読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

後北條龍虎伝 海道龍一朗 小説新潮

2006-06-04 21:30:08 | 読んだ
小説新潮で連載(といっても毎月ではないが)されていた「後北條龍虎伝」が6月号で最終回を迎えた。

後北條とは、北條早雲からはじまる小田原北條氏である。
その後北條の3代目氏康が主人公の物語である。

後北條氏をテーマにした小説は私にとってははじめてである。なにしろ、豊臣秀吉に最後まで抵抗した一族であり、彼らを倒さねば関東を制することができないほどであったのだから、その基礎はかなりしっかりしていたのではないか、と思うのだが・・・いずれ滅ぼされる、しかもあまり格好のいい形ではなく滅ぼされたので、だれも書く気がわかなかったのか、読んだことがないのであった。

その滅ぼされた時の4代目氏政の父、そして5代目の氏直の祖父に当たるのが氏康である。
これが龍虎の「龍」ならば「虎」とはだれか。
それは、氏康の幼少期から付き従っていた福島綱成である。

氏康の幼少期からこの物語は始まり、北條家の家臣団とは別に嫡男氏康の親衛隊というか次期家臣団が形成され、北條早雲以来の関東経営に乗り出すのであった。

「戦」というのは勝つべくして勝つように、日ごろからの情報収集と、自らの鍛錬を重ね、そして戦場ではそれらを結集して勇をふるい家臣を鼓して戦う。
そんなことを氏康は学び実践をしていく。

風間小太郎、も絡んで、なかなかに血わき肉おどる物語になっています。

最終回では、龍虎が力をあわせ、8千の軍勢で8万の敵方(上杉家)を破るという、有名な河越城の戦いが描かれ、終了している。
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