最近またシングル盤レコードを買い漁っています。
購入しているのは、1970年後半~80年代の歌謡曲。
山口百恵、太田裕美、中森明菜、小泉今日子など。。。
山口百恵、中森明菜は、すでにベストアルバムを持っているので、ダブりもありますが、何故またEP盤を買うのか?
それには訳があります。
その時々のジャケットの楽しみ、値ごろ感、そして重要なのが音質です。
ポップスは、とにかく音が抜けが良く音圧高く音が弾けなければ、聴いていて楽しくないです。
回転数45rpmと33rpm(rpm=revolution per minute)の違い。EPとLPの違い。
私が聴いた感じでは、45rpmの方がダイナミック・レンジが広く、音圧レベルも高い。
これは、歪ませずに刻み込めるレンジが広く取れるから?。
単位時間当たりで考えると盤の溝に沢山の情報を詰め込む事が出来るから?。
要するに、同じの溝の長さに、より多くの情報を刻む事が出来るから?。
この事は、ハイレゾの考え方と同じ。と単純に思った。
しかし待てよ。物事の理屈はそんなに単純ではなかった。
線速度で考えれば、30cmLPの最外周では回転数が33回転でも、計算上では17cmEPの最外周よりも速くなる。
となると、溝幅の違いは?
これは、明らかに17cmEPに1曲だけの方が溝幅を広く取れる。
よって、ダイナミックレンジも広く出来る。特に、低域では溝の左右振れが大きくなるので有利だろう。
例えば、洋楽のオリジナル盤の音圧が高いと言われている盤には、日本盤などに比べて、音溝が内周ぎりぎりまで掘られているものがあります。これは溝幅を広くしているためでしょう。
これは、テープレコーダーでも同じ事が言えます。
オープンリール・テープは、カセットテープに比べ、テープ幅が広いし、走行速度も速い。
だから、マスターテープの制作は、幅の広いテープを使い、走行速度(線速度)の速くして録音しているでしょう。
レコードの場合のEPとLPの違いは単純に音溝の幅の広さだけ?
45回転EPと33回転LPとどちらが音が良いか?
Web上では様々な意見があり一概には言えない様ですが、
私が聴いた和ポップスに限れば、45rpmのEP盤を聴いてから、33rpmのLPを聴くと、どうも大人しく、迫力が無く、物足りなく感じます。
これは、今回聴いた中森明菜や山口百恵のシングル数枚(10枚以上)とそのベスト盤LPを比較試聴した感想です。
もっとも、ベスト盤同士でもその種類によって音質が微妙に違うので、マスタリングの違いやカッティングの違いの要因があるかも知れませんが、、、。 う~ん、奥が深いですね。。。
纏まりのなく、取り留めもない話になりましたが、皆さんはどう思われますでしょうか?
参考までに、現在日本で唯一アナログレコードを製作されている東洋化成の記事もありましたので、読んでみてください。
http://www.toyokasei.co.jp/record/qa_detail.html
インタビュー記事
https://soundrope.com/blog/cuttingengineer-interview1/
PS.今度、マイクロスコープを使って、EP盤とLP盤の溝幅を覗いてみようと思います。差が分かるかな~?
こんにちは。
参考になるコメントありがとうございます。
なるほどですね、やはりそうでしたか。
確かに、シングル盤の発祥は、ジュークボックス等で安定して再生するためドーナッツ型(ドーナッツ型)にしたり、音も迫力で聴かせる様にしてあると読んだ事もあります。今のカラオケの音の様に。
そのためにコンプですかぁ、、。音量もあげてある様に思います。
以前、カセットデッキに録音した古い音をAD変換しデジタル化した時に、そのままでは迫力がなくて、コンプ等の処理をして、やっと聴ける音(迫力ある音)になったといった経験もあります。
理屈はお書きになられているとおりです。
しかし残念なことに、シングル盤については、どんな視聴環境でも聴き易いよう、アルバムに比べて、コンプレッサーを使って小さい音は少し大きく、大きな音は少し小さくしているので、ダイナミックレンジはアルバムよりも狭いです。
但し音が塊りのように飛び出してくるので迫力はあります。
特に歌謡曲では顕著です。
これは現在でも、CDはコンプレッサーを掛けないけれどPVでは掛けるというようなことが行われています。
アルバムについては、そのような処理はしていない(もちろん必要な場合には30cm33回転のスペックの範囲に収まるような処理はしているでしょう)ので、シングル盤と比較すると大人しく感じますが、実はこちらの方がダイナミックレンジは広いです。
アルバムを買える人は視聴環境も悪くないだろうということでシングル盤みたいな処理はしなかったのだろうと推察しています。