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きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

阪神・淡路大震災20年 復興を問う③ 個人補償否定

2015-01-14 21:46:38 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
阪神・淡路大震災20年 復興を問う③ 個人補償否定
借金で再建 今も続く返済


「いまは災害で支援金が300万円出るけど、われわれには何もなかった」
神戸市東灘区の梶原吉夫さん(62)は強調します。
震災で自宅が全焼。婦人服卸売業の再開、自宅再建に事業用融資、住宅ローンなどを借り入れ、返済を続けています。多いときで月約40万円。「大変な思いをしてきた」といいます。2年前に廃業し、いまはタクシー運転手です。
350万円借りた災害援護資金は月1万円返しています。「なんぼ事情を説明しても、神戸市は『借りたもんは返すのが当たり前』の一点張り。商工ローンみたいなえぐい取り立てやった。免除になればありがたいが…」



梶原さん。震災後に再建した自宅の前で=神戸市東灘区

自力再建を強制
震災直後、被災者が切望した生活、住宅、営業再建のための個人補償を、当時の村山内閣は「私有財産制では認められない」と拒否。自力再建を押しつけられた被災者は各種融資に殺到しました。
1996年4月の参院予算委員会。日本共産党の上田耕一郎副委員長が、災害救助法にある「生業(なりわい)資金の給与」の規定を生かして個人補償をと迫りました。
当時の菅直人厚生大臣は「災害援護貸付金制度など…貸し付け制度が整備拡充されてきたことから生業資金の給与は行ってこなかった」「貸し付けという制度が…充実した形で決められておりますので、それを運用してきた」と答弁。“貸し付けで十分”という方針だと明らかにしました。
ところがその災害援護資金は、5万6千人が借りて06年4月に完済のはずがいまも1万件が未返済。4万7千件の利用があった業者むけ災害復旧融資は7千件以上が返済不能に陥りました。自宅は再建しても重いローン負担…。

「返済の免除を」
「充実」どころか返済に苦しみ続けてきたのが、借金に頼るしかなかった被災者の20年閻の現実です。個人補償を否定した大失政の責任が問われなくてはなりません。
自宅、店舗の再建、事業再開に災害復旧融資など5100万円を借りた長田区の山田恭一さん(69)=仮名、クリーニング業=も、「返済が頭を離れない」といいます。まだ1200万円残っています。
営業と返済は厳しく、震災後5年間は年中無休、専門学校を志望した長男は進学をあきらめました。97年と14年の消費税増税などの影響で、売り上げはいま震災前の4割です。
「中小業者は地域に貢献しているし、阪神に適用されていない国の支援金300万円に準じたものがあるべきです。復旧融資の返済免除があっていいのでは」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年1月12日付掲載


今では当然とされている個人補償、生業の補償。でも当時は、「個人財産の国」だから無理の一点張りでした。
これをこじ開けて勝ち取った個人補償。
今またぞろ政府や財界は、「個人財産は保障しないといけない」と前置きしながら、「コンパクトシティ」と称して、過疎地域から地方の中核都市へ集積を図ろうとしている。
またもや個人財産を奪うやり方だ。
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NHKスペシャル(17・18日放送)阪神・淡路大震災20年

2015-01-14 15:00:35 | 震災・災害・復興・地震&災害対策など
NHKスペシャル(17・18日放送)阪神・淡路大震災20年
復興行政の課題は?
大地震にどう備える



阪神・淡路大震災の被害
シリーズ阪神・淡路大震災20年 第1回 大都市再生 20年の模索


活断層を調査する
シリーズ阪神・淡路大震災20年 第2回 都市直下地震 20年目の警告


6434人もの命が奪われ、10万棟を超える住宅が全壊した「阪神・淡路大震災」から20年。崩壊した大都市をどう再生させていくのか、そして大地震にどう備えるのか、その道筋を17、18日(後9・0)に2回シリーズで伝えます。
1回目は、行政担当者の模索や決断を追います。「奇跡の復興」を遂げたとされる神戸。ビルが立ち並び、交通網も整備されました。しかし、その一方で、一部の町では復興が計画通りに進まず、「空き地のまま」のところが残ります。復興住宅は高齢者ばかりとなり「孤独死」も相次ぐなど、今もなお課題を抱えたままです。
復興政策にあたった行政担当者は、前例がない災害に際し、国との交渉などを重ね、復興の道筋の選択と決断を行ってきました。そこに、どんな挑戦や苦悩があったのか。その経験から、何を学ぶのかを考えます。
2回目は、都市直下地震を引き起こす活断層の脅威に挑んできた科学者たちの姿を伝えます。
次の直下型地震はいつ、どこで起きるのか、科学者たちはその謎を解明しようと動きだしました。地表に姿を現した淡路島の野島断層と同じような危険性のある断層を、全国で110本特定し、次の地震が起きる予測確率もはじき出しました。しかし神戸では、活断層がどこにあるのか、いまだ結論は一致していません。
この20年で相次いだ直下型地震のほとんどは110本の活断層以外で発生しており、「いつ」「どこで」を明らかにするにはほど遠いのが現実です。
また、活断層が生み出す揺れに対しては、急増する超高層ビルにも弱点があることが判明しました。
科学者たちは何を思い、今何に挑もうとしているのか。そして私たちはどう備えていけばよいのかを検証します。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年1月14日付掲載


必見の特集です。ぜひご覧あれ。
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