どうやら、「中国のGDPが日本を上回った」という統計結果が出始めたようだ。半世紀に及ぶ「世界第二の経済大国」の座を、ついに明け渡す日本。アメリカの経済紙でも、「ドイツに続いて、日本もついに抜かれた。次は俺たちが抜かれる番かもな?」というような報道がなされています。
もっとも、人種的にほとんど変わらず、人口が十倍以上もいるんだから、経済規模が大きい方がむしろ当たり前。「追い抜かれた」というより、「あまりにもイビツだったバランスが、多少は回復した」と言うべき問題でしょう。
それにしても、ここ20年ほど、日本の経済成長はほぼストップしています。経済成長することに、意味がなくなったわけではありません。経済規模が大きくなれば、失業率は下がるし、消費は増えるし、税収は増えるし、財政赤字そのものが相対的に小さくなるし、良いことばかり。経済にとっては、まさに万能の特効薬、魔法の杖。今でも、本音は経済成長したい。
それでも、経済成長がストップして久しいのが日本の現実。もはや、すっかりそれに慣れてしまいました。「世界第二」の座を明け渡すことにも、動揺はほとんど見られません。「へえ、そうなの」という程度の反応だ。これはやはり、それだけ日本人の意識が変わったということでしょう。
実際のところ、もう、日本は経済成長という山を登りきり、頂上に達して久しい。大多数の日本人にとって、新興諸国と経済規模を競うことなど、ほとんど意味をなさなくなってます。新興諸国は、いま必死になって、周回遅れの経済成長をしているところ。すでに、日本は次のテーマに移ってしまいました。
日本に限らず、先進国はみんなそうでしょう。ヨーロッパ諸国も、「富国強兵」の時代をほぼ終えたと言える。唯一の例外は、アメリカだ。日本やドイツの人口が徐々に減る一方で、アメリカは、90年代にメキシコからの移民を大量に受け入れ、人口を四千万人も増やしました。もっとも、ただ単に人口を増やしただけでは、経済は成長しません。移民にせっせと住宅ローンや自動車ローンを貸し付けて、消費を大きく伸ばしてきたのが、アメリカという国のフトコロの深さでしょう。結果的には、それがアダとなり、金融破綻を引き起こしてしまいましたが・・・。
それはともかく、「富国強兵」に代わる次のテーマ、これから目指すべき課題とは何でしょうか。それは、「意識の覚醒」、もしくは「意識の進化」以外に有り得ません。(もちろん、そう思うのは、筆者が精神世界マニアだからですが・・・)。
かつて日本は、軍事力で世界を席巻し、その後、経済力で世界を席巻した。日本が世界を先導する最先進国なのは、すでに証明されてます。あとは、精神力しかない。地球人類の次なるステージ、「意識の覚醒」で世界の先陣を切ることしか、テーマが残されていないのではないか。
新興諸国は、周回遅れの経済成長や、軍備増強に追われています。でも、実のところ、今の地球人類にとって、それはもはや最大の課題ではありません。先進国は「意識の覚醒」へと移っているし、また、移るべきでしょう。
もっとも、自国が次のステージに移ったからといって、他国もそうではないということには、留意する必要があります。靴底に貼り付いたガムのように、いつまでもヘバリ着いて離れないテロリスト国家、北朝鮮。四千年の歴史にも前例を見ないほど、海軍力を増強して日本の領海を横行し、海洋覇権への野心を露わにする中国。もうしばらくは、東アジアの平和への脅威が続くというのが、好むと好まざるとに関わらず(っていうか、誰も好まないだろうが・・・)、動かしようのない現実です。超然としたポーズを取っていればいい、というものでもありません。やはり、現実は現実として、それなりに対応していかなきゃいけない。GDPのことより、この方がよほど問題だ。残念なことではありますが・・・。
もっとも、そんな情況も長くは続かないだろう。いずれ、彼らも変わり始めます。時間の問題なのはまちがいありません。
頭の痛い、余計な問題についてはさておき、日本はすでに次のステージへと移行しました。これからは、新しい精神文明を築いていく時代。軍事や経済ではなく、意識によって世界を変容させる時代です。
実際のところ、産業や経済、科学技術の発展は、地球環境を大きく変えてきましたが、意識の進化もまた、それと同じか、それ以上の変容をもたらす可能性を秘めている。きわめて大きな、発想の転換なのです。
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精神世界関係者には、「もうすぐ、資本主義が崩壊する」と唱える人が多い。
資本主義が崩壊したら、どうなるのか。昔なら、「社会主義の世の中になる」というところでしょうが、ソ連や東欧の社会主義国が崩壊して久しく、中国が資本主義の道をバク進している現状で、それは言いにくい。
資本主義が崩壊したあとのビジョン。それは、ひとことで言えば「おカネが要らない世の中」ということになるらしい。
おカネが必要なのは、なんらかの形で、何かを買うためでしょう。つまり、「おカネが要らない世の中」というのは、「おカネがなくても、なんでも買える世の中」ということを意味しています。言い換えれば、「あらゆるものが、タダで手に入る世の中」ということ。
でも、世の中には、「需要と供給の法則」ってものがある。売られてるモノ(サービスを含む)が少なくて、それを欲しい人(もちろん、おカネを出せる人・・)が多ければ、価格は上がります。逆に、売られてるモノが多くて、欲しい人が少なければ、価格は下がります。
モノが無尽蔵にあって、コストをかけて生産する必要がなく、それを欲しい人の欲望に限りがあれば、価格は限りなく低下し、しまいにはゼロになります。今の世の中では、「空気」がそれに該当する。空気を吸ったり吐いたりするのは、誰でも無料でできる。空気は、至るところに存分にあって、別に独占したがっている人もいないから。ありがたや・・・合掌。
それ以外は、水道の水ですら、タダじゃありません。でも、蛇口をヒネればジャンジャン出てきて、そんなに高くないのは確か。空気ほどじゃないけど、それなりにコストは安い。それはやっぱり、世の中に沢山あって、人が使う量に限りがあるから。もっとも、水道の水は、浄水したり配管したり・・・にコストがかかるから、それを誰かが負担しなきゃいけない。その上、空気と同じく無料になったら、ひどいムダ使いをされて、すぐ水不足になるだろう。
「あらゆるモノが無料」ってことは、極端な話、高級なワインやブランデーも、キャバクラ嬢によるサービスも無料ってことになる。それを実現するためには、まず、たとえタダでもキャバクラ通いはホドホドにするよう、男性側の意識を改革して、需要を一定限度内に抑える必要があります。そして、十分な数の、男性を無償で接待する容姿端麗な女性を確保しなければいけません。そうすれば、無料かもしくは、非常に価格が安くなるでしょう。
ただし、それだと、もはや「キャバクラ」とは呼べないものになります。それは、「合コン」と呼ばれても仕方がないでしょう。
でも、世の中、「ゼロか100か」で考えるべきではない。「おカネが一切いらない世の中」を考えるから実現不可能に思えるのであって、それに近づけることを考えるのは可能です。
当面、目指すべきなのは、「おカネがなくても、普通に生きていける世の中」じゃないでしょうか。空気がタダで手に入るように、生きていくために最低限、必要なモノだけは、無料で手に入るようにする。例えば、水とか、食料とか、服とか、屋根のある住家とか・・・。それ以上の何かを求める人だけが、おカネを出して高級なモノを手に入れればいい。それ以上の何かを求めない人なら、おカネを出さなくても、とりあえず生きてはいける社会。それが実現すれば、理想へと一歩近づきます。
でも、それが難しい。昔の社会主義国・ソビエト連邦でも(平成生まれの世代にとっては、われわれにとっての『ナチスドイツ』みたいな歴史的存在なんでしょうな・・・)、それを目指してました。食料品の価格や、水や電気などの生活必需品の料金は、極端に低く抑えられていた。そういうのを見て、日本の左翼の人たちも興奮して、「人類は、理想社会に一歩近づいた・・・!!」と叫んだものだ。現在でも、「ソビエト連邦の頃は良かった。食料品や公共料金をはじめ、生活必需品の価格がものすごく安かった。それに比べて、今はなんでも物価が上がってしまって・・・」と、昔を懐かしむロシア人が少なくないと聞く。
でも、世の中では、一見タダに見えるものが、実はタダじゃないことがよくある。そんな社会を維持するのに、ものすごいコストがかかります。1000円の食べ物を、政府が買い取って100円で売れば、そりゃ「理想社会」に近づくだろう。でも、差額の900円を、いったい誰が負担するのか。重い税金をかけるとか、どこかにシワ寄せが行くことになります。
かつて、かの高名なるパナソニックの創業者・松下幸之助は、「水道哲学」を唱えたという。いわく、電機製品を、水道の水みたいに、蛇口をヒネればジャブジャブ出てくるほど、安く大量に販売するのだ。・・・それを聞いて、高度成長期の人々は、みんな感銘を受けていたらしい。
「おカネがなくても生活できる社会」にするためには、生活に最低限必要なものが、この「水道哲学」みたいに、真の意味で安くなる必要がある。本当に、空気みたいにありふれた共有物にならなければいけません。無理を重ねて安くしたところで、いつかどこかでボロが出ます。
そのことは、精神世界関係者も分かっている。そこで登場するのが、「フリーエネルギー」。「もうすぐ、おカネの要らない社会になる」と唱える人が、次に口に出すのが、「そのために、フリーエネルギーが開発される」ということ。
今は、石油や石炭を掘り出すのにもコストがかかる。発電所で電気を起こすのには、さらにコストがかかる。発電した電気を使って、いろんな工業製品を作るのに、さらにコストがかかる。人類が、何度も挑んできたにもかかわらず、どうしても「おカネが要らない社会」を実現できないのは、結局のところ、このためでしょう。
精神世界関係者にも、いろんな考え方がある。特に、政治的に左派の人は、「必要なモノが、全員に行き渡らないのは、誰かが独占しているからだ」と考える傾向があります。確かに、そういう面もあるでしょう。でも、それだけではない。今の地球環境では、人口が多すぎるのに比べて、必要なモノを十分に確保できてません。どんな風に分配しようが、地球人全員に行き渡ることなど有り得ないというのが、現状での客観的事実です。だから、効率的に分配するシステムとして、資本主義経済が登場する。
いまもなお、戦乱や飢餓、貧困や疫病が、特に発展途上国では蔓延しています。でも、現代は、これでもマシになってきた方だ。「一国の人口が半分に減った」とか、「ひとつの都市が全滅した」なんてことが、日本の歴史では考えられないけど、大陸の歴史では珍しくもなんともありません。地球というのは、それほどヒドイ環境なのだという現実を、直視しないといけない。一朝一夕に理想社会を実現できるほど、地球環境は優しくできてません。むしろ、極めて荒っぽくできてます。
いずれにしても、鍵を握るのは、「フリーエネルギー」。コストをかけず、無尽蔵にエネルギーを取り出せるシステムが開発され、そのエネルギーを使ってなんでも生産できるようにならなければ、理想社会の実現は近づいてこない・・・。
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異常気象の中、お盆休みの時期を迎えました。でも、今年はどうも、のんびりしたムードがありません。筆者の周囲では、、お盆どころじゃない人が多いようです。
一昨年の「リーマンショック」に始まる強烈な金融危機は、今も記憶に新しい。なぜ、印象が薄れないかと言えば、そのまま世界経済は立ち直ることなく、ズルズルと危機が続いているから。
日本経済も、心配です。懸念材料の最たるものは、財政破綻でしょう。税収が30兆円なのに、80兆円の国家予算を組む。差額は、財政赤字。またまた、国債を大量発行して補填するという。今年度はまだしも、来年度の予算は、果たして組めるのでしょうか。
最近は、「日本は、本当は財政危機ではないのである」という意見が台頭し、流行してきています。いわく、日本には膨大な個人預金がある。ギリシャと違って、外国から借金しているわけではない。政府の債務が900兆円と言ってるが、資産だって何百兆もあるのだ・・・。
確かに、理論的にはその通りだし、やりようによっては、このまま財政赤字でも、まだまだやっていける可能性はあります。
「まだ、やっていける」というのは、つまり、「日本政府は、まだまだ借金を増やせる」ということ。それは、「国債がもっと増えても大丈夫」、最終的には、「日本政府がもっと多くの国債を発行しても、市場が消化できるだろう」というのを意味しています。要は、「国債は、まだまだ売れる。もっと買ってくれる人がいるから」と言ってるのに等しい。
逆に、「財政が破綻する」というのは、どういうことを指すのでしょうか。それは、「国債を発行しても、市場が消化しきれなくなった」ということ。つまり、「日本政府が国債をバンバン発行するけど、誰も買い手がつかない」という状況。
結局のところ、もっと国債が増えても、市場で買い手がつくのかどうか。たとえ、「日本経済には、まだまだ国債を吸収する余力が」あるというのが事実だとしても、現実にマーケットで買い手がつかなかったら、万事休す。理屈はいろいろあるけど、勝負は、その一点に尽きます。
もしも、市場で買い手がつかなかったら、どうなるか。国債の価格が暴落します。それは、「国債の金利が急上昇する」というのと同じ。
98年に、ロシアの国債がデフォルトしたときの騒ぎは凄かった。「金利が80%にもハネ上がった」とか言われてた。デリバティブ理論でノーベル経済学賞を取った人たちのファンドも潰れました。あのときは、「デリバティブ理論の限界だ」と言う人が多かったけど、そうではありません。ノーベル賞学者は、どちらかと言えば看板、もしくはお飾り。実質的にファンドを運営していたのは、典型的な金融マーケットの相場師みたいな人で、「ロシア国債で一発アテてやろう」と思ったら、それが焦げ付いた・・・というのが真相だったみたい。
それはともかく、財政楽観論者は、「財政破綻論者は、国債の金利が急上昇するといつも言ってるけど、実際には、いつまでたっても上がらないじゃないか」と言う。
確かに、その通り。長期金利は、上がるどころか、八月に入って久々に1%を割り込みました。こんなに低い金利でも、日本政府におカネを貸す人たちがいる。金利は、だいぶ前から「上がる、上がる」と言われてるけど、上がるどころか、むしろ下がっている。これを見て、財政楽観論者は、「やはり、財政破綻論者は、狼少年だった。個人金融資産が1400兆もあるから、国債の金利は上がらないのだ」と言っている。確かに、その通り。今のところは・・・。
でも、現実の世の中はフクザツで、何が起きるか分からない。多くの金融専門家が、「国債暴落」をとても心配しています。国債トレーダー出身の知人も「暴落する、する」と何年も前から言ってて、ほんと狼少年なんだけど、でもやっぱり暴落すると言う。
確かに、今までのところ、どんなにバンバン国債を発行しても、市場がそれを消化してきた。でも、それは無理に無理を重ねてきた結果です。郵便貯金なんか、「八割が国債の保有に当てられている」だって。なんじゃそりゃ。そんなの、「郵便貯金」などと呼ぶこと自体が、一種の詐欺だ。正しくは、「国営・国債保有ファンド」と呼ぶべきなんじゃないの・・・?
「こんな無理は、いつまでも続かないだろう」と、金融関係者の多くが思ってます。でも、表立っては口に出さない。そりゃそうだ。本当に国債が暴落したら、みんな困るから(笑)。
実際のところ、「来年度の国家予算が組めるのかどうか」というのが、ひとつの焦点と言える。理論的には、組めます。でも、人間がやってることだけに、現実には分からない。相次ぐ組織改革と政権交代、異常なまでの借金増大と政策のブレで、予算編成の現場もさすがに混乱しているという。小泉政権以来の「政治主導」で、だんだん決定権限がなくなってきた官僚。その一方で、昨年登場した民主党のセンセイ方は、ちゃんと「政治主導」してくれないので、「誰が予算を決めるのか?」がウヤムヤになってきています (これは予算編成に限らず、あらゆる面で起きている現象なんだそうな。複数の官僚からボヤキを聞いてます・・・)。それに加えて、膨大な赤字国債の発行には衆参両院の議決が必要で、ネジレ国会もマイナス材料。あらゆる場面で、相当な混乱や紛糾が予想されます。評論家はともかく、国債マーケットの関係者たちは、「大丈夫かいな?」と言っている。概して、現実の金融マーケットに関わってきた人ほど、悲観論者が多い。筆者の知る範囲でもそうですが、たまたま書店で藤巻健史氏(伝説のディーラーと呼ばれる、有名な国債トレーダー)や、大竹慎一氏(ニューヨークで日本株の取引をやってきた、これまた業界の有名人)の著書を見たところ、「大丈夫かいな?」どころか、口々に「もうダメだ!」と断言されていた(笑いごとじゃないが・・・笑)。
もちろん、危ういのは日本経済だけじゃありません。東を見ても、西を見ても、なんだか危なっかしいとこばっか。精神世界関係者には、「もうすぐ、資本主義が崩壊します」という人が多い。ホントにそうなのかも。
「忘れた頃、ホントに狼が来た」というのが、狼少年のストーリーの結末。大丈夫かいな・・・?
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2010年は、世界的に大変な異常気象が起きてます。
原因については、「エルニーニョ現象」や「ラニーニャ現象」を挙げる人が多い。専門家諸氏によると、今年の春までは、エルニーニョ現象が起きていた。この夏からは、ラニーニャ現象が起きているという。ややこしい話なのだが、この2つは同じコインの表と裏みたいな関係。どちらも、世界中で異常気象を起こすことに変わりない。
でも、専門家がよく挙げる「異常気象の原因」には、もうひとつある。それが、「偏西風の蛇行」。
上の図が、地球規模での空気の流れ。そもそも、こんな空気の流れが起きる最大の原因は、南と北とで、空気の温度が違うこと。南で温められた空気は軽くなり、北で冷やされた空気は重くなる。それが原因で、南と北では、気圧が違います。水は、高いところから低いところに向かって流れる。同じように、空気も気圧が高いところから、低いところに向かって流れます。こういう、南北間の温度差による空気移動に、「地球の自転」というヒネリによる東西の動きが加わる。この2つが解れば、地球規模の気流が見えてきたも同然。
赤道の近くでは、「貿易風」が吹いている。これは、もともと赤道に向かって吹く北風なのだが、地球の自転のおかげで、東から西へと斜めに吹いてます。
それに対して、日本やヨーロッパなどがある中緯度エリアでは、「偏西風」が吹いている。これは、もともと北極に向かって吹く南風なのだが、地球の自転のおかげで、西から東へと斜めに吹いてます。
(↑これは、北半球の場合。南と北の関係が、南半球では逆になります)。
おもしろいのは、同じ「地球の自転」が原因なのに、貿易風は東から西へ、偏西風は西から東へと、風向きが逆になっているところ。
不思議な話なのだが、原理は単純。というのも、地球は、一日24時間で自転している。赤道も、温帯も、北極も、みんな同じ地球上にある。だから、みんな一緒に、仲良く一日24時間でクルッと一回転しています。
でも、同じ「24時間で一周」といっても、一周するときに移動する距離が違います。赤道の周囲は4万キロもあって、とても長い。それにくらべて、北極の近くは、一周するといったって、たいした距離じゃありません。それはやっぱり、地球が丸いから。このため、同じ24時間でも、北極はゆっくりと回っているのに対して、赤道はものすごい速さで回っています。だから、遠心力で、赤道の方がちょっとふくらんでいる。これが、「地球は、球体ではなく、楕円形なのだ」と言われるゆえん。
日本から、赤道に向かって飛行機でまっすぐ飛ぶとする。飛んでいる間にも、地球は自転している。同じ自転でも、日本と比べて、赤道のあたりは、ものすごい速さで回っている。このため、日本から見ると、飛行機は地球の自転に遅れて、ズルズルと西に流されているように見える。
逆に、日本から、北極に向かって、飛行機でまっすぐ飛ぶとする。飛んでいる間にも、地球は自転している。同じ自転でも、日本と比べて、北極のあたりは、ゆっくりと回っている。このため、日本から見ると、飛行機は地球の自転に先んじて、スイスイと東に進んでいるように見える。
ざっくりと言えば、これが、貿易風が東から西へ、偏西風が西から東へ吹いている理由ということになる (こういう、地球の自転によるズレを、『コリオリの力』と言います)。
貿易風と偏西風こそは、地球の大気を循環させる、最大の空調システム。ゆえに、この2つの流れがおかしくなると、地球全体の気候が狂ってくる。
早い話が、貿易風の流れをおかしくしているのが、「エルニーニョ現象」や「ラニーニャ現象」。偏西風の流れをおかしくしているのが、「偏西風の蛇行」ということになります。
「偏西風の蛇行」というのは、その偏西風がまっすぐ進んでくれればよいものを、南に行ったり、北に行ったり、蛇みたいにクネクネと曲がって進む現象。これが起きると (正確には、いつもよりひどくなると) どうなるか。
南の熱い空気が、まちがって北に行ってしまったり、逆に、北の冷たい空気が、まちがって南に行ってしまったりすることになる。北欧に熱波が来て、「こんなに暑いの、初めてだ」と北欧人がビックリしたり、南米に寒波が来て、「こんなに寒いの、初めてだ」と南米人がビックリしたり・・・といった現象が起こる。
それだけではない。同じ緯度でも、暑いところや寒いところ、ムラができてしまう。今年の冬は、北米の東海岸に史上最大の寒波が到来し、ニューヨークやワシントンが雪に埋もれた。その一方、皮肉なことに、冬季オリンピックが開催された西海岸のバンクーバーは記録的な暖冬で、スキー場に雪を運び込むハメになってしまった。こういうマダラ現象も、「偏西風の蛇行」として説明されます。気象庁いわく、
>モスクワで38・2度(7月29日)、北京で40・6度(同5日)と異常高温を記録した原因としては・・・(中略)・・・欧州からロシア、東シベリアでは寒帯地域の上空を流れる偏西風(寒帯前線ジェット気流)が北に蛇行、中国北部周辺では亜熱帯地域の上空を流れる偏西風(亜熱帯ジェット気流)が北に蛇行した。日本の梅雨明け直後の猛暑も中国北部周辺と同様、亜熱帯ジェット気流の蛇行が原因と考えられる。
では、なぜ偏西風の蛇行が起きるのでしょうか。
それはやっぱり、地球は広くて、いろんなところがあるから。海洋もあれば、陸地もある。ゆく手には、険しい山脈も立ちはだかっている。特に北半球には、ロッキー山脈やヒマラヤ山脈、チベット高原といった大山脈がそびえ立っています。同じ太陽の光を浴びていても、いろいろと条件が違うので、暑いところや寒いところと、温度にムラができてしまいます。空気の流れは、温度に大きく左右される。これが、気流が渦を巻いてしまう最大の原因らしい。
「なぜか、今年はペルー沖の海水が、いつもより温かい」というのが起点になって、世界中に異変が広がる「エルニーニョ現象」と同じく、「偏西風の蛇行」がいつもよりひどくなるのも、やっぱり、どこかの空気か海水の温度がおかしいからと考えられます。
そんなこんなで、要するに、今年は地球全体で大気の循環が狂っているということ。大気だけではない。海洋の循環も狂っている。そもそも、何が原因で、こうなったのか。やっぱり、究極の原因は、地球温暖化なんでしょうか・・・?
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一昨日の雨で、やや一服した暑さ。でも、気象庁の発表によると、今年の残暑は厳しくなりそうです。というのも、南米ペルー沖の海で、またしても「ラニーニャ現象」が発生しているからだそうな。
南米の海と言えば、フンボルト海流だろう。南極で冷やされた海の水が、南米大陸の西海岸に沿って、赤道方面へと力強く北上する寒流だ。南極の氷で仕込まれただけあって、フンボルト海流の水は、とても冷たい。
かつて、「南太平洋のイースター島にある謎の巨像・モアイを作ったのは、南米ペルーからイカダで海を渡ったインディオの子孫なのだ」という説を唱えたのは、かの高名なる人類学者・ハイエルダール。「そんなこと言ったって、イカダで太平洋を渡れるはずがないじゃないの」と皆から言われて怒ったハイエルダールが、本当にイカダの「コンチキ号」に乗り、釣った魚を食べ、雨の水を飲みながら、何ヶ月もかけて大海を渡ってみせたエピソードは有名だ。でも、現実には、イカダで南米の西海岸を漕ぎ出そうものなら、たちまちフンボルト海流につかまり、赤道方面に押し流されてしまう。ハイエルダールも、実は沖まで軍艦に引っ張ってもらって、フンボルト海流を越えてからイカダ航海を始めたのだ。そのくらいパワフルな海流が、この海域を流れている。
そんな南極仕込みの冷たい水が勢いよく流れているのだから、沿岸への影響が大きいのも、うなずけるというもの。赤道に近いガラパゴス諸島でさえ、熱帯のほかの国々と比べたら、「涼しくてしのぎやすい」という。おかげで、南洋の孤島の住人たち、リクガメやイグアナたちもホッと一息だ。ここは珍しい動物が多いので、ダーウィンが進化論のネタを調査したことでも有名。でも、いいことばかりではない。問題は、水が冷たくて、蒸発しないこと。やっぱり、海から水が蒸発してくれないことには、雲ができなくて、陸地に雨も降らないのである。実際、沿岸にあるチリのアタカマ砂漠では、「何十年もの間、一滴も雨が降ったことがない地域もある」と言われるほどの乾燥地帯が広がっている。
話が脱線してしまったが、要するに、海水の温度は、それほど気候に対する影響が大きいということ。地球で一番広い太平洋の、赤道付近の海が、常に世界の気象関係者の注目のマトになっているのは、そのためだ。もちろん、日本の気象庁も注目している。このあたりの海水の温度を、いつも測って発表している。
南米ペルー沖のような赤道直下の海では、強烈な太陽の光がさんさんと降り注いでいる。陽射しで暖められた空気は、軽くなって上空へと向かう。これが、空気の循環の始まりだ。ここで起きた上昇気流は、そのまま上空に留まっているわけにもいかず、他のどこか(赤道エリアほどには陽射しが強くないところ)に流れて下降気流となり、また落ちてくる。ヤカンを熱したときの、中の水と同じように、空気はグルっと対流して、元に戻ろうとする。
でも、残念ながら、空気がまっすぐ戻ろうとしても、元の場所には戻れない。それは、地球が自転しているから。空気が上がったり下がったり、モタモタしている間に、地球は自転してドンドン先に進んでしまう。置いてきぼり(?)を食った空気は、ズルズルと横に流されていく。このため、赤道付近では、風がいつも東から西に向かって吹いている。これが「貿易風」と呼ばれる、地球規模の気流。大昔のアラビア人が、はるばるインドや中国まで船で貿易できたのも、この貿易風に乗って帆をふくらませてきたおかげだという。ありがたや・・・合掌。
でも、赤道エリアといっても広い。海洋もあれば、陸地もあり、条件は一定でない。問題がよく起きるのは、南米ペルー沖の海 (太平洋の東側)。なんと、このあたりの海は、なぜか、いつもより水が温かいときもあれば、水が冷たいときもあるというのだ。原因は定かでないのだが、ペルー沖の海水の温度が高いときは「エルニーニョ現象」、逆に、温度が低いときは「ラニーニャ現象」と呼ばれる。ここで狂った空気の流れが、貿易風に乗って地球を巡り、毎年のように世界中の気候に大きな影響を及ぼしているから厄介だ。
↑エルニーニョ現象のときの太平洋 (赤いところは、いつもより水温が高い)
それにしても、エルニーニョ現象が起きると、どういうことになるのでしょうか。
太平洋の東側で、温かい海水に暖められた空気が、赤道の太陽でますます暖まり、上昇気流になってドンドン出ていってしまう。その分、このあたりの空気が薄くなる(低気圧)。このため、太平洋の西側から、東に向かって空気が流れ込もうとする圧力が生じる。それが、地球の自転のおかげで東から西に向かって吹いている貿易風とぶつかって打ち消し合うことになり、結果として貿易風が弱まってしまう。ラニーニャ現象の場合は、それとは逆のことが起きる。
ややこしい話は専門家にオマカセするとして、要点だけをまとめると、エルニーニョ現象が起きれば、貿易風が弱くなり、ひいては地球規模で空気の流れが弱くなる。ラニーニャ現象が起きれば、貿易風が強くなり、ひいては地球規模で空気の流れが強くなる。もっとも、空気だけでなく、海水の対流にも複雑な影響を及ぼすので、さまざまな地域でいろいろな現象が表れる。これについては、専門家でも一概には言えないようだ。
↑ラニーニャ現象のときの太平洋 (青いところは、いつもより水温が低い)
どうやら、この夏は「ラニーニャ現象」が起きているようだと、気象庁は発表した。つまり、今は、ペルー沖の海水がいつもより冷たい。これが巡り巡って日本の残暑を厳しくするというのだから、「風が吹いて桶屋が儲かる」みたいな話だ。結果的に、熱帯から気団がせり出してきて、遠く離れた日本にまで熱い空気がドンドン流れてくるという寸法。
ちなみに、気象庁によれば、「ラニーニャ現象が発生すると、冬は寒くなる傾向がある」という。おそらく、大気の流れが良くなった分、冬はシベリアから冷たい空気が流れてくるからだろう。
異常気象の影響もあって、野菜の価格がますます上がっている昨今。猛暑と干ばつに悩むロシアはさらに小麦の生産予想を下方修正し、「穀物価格の上昇が、デフレを止めるんじゃないか」なんて声まで出始めた。
世界各国で非常事態宣言が乱れ飛んでいることを思えば、まだマシな方とは言うものの、世界的な異常気象の影響は日本にもビリビリ来ている。どうやら、これから先もますます大変なようですな・・・。
(図表は気象庁の資料より)
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世界中で、すさまじい洪水が起きている。
中国では、甘粛省チベット族自治区で、豪雨のため大規模な土石流(地滑り)が発生。死者と行方不明者が合わせて数千人に達した。土砂崩れで川が埋まってダムになり、たまった水が溢れ出して大洪水になってしまった。甘粛省といえば、中国の内陸部で、険しい山脈に南北をはさまれた谷間が千kmにわたって延々と続く地域。シルクロードを通って西域に向かう人々が中国を出るには、ここを通るしかなかったため、古来から「回廊」と呼ばれてきた。そんな辺境の田舎で「四万五千人が避難」するとは、被害がどれほどの広範囲に及んでいるのか想像もつかない。常に洪水の危機と隣り合わせにある南部の長江流域ならともかく、こんな地域にまで水害が広がっているとはオドロキだ。
大雨が続いて、全国的に洪水が頻発している中国。特に南部では、数億人が水害に見舞われている。春先までは干ばつに悩まされていたのに、五月からは一転して大雨という事態に、気候担当の政府幹部は、「2010年に入って以来、中国では、極端な気候が常態化した」という異例のコメントを発表した。
全国的に懸念されているのは、ダムの決壊だ。世界最大級の川・長江をせきとめて造った三峡ダムで、七月には史上最高の水位に達したことが報道された。南部だけでなく、東北部(満州)でもダムが決壊して、すでに大きな被害が出ている。
東アジアの梅雨どきは過ぎたが、秋には台風シーズンがやってくる。当局も警戒を強めているという。
かと思うと、インダス文明の発祥地・パキスタンでも大洪水が起きている。戦乱が続くアフガニスタンに近い北西部で、大雨が降っている。洪水による死者はすでに1600人を突破し、さらに増えている模様。水害による被災者は1500万人に及んでいるというから、これまた想像を絶するスケールだ。雨期と乾期の差がハッキリしているとはいえ、もともと乾燥気候に属するパキスタンでは、史上に前例のない規模の水害だという。
世界的な洪水は、意外な地域にも飛び火した。今度は、ドイツやポーランドで大雨が降り、川が溢れて被害が広がっている。
日本でも、七月の梅雨の末期はひどいことになった。でも、世界はもっと凄い。どこまで続くのか、この「水攻め」・・・。
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日本も暑いが、もっと凄いのはロシアだ。もともと寒い極北の国だけに、突如として訪れた赤道直下の熱帯国みたいな暑さで、パニックになっている。
連日、気温が35℃にも達する猛暑で、水浴中に死亡する人が急増し、千人を大きく突破。
暑いだけでなく、雨も降っていない。ロシアは小麦の世界貿易の一割を占める大生産国だが、干ばつの被害で不作が予想され、穀物輸出を一時禁止する措置が発表された。この影響で、小麦の国際相場が二割も急騰するなど、先物市場にも影響が起きている。
しかし、もはや、それどころではなさそうだ。ロシアの国土を覆う森林や、泥炭地で火災が起き始めた。広大な大陸の各地で一斉に火の手があがり、577ヶ所に広がった。火災は驚くほど広範囲に及び、各地で非常事態宣言が出ている。
もうもうと吹き上がる煙は、首都モスクワの空を覆っている。「煙がジャマになり、300メートル先までしか見えない」というほどの視界不良に、空港では、飛行機の欠航が相次いだ。アメリカ国務省がモスクワへの渡航を差し控えるよう警告を出したのに続き、ヨーロッパ各国の政府も渡航の自粛を呼びかけている。赤の広場も煙で真っ白になり、マスク無しでは街中を歩けない状態だという。各国の大使館員が一時帰国するなど、モスクワから脱出する人が続々と出始めた。
心配なのは、原子力発電所への影響だ。ロシアの西部の森林には、チェルノブイリ原発事故で撒き散らされた放射能が、二十年以上たっても残っているという。あのときは、放射能が欧州各地の上空に広がり、世界的な話題を呼んだものだ。
この件は、精神世界関係者の間では、別の意味でも話題になった。というのも、聖書の黙示録に、「にがよもぎ」という名の星が落ちてきて、世界中の川の水が苦くなった・・・という記述があるのだが、なんと、「にがよもぎ」は、ロシア語で「チェルノブイリ」を意味するというのだ。今も記憶に新しい、預言マニアなら知らない人はいないほど有名になったエピソード。確かに不思議な話ではある・・・。
そんなチェルノブイリ原発事故。いまだに放射能が残っていること自体が驚きなのだが、専門家は、森林火災で上がった煙に乗って、その残存放射能が世界に広がることを懸念しているという。
もっと怖いのは、「今も稼動中の原子力発電所に燃え移ったら、どーなるの?」ということだろう。この調子では、いよいよ人類の頭上に、「にがよもぎ」が落ちてきそうな勢いだ・・・。
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