「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

どうか、中央区の皆様、日本橋の街路樹を守って下さい。街路樹伐採の差止めを求める中央区職員措置請求書(案)

2017-08-18 07:38:13 | 地球環境問題

 どうか、中央区の皆様、日本橋の街路樹を守って下さい。

 少なくとも周辺住民への説明会無くして、伐採強行は、やめて下さい。


***********************************************
中央区職員措置請求書

第1 措置請求の要旨
 1 対象となる財務会計行為及び求める措置請求
 中央区長は、区道「中日5号」の街路樹伐採(以下、「本件事業」という。)等のために平成29年度に計上された予算(別紙1、『平成29年度中央区各会計予算中央区各会計予算説明書』平成29年2月 中央区 180頁、第6款環境土木費 第1項環境費、第2目公園河川費 2街路樹・街路灯等管理事業(3)街路樹・街路灯の整備1億132万9千円のうち「日本橋本町2丁目6番先~日本橋小舟町14番先」への計上分)の執行に係る財務会計行為を行うことは、後述のように違法・不当であるため、当該財務会計行為を行ってはならないとの措置を講じることを求める。

 2 当該財務会計行為が違法又は不当であること
本件事業により24本の街路樹の伐採が行われる。伐採は2017年7月22日(土)に開始し、一旦休止し、お盆明けに工事再開を予定している。

本件事業による街路樹24本(銀杏9本、クロガネモチ17本。うち2本のみ移植)の伐採は、違法又は不当であることの違法性、不当性を述べる。

(1)本件事業には、区民の合意形成が得られておらず中央区は説明責任を果たす必要があること
街路樹伐採の経緯や目的が不明で、多くの区民の理解を得ていない。特に、伐採に至った経緯については、区民に公開されていない。
区民有志を中心に、本件事業についての中止と説明会を求める趣旨の要望書(別紙2、以下「要望書」という。)を矢田中央区長及び水とみどりの課長宛てに作成したが、街路樹の伐採を知った区民からは、50名以上の署名が、その要望書に集められた現状にある。
街路樹に親しんだ周辺住民にも伐採計画を知らない人が多いのであって。まずは懇切丁寧な説明をするのが先決であり、強引で拙速な伐採をすることは、中央区は、説明責任を果たしているとはいえず、重大な手続き違反である。

(2)本件事業は、『中央区緑の基本計画』の方針に反していること
伐採対象の街路樹は大変貴重なものである。特に、本件事業による伐採対象樹木には貴重な大径木が含まれている。推定樹齢60年、幹周囲は2m弱あり、東京都の指針でも保護対象となっている。

そして、それら大径木のその健全性も、一部伐採された銀杏の木の断面から明白である(別紙3、写真)。伐採された木の幹を観察しても、痛んでいない。樹木の専門家によると、「1、空洞があるが、生存に影響はない。2、実際に、切り株では、断面の白い部分(生きているところ)が半分以上あり、十分健康な木だと思われる。白い部分が1/3以上あればその樹木は健康と考えられるからである。」他の銀杏も同様に健康であることが考えられる。



また、中央区は緑被率において都内最低レベルにある。区内の街路樹の数はわずかに6800本余りであり、うち日本橋地区内は2500本余りしかない。一度の道路工事で26本の街路樹を伐るとなると、地区内の1%の木を伐ることとなる。またクロガネモチの木は日本橋地区に34本あるだけであり、16本伐採されると約半数を無くすことになり、樹齢20~30年程度と思われるので、これから成長する樹木である。(別紙4「中央区管理の街路樹」データ参照)
中央区は、平成21年3月策定の『中央区緑の基本計画』(別紙5)において、 「歩道拡幅等にあわせ、街路樹の間に中木や低木を植栽した植樹帯へと改修」し、「緑のボリュームアップ」を図っていく方針であって、歩道拡幅等にあわせ、本件事業のように大きな街路樹を伐採して、代わりに中木や低木を植栽する方針は持ってはいない。
 街路樹は地域環境と風景を良くする地域の資産である。一度伐ってしまったら数十年間元に戻らない。区民の反対を押し切って伐採されることはあってはならないし、中央区自身が策定した『中央区緑の基本計画』の方針にも反する行為である。
よって、本件事業を施行することは許されない。

(3)街路樹を残した道路整備及び電線共同溝整備は可能であること
当該工事の具体的な目的は、「歩道の拡幅」と「電線地中化」と現場の看板に公告されている。
「歩道の拡幅」に関しては、現在より倍加して5m幅になり、歩道の中心にくる街路樹の緑陰が歩行空間の環境をよくすることになり、むしろ木の恩恵を享受できる。(別紙6、写真参照)
「電線地中化」については、技術的にも新しく統一した方法等が定まっていない現状にあり、参入する業者の増加と共に技術の進歩が期待されている。現に「木を伐らない地中化工事」が開発されている。(別紙7、チラシ参照)
実際に、本件事業の区域の電線共同溝に係る「東京電力パワーグリッド(株)」(住所:港区芝公園2丁目2番4号)もその技術的な可能性はある旨をその担当者は、平成29年8月17日に私に述べている。
これらを考えると、無理に木を伐る理由はなく、むしろ大径木の風景を楽しめる環境が実現できる。
 本件事業により伐採される予定の街路樹を保存した電線共同溝配置の設計は技術的には可能であり、これら可能性を十分に検討することなく、伐採をすることをやむを得ないと判断することは、社会通念に照らし著しく妥当性を欠いており、本件事業を実施に及ばせる判断は誤りである。


(4)地方行政の趨勢と環境意識の高まりに反していること
隣接する千代田区では2016年7月、街路樹の伐採を行っていた区道の工事を中止し、10月区議会で計画の見直しが決定した(別紙8、新聞記事参照)。千代田区議会委員会では区内の街路樹の伐採を基本的に行わない方針を全員一致で決定し、街路樹の定期診断等に新たな予算を設けることとし、街路樹を中心とした道も計画される方向にある。
2016年12月には東京都道の白山通りで行われていた無電柱化に伴う街路樹伐採を一旦休止し、千代田区の方針と都の技術的再検討をすり合わせていくこととなった。休止後も都は公開説明会を段階的に開き、都民合意の上で工事を進める運びとなっている。(別紙9、東京都「説明会開催のお知らせ」参照)
このように都心の地方自治体では、街路樹の存在意義や生命を尊重し、反対意見を無視するような強引な伐採は行わなくなった。反対がある場合は一旦工事を中止し、丁寧な説明や再検討を重ねて理解を得てから再開するようになっている。
中央区も都心を代表する区であり、このような地方自治の傾向に合わせるべきであり、さもなくば、周辺地域は緑豊かで立派な街路樹が育ち、中央区だけがコンクリートジャングルのままという環境意識の遅れを印象づけることになってしまう。区職員の名刺に印刷された「水辺や豊かな緑を共生し、みんなで環境をよくするまち中央区」というスローガンに反することにもなろう。
また東京全体では2020年に向けて環境整備を行っている。2016年10月に東京都オリンピック・パラリンピック準備局が環境局長に提出した「評価書」によれば、2020年への準備とその後の環境上の影響について、以下のようにまとめている。
・・・東京を緑の都市として再生していくことは、都市の生態系の保全、雨水浸透の促進による水循環の正常化への寄与のほか、住民に潤いや安らぎを与える美しい都市景観の創出、都市の防災や熱環境の改善に役立ち、より快適で質の高い都市環境を創出すると言える。(「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会実施段階環境影響評価書、5-7-65)
東京の都市像において、緑の重要性が繰り返し強調されている。
これら、周辺区や東京都の趨勢に反し、伐採をすることをやむを得ないと判断することは、社会通念に照らし著しく妥当性を欠いており、本件事業を実施に及ばせる判断は誤りである。

 
第2 請求者
  氏名 小坂和輝 


地方自治法242条1項の規定により、別紙事実証明書を添え、必要な措置を請求します。


平成29年8月18日


中央区監査委員 御中




別紙1 『平成29年度中央区各会計予算中央区各会計予算説明書』平成29年2月 中央区 180頁  
別紙2 区民有志作成「要望書」
別紙3 本件事業で一部伐採された銀杏の幹の断面写真
別紙4 「中央区管理の街路樹」
別紙5 『中央区緑の基本計画』抜粋
別紙6 歩道の中心の街路樹 写真
別紙7 「木を伐らない地中化工事」チラシ
別紙8 新聞記事(東京新聞2016.10.19、朝日新聞2016.10.18、The Japan Times2016.10.20)
別紙9 東京都「説明会開催のお知らせ」

以上

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする