徒然なるままに 

BGMはモダンジャズ、暇つぶしの自分史

巨星墜つ

2015年11月30日 | 日記・エッセイ・コラム

11月30日未明、漫画家の水木しげるが多臓器不全のため死亡した。
享年93歳、大往生である。

少年漫画の黎明期を主導した人気作家といえば、手塚治虫、石森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄、ちばてつや、横山光輝、・・・。
この中に水木しげるはいない。
彼らよりも年上でキャリアも長いが、世の中に出てきたのは随分後である。
妖怪ものに代表されるように、水木しげるの世界観は子供向きではなかった。
後年、「ゲゲゲの鬼太郎」で大ブレークし、人気作家の仲間入りを果たした。

「ゲゲゲの鬼太郎」はアニメの印象が強い。
鬼太郎、目玉親父、ねずみ男の声までよく覚えている。
しかし、漫画を買ったことはない。
「ゲゲゲの鬼太郎」だけでなく、水木しげるの漫画を買ったことがなかった。

初めて買った水木しげるの漫画は、「ボクの一生はゲゲゲの楽園だ」。
2001年に出版された自叙伝である。
子供の頃の妖怪体験、戦争体験、下積み時代、・・・大物である。
結婚後のことは、NHKで放映された「ゲゲゲの女房」で映像化された。
感性豊かで、物事を適格に捉えながらも深刻に考えない鷹揚な性格である。

かつての大作家が鬼籍に入り、あるいは、一線から退き、いまでは名前を聞くこともほとんどなくなった。
しかし、水木しげるは90歳を過ぎてもマスコミに登場し、死去のニュースは一面で取り上げられた。
とても稀有なことである。

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