福島原発事故は最悪の段階に至ってはいませんが、まだまだ予断を許しません。最悪とは、チェルノブイリで起こったような、炉心溶融(メルトダウン)して爆発が起こり、大量の放射性物質が大気中に拡散する事態です。今回、炉心溶融が起こり大量の放射性物質が出ましたが、原子炉格納容器が残っているので、まだ大部分は抑えられている状況と考えています。今、格納容器に窒素を注入し爆発を防ぐ対応を取っていますが、絶対大丈夫という段階ではありません。いくつもの原発が並び、どこか一つで異常事態が起これば、もう全部近づけなくなります。廃炉までは20年以上かかるわけですが、当面の事態が収束するのにはどのくらいかかるか…あと数カ月はかかるでしょう。
原子力のことはよくわからない点も多いのですが、今の時点で考えていることを箇条書きで。(ちょっと長くなるけど。)
1 福島原発の周辺地帯は、今後も含めて考えると積算被ばく量はかなり危険な状態のところがあると考えられる。
2 200キロ圏外の東京は、現在の放射線量を見る限り、切迫した危険はないと考えられる。(なお、ウクライナの首都キエフとチェルノブイリは100キロほどだった。)
3 政府、東電の対応は、配慮を欠いたり後手後手に回る点が多いのは事実で、今後厳しい検証が必要。
4 ただし、自民党が政権批判を言うのは笑止千万。今まで原発(に限らず大型公共工事すべて)を権力的に推し進めてきたのは誰か?
5 だから、原発に限らず、火力発電も水力発電(ダム)もすべて今まで問題を起こしてきたので、原発だけが問題ではない。風力発電や地熱発電も健康被害や環境破壊をもたらす場合が多いので注意。
6 東電の対応が官僚的だったり誠意がないように感じられるのは、たまたまそういう人がやっているという問題ではない。国策として進められ、大規模テロの危険があるプロジェクトは、必ず「自己防衛的」「官僚的」な人々が力を持つのである。
7 工場はすべて危険だが、このように「万が一」の時に破滅的な被害をもたらす技術は、大量生産(消費)社会に合わない。今後「津波は想定外」(それは事実だろう)で、「原発自体は停止した」ので「(女川原発のように)冷却装置さえ壊れなければ原発は有効な技術」という「御用学者」が続発するはずだ。しかし、今回明らかになったように、操業中の原発だけでなく、その時点で停まっていた原発でも使用済み核燃料プールが危険な状態になる、などといった技術が他にあるか?
8 いわゆる「トイレなきマンション」問題(使用済み燃料の処理が確立されていない)がどれほど危険なものなのかを、今回の事態は完全に証明した。
9 政治家、官僚、電力会社、原発メーカーの責任はもちろんあるが、くわしい科学的なことがわからないわけで、「○○審議会」などといった組織がお墨付きを出す仕組みがある。(これは原発に限らずすべての問題でそうだが。)そのとき、必ず政府、業界よりに答える「御用学者」がどの分野にも存在する。この手のやからが良心的に行動していれば、日本の多くの問題はここまでひどくなっていない。「御用学者を許すな」。
10 決定的に重大なのは、御前崎にある中電浜岡原発。ここは活断層の真上にあるともいう。今回の地震を受け、東海・南海大規模地震が近々に起こる可能性が高まったのではないか。近々といっても地球時間の話なので今日明日ということではないが、自分の生きている間には起こるのではないか。
浜岡原発は前から事故も多いし、危険である。もし、浜岡原発が今回の福島のようになれば、東海道新幹線、東名自動車道は20キロ圏内にあるので、東西の大動脈が止まる。福島原発は、新幹線、東北道からは遠いので復旧すれば通れるが、浜岡で事故が起こればそうはいかない。
浜岡原発は、停止する必要があると考える。
ざっと以上のようなことを考えましたが、「歴史を知る」ことが何の問題でも大切だと思っています。
プロ野球がもうすぐ開幕しますが、一時セリーグだけ3月開催を主張していた時期がありました。例によって特に読売が強硬論を主張していました。何を言うのか、自分たちの責任を考えないのかと思ったけど、そういうことを言った人はいないようでした。
日本に原子力発電を最初に導入したのは、正力松太郎初代科学技術庁長官(鳩山一郎、岸内閣)だったと言っていいでしょう。昭和天皇が摂政時代に狙撃された虎の門事件で警察官僚をやめ、読売新聞を巨大紙にのし上げた人物です。プロ野球の父、民間放送の父(民放初の日本テレビを開局)と言われますが、原子力の父とも言われる人物です。今でも、プロ野球で活躍した監督、選手などに贈られる「正力松太郎賞」があります。その正力が原発を導入したわけで、読売グループも歴史的責任があるのではないでしょうか。
原子力のことはよくわからない点も多いのですが、今の時点で考えていることを箇条書きで。(ちょっと長くなるけど。)
1 福島原発の周辺地帯は、今後も含めて考えると積算被ばく量はかなり危険な状態のところがあると考えられる。
2 200キロ圏外の東京は、現在の放射線量を見る限り、切迫した危険はないと考えられる。(なお、ウクライナの首都キエフとチェルノブイリは100キロほどだった。)
3 政府、東電の対応は、配慮を欠いたり後手後手に回る点が多いのは事実で、今後厳しい検証が必要。
4 ただし、自民党が政権批判を言うのは笑止千万。今まで原発(に限らず大型公共工事すべて)を権力的に推し進めてきたのは誰か?
5 だから、原発に限らず、火力発電も水力発電(ダム)もすべて今まで問題を起こしてきたので、原発だけが問題ではない。風力発電や地熱発電も健康被害や環境破壊をもたらす場合が多いので注意。
6 東電の対応が官僚的だったり誠意がないように感じられるのは、たまたまそういう人がやっているという問題ではない。国策として進められ、大規模テロの危険があるプロジェクトは、必ず「自己防衛的」「官僚的」な人々が力を持つのである。
7 工場はすべて危険だが、このように「万が一」の時に破滅的な被害をもたらす技術は、大量生産(消費)社会に合わない。今後「津波は想定外」(それは事実だろう)で、「原発自体は停止した」ので「(女川原発のように)冷却装置さえ壊れなければ原発は有効な技術」という「御用学者」が続発するはずだ。しかし、今回明らかになったように、操業中の原発だけでなく、その時点で停まっていた原発でも使用済み核燃料プールが危険な状態になる、などといった技術が他にあるか?
8 いわゆる「トイレなきマンション」問題(使用済み燃料の処理が確立されていない)がどれほど危険なものなのかを、今回の事態は完全に証明した。
9 政治家、官僚、電力会社、原発メーカーの責任はもちろんあるが、くわしい科学的なことがわからないわけで、「○○審議会」などといった組織がお墨付きを出す仕組みがある。(これは原発に限らずすべての問題でそうだが。)そのとき、必ず政府、業界よりに答える「御用学者」がどの分野にも存在する。この手のやからが良心的に行動していれば、日本の多くの問題はここまでひどくなっていない。「御用学者を許すな」。
10 決定的に重大なのは、御前崎にある中電浜岡原発。ここは活断層の真上にあるともいう。今回の地震を受け、東海・南海大規模地震が近々に起こる可能性が高まったのではないか。近々といっても地球時間の話なので今日明日ということではないが、自分の生きている間には起こるのではないか。
浜岡原発は前から事故も多いし、危険である。もし、浜岡原発が今回の福島のようになれば、東海道新幹線、東名自動車道は20キロ圏内にあるので、東西の大動脈が止まる。福島原発は、新幹線、東北道からは遠いので復旧すれば通れるが、浜岡で事故が起こればそうはいかない。
浜岡原発は、停止する必要があると考える。
ざっと以上のようなことを考えましたが、「歴史を知る」ことが何の問題でも大切だと思っています。
プロ野球がもうすぐ開幕しますが、一時セリーグだけ3月開催を主張していた時期がありました。例によって特に読売が強硬論を主張していました。何を言うのか、自分たちの責任を考えないのかと思ったけど、そういうことを言った人はいないようでした。
日本に原子力発電を最初に導入したのは、正力松太郎初代科学技術庁長官(鳩山一郎、岸内閣)だったと言っていいでしょう。昭和天皇が摂政時代に狙撃された虎の門事件で警察官僚をやめ、読売新聞を巨大紙にのし上げた人物です。プロ野球の父、民間放送の父(民放初の日本テレビを開局)と言われますが、原子力の父とも言われる人物です。今でも、プロ野球で活躍した監督、選手などに贈られる「正力松太郎賞」があります。その正力が原発を導入したわけで、読売グループも歴史的責任があるのではないでしょうか。