引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

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浜っ子おやじさんの、ひとり寿司屋

2014年03月27日 | ときどき日記

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横浜教室終了後、

担当の秋場さんに

「どこかおいしいところ、ない?」

「あります、あります。

82歳のおやじさん、

たった1人の寿司屋。

わたしまだ仕事で、

ご一緒できないけど

だいじょうぶですか?」

「わたし、1人、好きだから」

「そばまで行きますから」と

Tさんにご案内いただくことに。

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ランドマークタワーから

15分も歩けば野毛です。

「あそこですよ」と、Tさん。

駐車場の隅っこの小さな平屋。

「なんだか、つげ義春の世界だわ」と、

勝手にワクワク。

店内は6席のカウンターと

小さな2席のテーブル席。

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引き戸を開けると、

まだ早い時間なのに、2人の先客。

「いらっしゃい、

一番奥へどうぞ」

張りのある声、

とても82歳には見えない。

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ひと通り握ってもらい、

お腹が落ち着いたところで

おやじさんも対面の片隅に座り、

なにがきっかけだったか、

「終戦が14歳のときでさ」と、

戦前、戦中、戦後の横浜物語が

はじまりました。

「テレビのなんか、きれいごと。

みんな、生きるのに必死だったさ」。

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「俺はね、行列に絶対並ばない。

倒れそうなくらい腹すかせて

1日並んだって

なんにも食べるものない、ての

嫌んなるほど経験してるから。

トラウマだな、

行列見ると、思い出しちゃう」

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「お店、年期入ってますね」

「この店はね、

昭和47年に大和ハウスが販売した

プレハブの勉強部屋」。

「昭和47年というと、

いま、昭和89年だから(私の数え方)

42年経ってるの!」

「帰りにもう1度見てごらん。

ほんとに小さなプレハブだから」

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次々とやってくる、お客。

ガラス戸に人影が見えるでしょう。

勉強部屋には、きっちり8人入り、

わいわい、わいわい

まーー、にぎやかなこと。

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この日は、火曜日。

人気の程が知れるでしょう。

野毛、多留満(だるま)寿司。

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コメント (3)
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