「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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民法:契約したのに、実は、代理権のないひと(無権代理人)とやっていた。さあ、どうする。

2014-05-27 16:00:10 | シチズンシップ教育
 契約したのに、実は、代理権のないひと(無権代理人)とやっていた。

 原則は、契約の効果は、本人に帰属しません。

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民法
(無権代理)
第百十三条  代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
2  追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。
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 さあ、どうする。



1、まずは、本人に対し、「代理権を与えていたでしょ!」と、有権代理の主張をします。
 代理権を与えたのではないかという事象が、明らかになってきたら、110条の主張につなげるとっかかりをつくるのに役立ちます。

2、本人に、その取引を有効にする「追認」(民法116条)を求めます。

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 民法
(無権代理行為の追認)
第百十六条  追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
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3、表見代理を主張する。(民法109、110、112条)
 この場合、善意無過失を立証する必要があります。

 立証できた場合、
 権利外観法理によって、本人は代理権を与えていないのにもかかわらず、契約の効果が、本人に帰属します。


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民法
(代理権授与の表示による表見代理)
第百九条  第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

(権限外の行為の表見代理)
第百十条  前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

(代理権消滅後の表見代理)
第百十二条  代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。
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4、本人無理なら、無権代理人に、責任追及します。(民法117条)
 契約相手方の悪意または有過失を立証するのは、無権代理人のほうです。
 3と立証責任が転換しているため、主張するには3より有利です。

 この主張は、せっかく立証できたとしても、無権代理をするようなひとに、実は、返還できる金銭を有することを期待できないという、残念な結果になるところが難点です。

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(無権代理人の責任)
第百十七条  他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2  前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。
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以上
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