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読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

風の軍師[黒田官兵衛]  葉室麟 講談社文庫

2013-11-05 22:11:42 | 読んだ
読み始めてすぐに
「失敗した!」
と思った。

この本を買う時にちょっと迷ったのである。

同じ黒田官兵衛を主人公にした「風渡る」というのが講談社から出ていた。
もしかしてそっちを先に読むべきなのか、と思ったが、別にそのような情報もなかったので、まあ最初から決めていた「風の軍師」を選んだのであった。
その理由は、黒田官兵衛が太閤秀吉を謀殺した、ということに大いに興味を覚えたからである。

ところが、読み始めたら、やっぱり「風渡る」を先に読むものなのだということに気づいたのである。
しかし、時遅し、読み始めたのは新幹線の中。これを読むしかない状況であった。

この「風の軍師」は、短編の連作である。

① 太閤謀殺
② 謀反関ヶ原
③ 秘謀
④ 背教者
⑤ 伽羅奢(ガラシャ)-いと女覚え書-

の5編が収められている。

このうち、主人公と思われる黒田官兵衛が登場するのは②謀反関ヶ原までであった。③秘謀の冒頭は黒田官兵衛の棺が運ばれる場面から始まる。

そして、この連作は黒田官兵衛の生きた時代における「キリシタン」が大きな柱となっている。

つまり、太閤秀吉の晩年の朝鮮の役やら関白秀次の謀反などは、すべて裏側にキリシタンが絡んでいる。
というかキリシタンが裏側で歴史を操っているということが全ての主題となっている。

さらに進めば、関ヶ原の戦いにおいてもキリシタンは暗躍(?)している、とのこと。

松本清張の「日本の黒い霧」は、戦後の日本の事件の陰にはすべて「GHQ」が絡んでいる、というものであった。
GHQ謀略説、というやつであった。

今回はキリシタン謀略説である。

だからって荒唐無稽なものではなく、そういうこともあり、というか、もしかしてそうなのか、という考え方にもなってくる、さらに進むと、そのなのだ、ということになりかねない。

ただひとつだけ、キリシタンが望んだ「テンカ様」が織田秀信だったという説には、それではあんまりキリシタンに人を見る目がないんじゃないか、と思った。まあ、歴史に葬り去られた英雄候補という考え方もあるけれど・・・

続いて、前作の「風渡る」を購入したので読むことにしている。

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