きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

どうみる債務1千兆円① 大企業優遇で税収空洞化

2016-11-24 21:58:06 | 予算・税金・消費税・社会保障など
どうみる債務1千兆円① 大企業優遇で税収空洞化

「日本の政府債務は世界有数。国債暴落の危険が迫っているのではないか」との質問が読者から寄せられました。財政危機の実態や打開の道について考えます。

国・地方を合わせた長期債務残高は2016年度末見込みで1062兆円、国内総生産(GDP)比204・7%です。1980年代から90年代はじめにはGDP比60%程度でしたが、その後、急増。2013年度にはGDP比200%を超えました。安倍晋三政権は国の借金をさらに増やし、未来へのつけ回しを拡大しています。将来の財政を再建困難な状況へ追い込むことになりかねません。



国債を発行する財務省=東京・霞が関

■法人税を減税
政府は高齢化にともなう社会保障費の負担増を要因に挙げますが、最大の原因は税収の空洞化です。大企業や富裕層を優遇し税負担を減らしてきたため、税収が減っているのです。
消費税が創設された1989年度以来28年間で、消費税による税収は328兆円に上ります。ほぼ同時期に法人3税(法人税、法人事業税、法人住民税)は271兆円、所得税・住民税は260兆円も減ってしまいました。
国・地方合わせた法人実効税率は80年代末50%程度でしたが、その後、段階的に引き下げられ、2016年度には30%を割り込みました。安倍政権は「世界で一番企業が活動しやすい国」をめざして、法人実効税率を18年度には29・74%まで引き下げます。
安倍政権は法人税を減税する一方で、2014年4月に消費税率8%への引き上げを強行しました。保険料の増額や年金受給額の引き下げなど、社会保障の負担増と給付減も進められています。可処分所得の減少と消費税増税で個人消費は落ち込み、いまだに回復していません。消費の低迷が企業の設備投資の減少をもたらし、税収がさらに伸び悩む悪循環が起きています。




■借金頼み続く
安倍政権が7月の参院選後に発表した経済対策は、財源を赤字国債に頼らなかったものの、6兆円規模の財政投融資を行います。財政投融資は国が財投債を発行し、借金して調達した資金を低金利で貸し出すものです。16年度補正予算では建設国債を2兆7500億円発行します。結局、借金頼みの経済対策です。
しかも経済対策の目玉はリニア中央新幹線の大阪延伸の前倒しです。リニア新幹線の建設はもともと、建設費用をJR東海が全額負担する計画でした。リニア新幹線は赤字必至の事業といわれます。国の借金がますます増えるおそれがあります。(つづく)(3回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年11月22日付掲載


高齢化社会で社会保障費が増えていることは事実。
しかし、その負担は高齢者がすればいいってもんじゃない。税収には、所得税、法人税、消費税などの間接税がある。
とりわけ大企業の法人税が減っていることが問題。
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