日々の泡盛(フランス編)

フランス在住、40代サラリーマンのどうってことない日常。

ストレートな人々

2005-09-03 06:13:52 | パリ左岸
職場の同僚のヴァレリーが、最近
大江健三郎の仏語に翻訳された小説を読んだというので
就業時間後にちょっと日本文学について雑談する。
彼女はさっぱりした、感情に正直で、ストレートな女性だ。
いつか僕に「日本に帰れ!」などと言って僕を叱りつけた彼女。
結局感情に素直な、正直な人間だからうじうじ
心の中であれこれ考えない。そういうところが僕は気に入っている。
どんな言い合っても、あとくされないしね。
もともと喋る前に、その言葉について頭の中で考えたりする作業は
スマートじゃないと思う。僕には到底できないしね。
ヴァレリーも、「遠まわしなやつは嫌い」と言っていたし。

日本とフランスの場合、他人との距離の取り方が基本的に
違うような気がする。フランスの場合、友人同士でも距離が
日本のそれよりもずっと離れていると思う。だからストレートに
物をいっても誰も傷つかないし、平然としていられる。
日本の場合、友人同士の距離ってものすごい近い気がする。
そのせいでくだらないことに気を使わないといけないし。
最近久しぶりに日本の友人にあったのだが、僕の言動があまりに
他人を突き放すものだったらしく(本人的には普通)、
「人を人とも思わない」人間呼ばわりされてしまった。

アパートに帰って、久しぶりにニューヨークに住む昔の
日本人の友人(女)に電話した。彼女は日本人にしては
ストレートで、東京にいたときは本当に気があっていた。
相変らずさっぱりした性格で、ついつい長話してしまった。
「ニューヨークに住むことは日本にいるときよりも100倍
ぐらいつらいことが多いけれど、1000倍ぐらい楽しいことも多い」と。
僕が自分のことについて、「70パーセント自分のことが好きで、
30パーセント嫌いだ」と話すと、彼女は「自分のことが
93パーセント好き」だと。相変らずマイペースなやつ。
こういう人材がニューヨークに行ってしまうのも、人材流出かも。





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