読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

美味しんぼ109 日本全県味巡り 島根編 作:雁屋哲 画:花咲アキラ 小学館

2012-12-10 22:26:58 | 読んだ
どうなるんだ!「美味んぼ」と、常々思っている。
もうネタもないんではないか?
日本全県味巡り、といっても、その土地独特の食べ物はあるものの、それに似たものはいっぱいあるし、いわゆるA級の食物は今や流行にはならないだろう。

バブルのころには、やれフォアグラだキャビアだのとめったに手に入らないものが食材で使われていた。そういえば「羊の脳みそ」なんてものもあった。

「美食」とは何か?
みたいなものを延々と伝えられて、そういう美食にあこがれていた時期もあった。

そうこうしているうちに、究極だの至高だのとなり、食にかける贅沢はどこまで行くのだろう?となんだか「ついてけない」感じがただよいはじめたのであった。

なんというか、そういう美食に飽きてしまった。飽食とはよくいったものだ。
で、そのあとは、この物語がどのように終焉となるのかが興味であった。

さて、第109巻である。
この全県巡りで、宮城県を特集したことがあったが、食べたこともないようなものや、食べてみてあまりおいしいとおもわなかったもの(ありていに言えば不味かった)があり、「なんだかなあ」という気持ちになったことがあった。
なので、全県味巡りは、眉に唾をつけてみるようになったのである。

今回も、様々な食べ物が出てくるが、正直言って「ぜひ食べたい!」というものはなかった。
『豊かな自然』のなかではぐくまれた食材はすばらしいものだと思う。
しかし、島根県の人たちが日常的に食べているものだろうか?
そのあたりに「なんだかなあ」感がただようのである。

ただし、その料理と食材を守るためには、豊かな国土を守らなければならない、という主張には大いに賛同する。
それは、特殊な食材だけでなく、米や我々が普段口にする野菜も含めてである。

そして、TPP問題では改めてこの問題の根深さを教えられた。
海原雄山が主張することを鵜吞みにして、そのままTPP反対とは言えないが、大いに頷けるところがあった。

それにしても、今までは超絶技巧をもつプロの職人たちが腕を振るっていたのに、味巡りでは地元の、それもわりと高齢風なご婦人たちの「会」が腕を振るう。更に行政の人々も関わる。
なんというか、一億総美味んぼになってしまったようである。

次巻では原発問題に取り組むようであるが、まあ楽しみといえば楽しみである。

それにしても、初めのころ何かというと登場していた「周大人」はどうしたんだろうか?

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