読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

夜の谷を行く 桐野夏生 文芸春秋連載

2014-12-25 22:15:27 | 読んだ
文芸春秋の2014年11月号から連載されていて、今回は連載第3回である。

物語は、元連合赤軍のメンバーであった「西田啓子」が主人公である。

啓子は連合赤軍事件に関与して服役した後、一人で細々と生きてきた。
彼女に周囲の人、特に親戚は大打撃を蒙ったことから、彼女とは付き合いをしていない。唯一、実の妹だけとなんとかつながりを持っている。

その妹に幹部であった「永田洋子」の死を知らされ、啓子の周囲がざわめき始める。

連合赤軍の事件は、昭和46年。あさま山荘事件と山岳ベース事件の二つの事件を起こした。
私は、当時、中学3年生であった。

田舎ゆえに、左翼の思想についてはそんなにのめりこんではいなかったが、多くの同級生たちは心情的に左翼支持ではなかったか。
それは、多くの因襲がまだ我々を包み込んでいたからである。

学校で何かあればビンタは当たり前、もしそのことが家庭知られたなら家庭でも罰を食らうので、家に帰ったって先生に殴られたなんて言えなかった。

また、男子生徒は全員が坊主頭であった。
でもテレビ見る芸能人たちは長髪であった。
グループサウンズからロックやフォークソングが我々を取り囲んでいるとき、我々は坊主頭。

どうしたら、長髪にしていいのか?
そんなことを可能にするのは左翼思想ではないんだろうか?
なんて思っていた。

そういう中学生に連合赤軍の事件は衝撃的であった。
テレビで見るあさま山荘の事件は、どうしてそんなことをするんだろうか?という疑問、そして何より、山荘にこもる学生たちへ呼びかける親たちが「○○ちゃん」と子供を呼んでいることに大きな衝撃を受けた。

なんだいいとこの人たちの遊びなのか。
と思ったものである。

そしてさらに明かされる「リンチ殺人」

我々は覚めてしまった。


今回、この物語によって、当時の関係者たちがどのように考えていたのか?
あるいは、彼らの思想とは何だったのか?
小難しい理屈とは?

そんなことをこの物語で読んでいきたい。
期待「大」である。

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