リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

逼迫した医療制度に変革の芽

2023年05月04日 | 日々の風の吹くまま
5月2日(火曜日)。⛅☀。爽やかとまで行かないけど、いい天気。今日はウォーキングのついでにスーパーに寄って、トイレットペーパーとキッチンペーパーを買って来ることにした。どっちも小さいパッケージでも嵩張るので、頻繁に買わなくても済むようにと、トイレットペーパーは「メガロール」の12個入り、キッチンペーパーはダブルロールの3本入りか6本入りを買うんだけど、普段の買い物のときはトロリーはいっぱいだし、予備に持っているエコ袋にも入らないし、短めのワタシの腕では脇の下に抱えきれないのが悩み。そこで思いついたのが、ウォーキングはカレシと一緒なので、「ついで」なら億劫がらないだろうから、終わったらモールの端っこにあるスーパーに降りて行って、紙製品だけ買って、カレシとワタシで仲良くひとつずつ抱えて来ようと言うもので、実に名案。

のんびりとランチを食べていたら、スーパーの広告メールで、一部の薬局で近々薬剤師が軽微な症状について薬を処方できるようになるというお知らせ。かかりつけの医者を煩わせなくても、やウォークインクリニックに行って順番待ちしなくても良くなるってことだな。(予防接種などはすでに薬剤師にやってもらえるようになっている。)BC州では一般開業医の数が絶対的に足りなくて、人口540万人のうち100万人が家庭医を探しているという危機的な状況。根本的な原因は意固地な州の医療報酬制度にあって、10分単位で右から左と患者を診ないと経営が成り立たないので、一般開業医のなり手がないわけ。でも、一般開業医を通さないと専門医にかかれないし、MRIのような高度な検査も受けられないから、問題は深刻で、政府は報酬制度に手を入れてあの手この手だけど焼け石の水。私たちのスラニナ先生も制度に愛想を尽かしてアルバータ州に行ってしまって、残された患者は、普段は先生がいたクリニックが「かかりつけ」という感じで、専属の若い先生にカレシの処方箋を書いてもらって、どうしてもというときだけスラニナ先生に電話診療をお願いすると言う、綱渡り的な状況にある。

それが最近になって、そんな崩壊寸前(と言うかすでに崩壊している)医療制度に何かしら変化が起き始めているような気がする。薬剤師による処方箋の発行もその変化のひとつだし、フレーザー保健局が看護師によるビデオ診療のシステムを拡充して、一応はかかりつけの家庭医がいなくても、医者のいるウォークインクリニックまで出向かなくても、初動レベルの診療が受けられるようにしたのもそのひとつだと思う。正看護師(registered nurse)は開業医に劣らない医学知識を持っているから、緊急性のない症状なら、医者並みに患者を診て、処方箋を出せるだろうし、緊急性があると判断すれば救急センターに行くか救急車を呼ぶように指示できると思う。ビデオ診療なら患者を観察することもできるわけで、クリニックまで出かけて行って、予約していても待たされた挙句に10分の診察で処方箋をもらって終わりと言う今の家庭医制度よりは、患者の側に寄り添った医療が可能になるんじゃないかと言う気もして、たまたまフレーザー保健局の管轄地域に住む私たちには心強いシステムだと思う。

そこへして、薬剤師が処方箋を出せるようになるわけだから、とにかくまずは一般開業医が診察と言う旧来のシステムの一角が崩れたようなもので、そのうちに「薬剤師→看護師→一般開業医→専門医」という流れになって行くのかもしれないな。処方箋は政府が管理する医療保険のデータベースに記録されて、医者や看護師がアクセスできるし、健康保険番号を使って自分の過去の病歴や投薬歴、予防接種の記録も閲覧できるから、医学知識とデータ技術の進歩で、昔ながらのかかりつけの医者が患者家族の医療を管理するモデルはもう時代遅れなんだと思う。現行の制度は貧富に関わりなく誰もが同等の医療をという、いかにも社会主義政権らしい思考だけど、現実はその逆になっているわけで、せっかくの変革の芽を摘まないようにしてほしいもんだな。


さくらんぼができるのかな?