チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

おもてなしの心

2011年03月28日 18時32分03秒 | 日記
チャコちゃん先生の長姉
小林宗静米寿の祝い茶事に浜松まで
タナカと山岸さんといってきた

東京駅の薄暗いトンネルから
銀ギンに明るい浜松駅に着き
なにやら呆然とする

お薄の席では
米寿の白にかけて白輪島を
市中佑圭先生に作っていただきお祝いで贈ったが
その白輪島の中棗を早速使ってくれた
そのため水差しなどの周りは黒塗りで統一
いやがうえにも白輪島の棗が輝く

濃茶席では宗静自らのお手前
久しぶりに見るお手前は
あい変わらず流れるように美しい
この方はお濃茶のお手前は昔から淡々と流す
眺めているほうは息を殺してみてしまう
凄いなあ

「戦後から本格的にお茶を始めたーーー」
と話しをする中で
その頃も戦争が終わりまだ復興もままならないとき
丁度今のような社会現象の中で
「こういうときこそしっかり座ってもてなす心を学びなさい」
「茶道こそ日本人の心の全てが含まれているから」
と二番目の姉とともに母から諭されて始めたと語った

もちろんその頃幼児のチャコちゃん先生は蚊帳の外で
そういう話があったこともこの日始めて知った

「ですから今回もこういう状況ですからやめようかと思ったのですが」
自分の茶道は戦後の復興とともに身に付けたものであるから
今回もしっかり心落ち着けて予定通りに開いたと

「お先に」
「どうぞ」
と言いながら床の間に飾った一輪の花を愛で
掛軸に書かれた言葉に納得し
使われた茶器を寿ぐ

その人の持ち物をただ褒めるのではなく
今そこにはいないその器を作った人に思いを馳せる

そのときの所作が言葉がそれぞれに思いやる心がある
同じ場所に居る人たちが
自ら居心地の良い状態を作ろうと努力する
そこにはきもの姿がふさわしいく場を引き締める

諸外国で日本人の静かな行儀のよさが話題になっているが
茶道を知らない人たちも
おもてなしの心を遺伝子の中に持っているのだと思う

技術の国日本といわれ世界をリードしてきたが
これからは
日本人のおもてなしの心が世界を平和に持っていくのではないだろうか

秀吉の時代から
茶室は平和で安心な場所として
時の権力者達の一刻の安らぎの場であった

平和で安心があって
はじめて「おもてなしの心」の余裕が出来る

日本人の意識の高さを世界に広げよう


コメント
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