新型インフルエンザが一時終息方向に向かっている感をうけますが、まだ、ぽつぽつと患者さんがいらっしゃるのも事実です。
今後の考え方は、どうすればよいものでしょうか。
専門家の講演会から、考えてみたいと思います。
重要と思われるところは、赤字や下線を引いています。
下火の今だからこそ、いままでの新型インフルエンザ対策を振り返り、改善すべき点など検討すべきと考えます。
着目点は、以下のようなところでしょうか。
①情報伝達について
厚労省からの方針が、地域の医療機関に伝わったかどうか
情報が、区民にスムーズに伝わったかどうか
区内関係機関のネットワーク間の情報交換
流行状況の把握とその情報のフィードバック
②予防接種について
集団接種体制
ワクチン供給体制
③医療体制について
救急診療体制
④学校、保育園、病児保育、施設、について
集団感染対策
などなど。
***神戸新聞より*****
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0002665128.shtml
新型インフル今後どうなる? 神戸で専門家ら講演
パンデミック(世界的大流行)を引き起こした新型インフルエンザについて、ウイルス学や感染症治療の専門家らが今後を占う、市民講演会がこのほど、神戸で開かれた。再流行や毒性が強まるようなウイルス変化の可能性などについて、講演した、第一線の研究者らの見解をまとめてみた。(武藤邦生)
講演したのは、東京大医科学研究所の河岡義裕教授▽国立国際医療センターの工藤宏一郎・国際疾病センター長▽神戸大大学院医学研究科の新矢(しんや)恭子准教授▽神戸市立中央市民病院感染症科の春田恒和部長。
今秋以降に流行
国内では患者数が減少傾向にある新型インフルエンザ。再流行について、河岡教授と工藤センター長は「終息に向かっており、この冬、再度の大流行の可能性は低い」と口をそろえた。河岡教授は「(新型ウイルスが)季節性インフルエンザとなって定着するのは確実で、今年秋以降、再び流行する」との予測を披露した。
また、今のところ新型インフルエンザの症状は、従来の「季節性」と同程度とされるが、再流行時に懸念されるのが毒性の変化。20世紀前半にパンデミックを引き起こした「スペインインフルエンザ」では、第1波よりも第2波の方が死者数が増え、「ウイルスが強毒化した」との説もある。
この説に対し「証拠はない」と工藤センター長。同時代の論文を調べた結果、「インフルエンザ患者を収容した各地の病院で、肺炎球菌などの院内感染が起こり、死者数が増加したようだ」とし、今回の「新型」についても「歴史から見て、強毒化は考えにくい」と述べた。
ただし、インフルエンザウイルスは遺伝子変異が速いのも事実で、河岡教授は「ウイルス学的に見て、もう少し毒性が強まっても不思議ではない」と指摘。極端な変化はないとしても、今よりも幾分重い症状を伴う病気へと変わる可能性は捨てきれないようだ。
新パンデミック
一方、病原性が高く、致死率6割とされる鳥インフルエンザへの注意を促すのが新矢准教授。新型インフルエンザに注目が集まり、やや関心が薄れているが、2009年もエジプトなどで70人以上の感染が確認されている。
新矢准教授は、鳥インフルエンザの最大被害国であるインドネシアで、食用として売られている生きたニワトリなどを調査。「これらの中に、ヒトに感染するタイプの鳥インフルエンザウイルスが存在することが明らかとなった」とし、新たなパンデミックを起こす危険性が引き続きあることを示した。
またインドネシアでも新型が流行しているといい、新型と鳥インフルエンザのウイルスが混ざり合い、「新たなタイプのウイルス出現もあり得る」と警鐘を鳴らした。
(2010/01/25 11:55)
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