャズっぽい曲をチェロを打楽器のように扱って演奏していて、まだやっと20代半ばであの演奏っぷりはすごい天才の現れだと思ったな。さっそくYouTubeをブックマークしておいたけど、すでに60代だったドラゴイェヴィッチがかわいい息子を見るような眼差しをハウザーに向けていたのが印象的。ドラゴイェヴィッチの歌はワタシのアイドルのシャルル・アズナブールを思わせるところがあって、ちょっと煙たい声がすてきで、すっかり惚れ込んでしまった。クロアチアのダルマチア地方に伝わる民族音楽クラパにも興味がわいたし、秋のクルーズではアドリア海のクロアチア側を北上してドゥブロブニクとザダールに寄港するのが楽しみ。CD、買えるかな。

マティニを飲みながら、カレシにその「煙たい声」の話をしていたら、「キミは煙たいのが好きだよねえ」とひとしきりケラケラ。そうなの、スコッチウィスキーはピートの香り高い煙たいのが好きだし、イーグルスはドン・ヘンリーの煙たい声が好きだし、このドラゴイェヴィッチの声も温厚そうな顔にぴったりのまろやかな煙たさがいいの。でも、明日の夜あたりからメトロバンクーバーまで広がって来ると言う森林火災の煙はお断りしたいね。ま、鉢巻きを締め直して、翻訳見直しに精を出そうっと。何としてもワタシの「デビュー作」にしたいから。

かかりつけの医者をマッチングするリストに登録した

2023年05月24日 | 日々の風の吹くまま
5月22日(月曜日)。☁⛅。夜の間にちょっとだけ雨が降ったらしく、ルーフデッキは何となく湿った色。起き出して、何か寒いなあと思ったら、うっはぁ、ヒーターが入ってる。(あしたの朝方の予想最低気温は9度だって。寒っ。)今日はビクトリアデイの三連休の最終日で、伝統的にみんな一斉に庭仕事に精を出し始めて、園芸センターはどこも大賑わいになる日。でも、今年は何だか静かだなあ。みんな一斉にどこかに行ってしまったのかな。

朝ご飯が済んで、ふとテーブル越しにカレシの後ろを見たら、スライドするパティオドアのストッパーに何かヘンなものがぶら下がっている。近寄ってガラス越しに見たら、うは、とんぼ。今ごろとんぼが飛んでいるなんてびっくり仰天だけど、こんな大きなのを見たのも初めて。生きているのか、死んでいるのか、ピクリとも動かない。パティオドアを横向きに通れるだけ開けて出て行って、近寄ってみたけど知らんぷりなので、ぐっと近づいて背中から写真をパチリ。とんぼは目がたくさんあるそうだけど、頭の後ろにも目があるのかな。それにしても気味が悪いなあ。ずいぶん長いこと(30分くらい?)ストッパーにしがみついたままピクリともせずにいたので、ほんとに生きているのかなあと、内側からガラスに顔をくっつけるようにして睨んでいたら、急にふぃ~っと空高く飛んで行った。あはは、バイバイ。





今日は特に差し迫ってやることがないので、今年になってBC州政府が立ち上げた「Health Connect Registry」という、家庭医探しの待機リストに登録することにした。アルバータ州エドモントンに移って月1回こっちに来ていたスラニナ先生が、自身の健康問題で12月からエドモントンからの電話診療だけになって、事実上かかりつけの医者がいなくなってしまったので、対面診療をしてもらえる家庭医を探し始める潮時と判断したわけ。我が家は州最大規模のフレーザー保健局の管内にあって、州全域を35区に分けた待機リストはニューウェストミンスターを中心に隣接する5つの市町村を管轄する「フレーザー北西地区」で、オフィスは道路向かい。登録のためのオンラインのフォームはよくできていて、住所氏名、健康保険番号、生年月日と性別、電話番号、メールアドレスの他、連絡方法や医者の性別、自宅からの距離範囲(加齢を考慮して「5キロ以内」)などの希望も入力して、さらに同居している「家族」(つまりワタシ)の情報も追加して送信。さっそく確認メールが来たので印刷してファイルに保管。州の人口の20%がかかりつけの医者がいないという状況で、いつ順番が来るかは見当がつかないけど、並ばなければ始まらないもんね。

カナダの医療制度は各州の管轄で、健康保険も医療報酬もすべて州が管理していて、医療の質は高いんだけど、最大の問題は医者不足。専門医は十分にいるけど、医療の最前線に立つ家庭医(一般開業医)の不足はどの州でも深刻な状況にある。そもそも、日本の病院のようにこの症状なら何科と自分で判断して専門医にかかるというしくみがないし、個人経営の街角の内科とか外科医院なんてものもないし、総合病院は非営利団体の経営で、所在地の保健局が医療制度に基づいて監督しているから、公営の医療機関も同然。そこへもってして、医療報酬制度が一般開業医を冷遇して来たところがあって、家庭医を目指す医学生が激減した上に、リタイアやインフレによる経費の高騰を理由に廃業する開業医が続出。誰でも診てもらえる(はずの)診療所があちこちにできたけど焼け石に水。でも、今年から家庭医の裁量を大きく拡大した新しい診療報酬制度ができたし、BC州では家庭医の研修ポストが全部埋まって、若い研修医たちが新しい報酬制度を好感しているというニュースもあって、今の窮状が緩和されそうな気配が感じられるから、それまで自分の健康維持に力を入れながら、保健局から家庭医マッチングの連絡が来るのを待つことにしよう。