リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

厳しい時代を生きた人が残したもの

2018年08月01日 | 日々の風の吹くまま
7月31日(火曜日)。晴れ。ちょっと薄曇りがちで、ちょっぴり涼しい(と言っても5度くらい下
がった程度)。それでも、異常高温警報は解除になったし、大気の質AQHIも低リスク「2」
か「3」に戻ったし、空の色も、東の郊外の方角はまだもやっとしているけど、頭の上は普通
に薄曇りと言う感じで、ま、暑い夏はちょっとひと息というところかな。

今日は午後にジムのところへ遺産整理の相談をしに行くので、午前中にカレシが遺言書と
相続手続きが専門の弁護士のリチャードに電話。Arts Clubのレセプションやイベントを通
じて親しくなって、彼の事務所で私たちの遺言書作成もやってもらったので、遺言書の検認
という一番めんどうな手続きを手伝ってもらおうというわけ。カナダには相続税がないから、
誰がどれだけ相続するかという決まりもない。その代わりにいうなれば各人が自己責任で
終活をするというのか、どのように遺産を配分するかを遺言書という「指図書」の形で残して
行くことになっている。

そのために「検認裁判所」というのがあって、ここで遺言書が本人が自由意志で作成したも
のかどうかを検認してもらわなければ相続手続きを始めらないんだけど、遺言書がなけれ
ばこの検認裁判所が誰に相続権があるのか、認定した相続人にどのように遺産を配分す
るかを決めることになっている。決めてくれるのはいいけど、その過程でがっぽりと検認料
を取られるから、遺産がほんの少しだったりすると、遺族の手には何も残らないなんて悲劇
も起きるわけで、遺言書を作って人生の最後をきれいにして行くのは人の義務と言うことに
なっている所以。

ジムの家に行ったら、ママの後見役だったジムが保管していた銀行口座や信託投資口座、
納税申告の書類が揃えてあって、ママの銀行の貸金庫から出して来た遺言書も弁護士が
作ってきちんと証人の直筆の署名がある正式なものなので検認に問題はなさそうで、長年
会社を経営して来たジムが会計士と、カレシが弁護士との折衝を分担して進めることになっ
た。まあ、普通の家族のごく平和な遺産相続風景なんだけど、びっくり仰天したのが遺産の
額。節約、節約とうるさかったわけじゃないのに何で?とカレシは首を傾げるけど、二十世
紀の大恐慌や戦争の時代、戦後の貧困性格を生きた人の地道な倹約精神の結実なんだ
ろうな。でも、こんなに遺産を残すくらいなら、もっと贅沢三昧の老後を過ごせばよかったの
にという思いが募ってくる。