第1作.横浜鎮魂曲殺人旅情<幻冬舎文庫>
第2作.京都風の奏葬<講談社文庫>
第3作.入谷・鬼子母神殺人情景<光文社文庫>
第4作.加賀埋蔵金伝説殺人秋景<双葉文庫>
以上4作読み終えました。
第1作についてはすでに感想を書いたので、今回は第2作から。
<京都風の奏葬>
主人公神尾一馬は、雑誌の取材と作家大生田の取材をかねて京都を訪れる。
京都では姪(姉の子)の田村千秋のつてで明暗流尺八の師範を祖父にもつ仁科優衣を紹介してもらい、彼女と一緒に「明暗寺」(虚無僧の寺)を取材する。この優衣に一馬は恋するのですねえ。
さて、その明暗寺にまつわるというか尺八にまつわるというか、優衣にまつわる殺人事件が発生し、その解決に一馬は活躍する。
とまあ、ネタばれをしない程度に紹介するとこうなりますかね。
ここで、もう一人、亜細亜日報の勝田記者という人が登場し、イロイロ情報を交換したりする。
「虚無僧」の世界というのがひとつ、もう一つは芸能界のいやらしさみたいなものが描かれ、京都を舞台に、今と過去を行きつ戻りつ事件とその背景が明らかにされる。
ちょっと、一馬の活躍が控えめという印象があるものの、意外な顛末に驚き。
<入谷・鬼子母神殺人情景>
この物語は、亜細亜日報の勝田記者が主人公のようで、一馬の活躍は前作よりも抑えられている。
勝田記者は、東京入谷の出身で、幼馴染が交通事故でなくなったので、京都から帰省する。そこで連続殺人事件が発生する。
一馬は、入谷の取材で勝田とかかわり、交通事故の背景と連続殺人事件について推理する。
ことは政界とのつながりやらヤクザとの関わりがあって「動機」が心情的に同意できないので、殺したほうが100%悪い!と思ってしまう。
推理小説では犯人にたいして同情したい、という想いがこちらにあるので、ちょっと残念。
鬼子母神の「鬼」という字は、本来上の「てん」がないということを初めて知った。
入谷は一回行きたいと思っているがなかなか都合がつかないでいる。今度機会があったら行ってみたい。
<加賀埋蔵金伝説殺人秋景>
著者得意のというか著者の一つのスタイルである、現代と過去を行きつ戻りつつ進む物語。
過去といったって幕末で、その因縁が今に続いている。
読み進むうちに「犯人はこいつ」というのがだんだん見えてくるが・・・どんでん返しが続いて、最後には「えーっ!」という展開。
それを話せないのが残念。
4作を読み終えて、神尾一馬、若干頼りないがなかなかやるじゃないか、という印象。
今ここでおきている事件は、実は過去からの意外なつながりのなかで、起こるべくして起こった、というパターンは面白い。しかも、おどろおどろした因縁話ではないところにフームという肯きがある。
さて、神尾一馬今度はどこで事件に遭遇するのか?
多分、おいしいものがあるところ、だとは思うのですが・・・・
第2作.京都風の奏葬<講談社文庫>
第3作.入谷・鬼子母神殺人情景<光文社文庫>
第4作.加賀埋蔵金伝説殺人秋景<双葉文庫>
以上4作読み終えました。
第1作についてはすでに感想を書いたので、今回は第2作から。
<京都風の奏葬>
主人公神尾一馬は、雑誌の取材と作家大生田の取材をかねて京都を訪れる。
京都では姪(姉の子)の田村千秋のつてで明暗流尺八の師範を祖父にもつ仁科優衣を紹介してもらい、彼女と一緒に「明暗寺」(虚無僧の寺)を取材する。この優衣に一馬は恋するのですねえ。
さて、その明暗寺にまつわるというか尺八にまつわるというか、優衣にまつわる殺人事件が発生し、その解決に一馬は活躍する。
とまあ、ネタばれをしない程度に紹介するとこうなりますかね。
ここで、もう一人、亜細亜日報の勝田記者という人が登場し、イロイロ情報を交換したりする。
「虚無僧」の世界というのがひとつ、もう一つは芸能界のいやらしさみたいなものが描かれ、京都を舞台に、今と過去を行きつ戻りつ事件とその背景が明らかにされる。
ちょっと、一馬の活躍が控えめという印象があるものの、意外な顛末に驚き。
<入谷・鬼子母神殺人情景>
この物語は、亜細亜日報の勝田記者が主人公のようで、一馬の活躍は前作よりも抑えられている。
勝田記者は、東京入谷の出身で、幼馴染が交通事故でなくなったので、京都から帰省する。そこで連続殺人事件が発生する。
一馬は、入谷の取材で勝田とかかわり、交通事故の背景と連続殺人事件について推理する。
ことは政界とのつながりやらヤクザとの関わりがあって「動機」が心情的に同意できないので、殺したほうが100%悪い!と思ってしまう。
推理小説では犯人にたいして同情したい、という想いがこちらにあるので、ちょっと残念。
鬼子母神の「鬼」という字は、本来上の「てん」がないということを初めて知った。
入谷は一回行きたいと思っているがなかなか都合がつかないでいる。今度機会があったら行ってみたい。
<加賀埋蔵金伝説殺人秋景>
著者得意のというか著者の一つのスタイルである、現代と過去を行きつ戻りつつ進む物語。
過去といったって幕末で、その因縁が今に続いている。
読み進むうちに「犯人はこいつ」というのがだんだん見えてくるが・・・どんでん返しが続いて、最後には「えーっ!」という展開。
それを話せないのが残念。
4作を読み終えて、神尾一馬、若干頼りないがなかなかやるじゃないか、という印象。
今ここでおきている事件は、実は過去からの意外なつながりのなかで、起こるべくして起こった、というパターンは面白い。しかも、おどろおどろした因縁話ではないところにフームという肯きがある。
さて、神尾一馬今度はどこで事件に遭遇するのか?
多分、おいしいものがあるところ、だとは思うのですが・・・・
わかりそうでわからないところがいいですよね。また、この人が犯人じゃないといいけど、という人を結構追いつめる(読む側にとっても)のがミソですね。
神尾一馬は、連作ものだから仕方ないのですが、やや薄味になっていますね。個人的な好みとしては1、4、3、2の順番ですが、神尾一馬が濃い順番にもなっていると思います。
書店に積んであった「日本沈没」を手に取ってしまい、読み始めています。休み中に、いろいろ読みたいのですが、どうなるでしょうか。
来年もよろしく。
連作ものとしては十分いけると思います。
問題は、著者自らが自分に課した「旅情」と「美味な食べ物」そして神尾一馬の性格が今後、いわゆる殺人事件とどう絡むかですね。
殺人事件という凄惨な事件、多分普通の人は一生に一回も出会わない事件に、一馬がどう絡むのか?ということが最も興味があるんです。
それでは来年もヨロシク
作者としては、一馬は観察者的な立場で書き始めましたが、4社の編集者諸子とも話し合って参考にさせて頂きます。
今後ともご愛顧のほど……。
勝手なことを行っているなあ、とお思いでしょう。
そのあたりは「よしなに」ということで、ご勘弁を願いたいと思います。
一馬が事件にめぐり合い、食べ物と女性が絡んだ旅情と、現代と過去の間の旅情、この二つが魅力です。
これからも素晴らしい作品をご期待しています。