「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

子ども達を放射線被ばくから必ず守る。子どもに1~20mSv/年は安全か?

2011-04-29 14:12:06 | 小児医療
 子ども達を放射線被ばくから必ず守っていかねばなりません。

 まずは、文科省の見解を見てみます。

 「原子力安全委員会→原子力災害対策本部→文部科学省・厚生労働省→福島県教育員会」の情報の流れ。
 論理構成は、国際放射線防護委員会(ICRP)は、1~20mSv/年の範囲を上回ると「不適切」としているため、これ以下を目指すことと結論付けをしています。
 1~20mSv/年が子どもにとって安全であるとは、以下掲載の文章からは読み取れません。

 子どもにとって1-20mSv/年が、本当に安全であるか、あらゆる科学的知見の集約が求められます。
 また、「空間線量率は、屋外3.8μSv/時間、屋内木造1.52μSv/時間」であることを担保する十分なモニターも求められます。この点からは、「学校等にそれぞれ1台程度ポケット線量計を配布し、生徒の行動を代表するような教職員に着用させ、被ばく状況を確認すること」では、まったく不十分であり、生徒全員にポケット線量計を配布し、ひとりでも線量を上回る子がでないことを毎日チェックする体制が必要ではないかと考えます。

 

*****以下、文科省ホームページより******
下線、太字は、小坂による印。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1305174.htm

福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について

平成23年4月19日

 標記の件につきまして、原子力災害対策本部から、福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方が示されましたので、別紙1のとおりお知らせします。
 また、これを踏まえ、別紙2のとおり福島県教育委員会等に対し通知を発出いたしましたので、あわせてお知らせします。

別紙1

平成23年4月19日

文部科学省 殿
厚生労働省 殿

                                   原子力災害対策本部

「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方」について

 標記の件に関して、貴省における検討を踏まえ、とりまとめた考え方について原子力安全委員会に助言を要請したところ、原子力安全委員会から別添1の回答を得た。別添2の考え方に基づき、別添1に留意しつつ、福島県に対し、適切に指導・助言を行われたい。

別添1

平成23年4月19日

原子力災害対策本部 殿

                        原子力安全委員会



「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方」に対する助言について(回答)

 平成23年4月19日付で、要請のありました標記の件については、差支えありません。なお、以下の事項にご留意ください。

(1)学校等における継続的なモニタリング等の結果について、二週間に一回以上の頻度を目安として、原子力安全委員会に報告すること

(2)学校等にそれぞれ1台程度ポケット線量計を配布し、生徒の行動を代表するような教職員に着用させ、被ばく状況を確認すること

別添2

平成23年4月19日
原子力災害対策本部

福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方

1. 学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安について

 学校等の校舎、校庭、園舎及び園庭(以下、「校舎・校庭等」という。)の利用の判断について、現在、避難区域と設定されている区域、これから計画的避難区域や緊急時避難準備区域に設定される区域を除く地域の環境においては、次のように国際的基準を考慮した対応をすることが適当である。

 国際放射線防護委員会(ICRP)のPublication109(緊急時被ばくの状況における公衆の防護のための助言)によれば、事故継続等の緊急時の状況における基準である20~100mSv/年を適用する地域と、事故収束後の基準である1~20mSv/年を適用する地域の併存を認めている。また、ICRPは、2007年勧告を踏まえ、本年3月21日に改めて「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベル(※1)として、1~20mSv/年の範囲で考えることも可能」とする内容の声明を出している。

 このようなことから、児童生徒等が学校等に通える地域においては、非常事態収束後の参考レベルの1-20mSv/年を学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安とし、今後できる限り、児童生徒等の受ける線量を減らしていくことが適切であると考えられる。

※1 「参考レベル」: これを上回る線量を受けることは不適切と判断されるが、合理的に達成できる範囲で、線量の低減を図ることとされているレベル。

 また、児童生徒等の受ける線量を考慮する上で、16時間の屋内(木造)、8時間の屋外活動の生活パターンを想定すると、20mSv/年に到達する空間線量率は、屋外3.8μSv/時間、屋内木造1.52μSv/時間である。したがって、これを下回る学校等では、児童生徒等が平常どおりの活動によって受ける線量が20mSv/年を超えることはないと考えられる。また、学校等での生活は校舎・園舎内で過ごす割合が相当を占めるため、学校等の校庭・園庭において3.8μSv/時間以上を示した場合においても、校舎・園舎内での活動を中心とする生活を確保することなどにより、児童生徒等の受ける線量が20mSv/年を超えることはないと考えられる。

2. 1.を踏まえた福島県における学校等を対象とした環境放射線モニタリングの結果に対する見解

 平成23年4月8日に結果がとりまとめられた福島県による学校等を対象とした環境放射線モニタリング結果及び4月14日に文部科学省が実施した再調査の結果を踏まえた原子力災害対策本部の見解は以下のとおり。

 なお、避難区域並びに今後設定される予定の計画的避難区域及び緊急時避難準備区域に所在する学校等については、校舎・校庭等の利用は行わないこととされている。

(1)文部科学省による再調査により、校庭・園庭で3.8μSv/時間(保育所、幼稚園、小学校については50cm高さ、中学校については1m高さの数値:以下同じ)以上の空間線量率が測定された学校等については、別添に示す生活上の留意事項に配慮するとともに、当面、校庭・園庭での活動を1日あたり1時間程度にするなど、学校内外での屋外活動をなるべく制限することが適当である。

 なお、これらの学校等については、4月14日に実施した再調査と同じ条件で国により再度の調査をおおむね1週間毎に行い、空間線量率が3.8μSv/時間を下回り、また、翌日以降、再度調査して3.8μSv/時間を下回る値が測定された場合には、空間線量率の十分な低下が確認されたものとして、(2)と同様に扱うこととする。さらに、校庭・園庭の空間線量率の低下の傾向が見られない学校等については、国により校庭・園庭の土壌について調査を実施することも検討する。

(2)文部科学省による再調査により校庭・園庭で3.8μSv/時間未満の空間線量率が測定された学校等については、校舎・校庭等を平常どおり利用をして差し支えない。

(3)(1)及び(2)の学校については、児童生徒等の受ける線量が継続的に低く抑えられているかを確認するため、今後、国において福島県と連携し、継続的なモニタリングを実施することが適当である。

3.留意点

 この「暫定的考え方」は、平成23年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故を受け、平成23年4月以降、夏季休業終了(おおむね8月下旬)までの期間を対象とした暫定的なものとする。
 今後、事態の変化により、本「暫定的考え方」の内容の変更や措置の追加を行うことがある。

別添

児童生徒等が受ける線量をできるだけ低く抑えるために取り得る学校等における生活上の留意事項

以下の事項は、これらが遵守されないと健康が守られないということではなく、可能な範囲で児童生徒等が受ける線量をできるだけ低く抑えるためのものである。

1校庭・園庭等の屋外での活動後等には、手や顔を洗い、うがいをする。

2土や砂を口に入れないように注意する(特に乳幼児は、保育所や幼稚園において砂場の利用を控えるなど注意が必要。)。

3土や砂が口に入った場合には、よくうがいをする。

4登校・登園時、帰宅時に靴の泥をできるだけ落とす。

5土ぼこりや砂ぼこりが多いときには窓を閉める。

参考1

平成23年4月19日

原子力安全委員会 殿

                       原子力災害対策本部

「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方」に対する助言について(要請)

 標記の件に関して、別添のとおり、「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方」を取りまとめたが、このことについて、原子力安全委員会の助言を求める。


*******別紙2********
別紙2)福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1305173.htm

福島県内の学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について

標記の件について、福島県教育委員会等に発出しましたので、お知らせします。



23文科ス第134号
平成23年4月19日



福島県教育委員会
福島県知事
福島県内に附属学校を置く国立大学法人の長      殿
福島県内に小中高等学校を設置する学校設置会社を
所轄する構造改革特別区域法第12条第1項
の認定を受けた地方公共団体の長



文部科学省生涯学習政策局長 板東久美子
初等中等教育局長  山中伸一
     科学技術・学術政策局長 合田隆史
スポーツ・青少年局長  布村幸彦



福島県内の学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について(通知)



 去る4月8日に結果が取りまとめられた福島県による環境放射線モニタリングの結果及び4月14日に文部科学省が実施した再調査の結果について,原子力安全委員会の助言を踏まえた原子力災害対策本部の見解を受け,校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方(以下,「暫定的考え方」という。)を下記のとおり取りまとめました。

 ついては,学校(幼稚園,小学校,中学校,特別支援学校を指す。以下同じ。)の校舎・校庭等の利用に当たり,下記の点に御留意いただくとともに,所管の学校及び域内の市町村教育委員会並びに所轄の私立学校に対し,本通知の趣旨について十分御周知いただき,必要な指導・支援をお願いします。



1. 学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安について

  学校の校舎,校庭,園舎及び園庭(以下,「校舎・校庭等」という。)の利用の判断について,現在,避難区域と設定されている区域,これから計画的避難区域や緊急時避難準備区域に設定される区域を除く地域の環境においては,次のように国際的基準を考慮した対応をすることが適当である。

  国際放射線防護委員会(ICRP)のPublication109(緊急時被ばくの状況における公衆の防護のための助言)によれば,事故継続等の緊急時の状況における基準である20~100mSv/年を適用する地域と,事故収束後の基準である1~20mSv/年を適用する地域の併存を認めている。また,ICRPは,2007年勧告を踏まえ,本年3月21日に改めて「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベル(※1)として,1~20mSv/年の範囲で考えることも可能」とする内容の声明を出している。

  このようなことから,幼児,児童及び生徒(以下,「児童生徒等」という。)が学校に通える地域においては,非常事態収束後の参考レベルの1-20mSv/年を学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安とし,今後できる限り,児童生徒等の受ける線量を減らしていくことが適切であると考えられる。


※1 「参考レベル」: これを上回る線量を受けることは不適切と判断されるが,合理的に達成できる範囲で,線量の低減を図ることとされているレベル。

 また,児童生徒等の受ける線量を考慮する上で,16時間の屋内(木造),8時間の屋外活動の生活パターンを想定すると,20mSv/年に到達する空間線量率は,屋外3.8μSv/時間,屋内(木造)1.52μSv/時間である。したがって,これを下回る学校では,児童生徒等が平常どおりの活動によって受ける線量が20mSv/年を超えることはないと考えられる。さらに,学校での生活は校舎・園舎内で過ごす割合が相当を占めるため,学校の校庭・園庭において3.8μSv/時間以上を示した場合においても,校舎・園舎内での活動を中心とする生活を確保することなどにより,児童生徒等の受ける線量が20mSv/年を超えることはないと考えられる。

2. 福島県における学校を対象とした環境放射線モニタリングの結果について

(1)文部科学省による再調査により,校庭・園庭で3.8μSv/時間(幼稚園,小学校,特別支援学校については50cm高さ,中学校については1m高さの数値:以下同じ)以上の空間線量率が測定された学校については,別添に示す生活上の留意事項に配慮するとともに,当面,校庭・園庭での活動を1日あたり1時間程度にするなど,学校内外での屋外活動をなるべく制限することが適当である。

  なお,これらの学校については,4月14日に実施した再調査と同じ条件で国により再度の調査をおおむね1週間毎に行い,空間線量率が3.8μSv/時間を下回り,また,翌日以降,再度調査して3.8μSv/時間を下回る値が測定された場合には,空間線量率の十分な低下が確認されたものとして,(2)と同様に扱うこととする。さらに,校庭・園庭の空間線量率の低下の傾向が見られない学校については,国により校庭・園庭の土壌について調査を実施することも検討する。

(2)文部科学省による再調査により校庭・園庭で3.8μSv/時間未満の空間線量率が測定された学校については,校舎・校庭等を平常どおり利用して差し支えない。

(3)(1)及び(2)の学校については,児童生徒等の受ける線量が継続的に低く抑えられているかを確認するため,今後,国において福島県と連携し,継続的なモニタリングを実施する。

3.留意点

(1)この「暫定的考え方」は,平成23年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故を受け,平成23年4月以降,夏季休業終了(おおむね8月下旬)までの期間を対象とした暫定的なものとする。

  今後,事態の変化により,本「暫定的考え方」の内容の変更や措置の追加を行うことがある。

(2)避難区域並びに今後設定される予定の計画的避難区域及び緊急時避難準備区域に所在する学校については,校舎・校庭等の利用は行わないこととされている。

(3)高等学校及び専修学校・各種学校についても,この「暫定的考え方」の2.(1),(2)を参考に配慮されることが望ましい。

(4)原子力安全委員会の助言を踏まえた原子力災害対策本部の見解は文部科学省のウェブサイトで確認できる。

別添

児童生徒等が受ける線量をできるだけ低く抑えるために取り得る学校における生活上の留意事項

 以下の事項は,これらが遵守されないと健康が守られないということではなく,可能な範囲で児童生徒等が受ける線量をできるだけ低く抑えるためのものである。

1校庭・園庭等の屋外での活動後等には,手や顔を洗い,うがいをする。

2土や砂を口に入れないように注意する(特に乳幼児は,保育所や幼稚園において砂場の利用を控えるなど注意が必要。)。

3土や砂が口に入った場合には,よくうがいをする。

4登校・登園時,帰宅時に靴の泥をできるだけ落とす。

5土ぼこりや砂ぼこりが多いときには窓を閉める。



お問い合わせ先

原子力災害対策支援本部(放射線の影響に関すること)
電話番号:03-5253-4111(内線4605)

スポーツ・青少年局学校健康教育課保健管理係(学校に関すること)
電話番号:03-5253-4111(内線2976)

(スポーツ・青少年局学校健康教育課)
******別紙2以上*****


お問い合わせ先

原子力災害対策支援本部(放射線の影響に関すること)
堀田(ほりた)、新田(にった)、奥(おく)
電話番号:03-5253-4111(内線4604、4605)

スポーツ・青少年局学校健康教育課(学校に関すること)
平下(ひらした)、石田(いしだ)、北垣(きたがき)
電話番号:03-5253-4111(内線2976)

(原子力災害対策支援本部、スポーツ・青少年局学校健康教育課)
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ひとに優しい社会、子どもに優しい社会

2011-04-29 12:31:31 | 国政レベルでなすべきこと
 医療現場で垣間みるに、まだまだ、日本はひとに優しい社会、子どもに優しい社会になっていません。

 このたびの中央区長選挙、私自身のひとつの問いかけを有権者の皆様にいたしました。
 子どもに優しい社会と病児保育。

 今、あらためて、「ひとに優しい社会、子どもに優しい社会」を想います。

 自分自身、クリニックで『病児保育室』を運営致しております。
 中央区初で10年前の2001年開設し、今は、中央区にも私の施設を含め4施設に広がりました。
 お子様が風邪、ご病気の際に親御さんがお仕事を休んでその子の看病をするのが本来あるべき姿です。まだまだ日本はそこまで至っていないため、第二の選択肢として、『病児保育室』を運営してきています。

 近隣小児科医が聖路加国際病院と連携をし、聖路加病院の場所をお借りし、『中央区小児平日準夜間救急』を開始致しました。
 現在、私たち開業医も月に一度(~二度)参加し、診療をしています。
 19時~22時の時間の救急診療です。
 夜は早く休むのが、子どもの病気の治療の基本であると考えます。
 救急疾患のみならず、昼間のかかりつけ受診で済むはずであろう疾患での受診、いわゆる「コンビニ診療」としてご利用されるかたも多数いらっしゃいます。
 もちろん、そういうかたへの対応をするのも、小児科医としての救急での役割ではあるのですが、子どもの目線から、どういう受診をし、どのように休養をとれば一番楽でよいかというところから考えると悩ましい状況が続いています。
 
 医師会が、『休日応急診療所』を開設しています。中央区では、中央区医師会により佃月島と京橋の2カ所、日本橋医師会により久松小近くに1カ所開設され、医師会会員が当番で出動しています。
 平日どうしてもお休みを作れずクリニック受診ができないために、休日応急診療所での受診がやっとという方がたまに受診されます。応急診療所であり、薬の処方も1日分が基本ですが、長めの処方を求められたりします。
 病気は、かかりつけ医と一緒に治していくべきもの、応急診療所は、もちろん、得られた情報から最大限のアドバイスをし処方を致しますが、かかりつけ医への橋渡しにしか過ぎません。

 子どもが病気の際に、親御さんが看病することを周りが支える社会
 子どもが夜の休息を、ゆっくりととることができる社会
 ご自身の病気の際に、休養をとることを周りが支える社会

 その理想を描き、少しでも近づけるよう、その解決の鍵をみつける努力を惜しみません。
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