読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

あくじゃれ-瓢六捕物帖- 諸田玲子 文春文庫

2007-08-19 22:47:52 | 読んだ
オール読物の7月号に、諸田玲子「きらら虫」とあって『再開!あくじゃれ瓢六』となっていた。

なんだ?「あくじゃれ瓢六」って、と思っていたら、本屋で文庫を見つけた「あくじゃれ」と「こんちき」の2冊である。

暑い夏に長編の読物はきついが、このシリーズは1話完結式なので、丁度いい。
しかも、内容も暑苦しくない(つまり、くどくなく、あっさりしていて、それでいてこくがあるような)ので、この暑い夏はこの「あくじゃれ瓢六」シリーズで乗り切ったともいえる。

しかも、読み終えたら、暑い夏も去り、涼しい風が吹き始めた。

さて「あくじゃれ瓢六」であるが、「絶世の色男、粋で頭も切れる目利き」と紹介されている。

主なレギュラーメンバーは、この瓢六。

お袖。瓢六にくびったけで、かつて大店の妾で手切れのさいに桁外れの金子を手にし働かなくても一生暮らせる身分なのに、自前で芸者にでている。

篠崎弥左衛門。北町奉行所の定廻り同心。独身、無骨で融通のきかない世渡り下手。

源次。岡っ引き、瓢六とかかわりあうとロクなことがない。

さて、このあくじゃれ(この「あくじゃれ」という意味がよくわからないのだが・・・)は6編の物語から成っている。

設定の面白さは、瓢六が牢屋にいるということである。
事件が起きると、瓢六の探偵能力に目をつけている与力:菅野一之助または同心の弥左衛門によって期間限定で解き放たれ、謎解きをするということである。

牢屋の中は情報の宝庫、その情報を基に謎解きをするというのは面白い。

そして、謎解きをするくらい『できる』のにどちらかといえば「いい加減」な瓢六と堅物の同心・弥左衛門がいいコンビネーションで物語を作る。
そして、稀代のやきもち焼きのお袖が妙な具合に絡む。

「お鳥見女房」とはまた違った味わいがある。
私は諸田玲子の時代物のファンなのでどうしても点が甘くなるが、肩のこらない時代物ファンにはお勧めである。

といっても、すでにご存知の方のほうが多いと思われ、何をいまさら、という感がたっぷりではあるが・・・

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