く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)> ラッパ形の大輪の花を下向きに

2012年11月09日 | 花の四季

【中南米原産、「エンジェルトランペット」とも】

 ナス科の低木で、原産地はブラジルなど中南米。日本には明治末期に渡来してきた。朝顔にも白百合にも似た大きな大輪の花を下向きにつけ、夜になると甘い香りを放つ。花の色は白と黄色の2種があり、春先から11月末ごろまで咲く。わが家の近くでもちょうど今が盛りと咲き誇っていた。花冠の長さは20~30cmで漏斗形。その形から英名では「エンジェルトランペット」と呼ばれる。

 近縁種にチョウセンアサガオ(朝鮮朝顔)があるが、こちらは花を上向きに咲かせる。キダチも以前は同じチョウセンアサガオ属に分類されていたが、今ではキダチチョウセンアサガオ属として独立している。チョウセンアサガオはインドなど熱帯アジア原産で、キダチより早く江戸時代に薬用として渡ってきた。名前に「朝鮮」が含まれるのは朝鮮半島経由で渡ってきたことから「海外」「外国」の意味が込められたものとみられる。

 いずれも植物全体にスコポラミンなどアルカロイド系の有毒成分を持つ。スコポラミンには中枢神経抑制作用があり、華岡青洲は1804年、チョウセンアサガオから精製した麻酔薬を使って、世界初といわれる全身麻酔で乳がん摘出手術を行った。このことから日本麻酔科学会はチョウセンアサガオの花をシンボルマークにしている。

 キダチの「エンジェルトランペット」は大輪の花が好まれ、最近、公園などで見かけることも増えてきた。ハワイではハワイアンキルト(パッチワーク)のモチーフとしても人気。ただ有毒成分を含むだけに取り扱いには注意が必要だ。10年ほど前には栃木県茂木町で、花のつぼみをてんぷらにして食べた4人が手足のしびれやろれつが回らない食中毒症状を訴え、うち2人が入院したことがあった。

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