【前季わずか1勝、今季11勝。セット率でJTを上回る】
女子バレーボールのプレミアリーグは4日、レギュラーラウンドの最終戦を行い、岡山シーガルズとJTが11勝10敗で並んだが、セット率で岡山がJTを上回って4位となった。岡山は最後の最後で5位から4位に浮上、上位4チームで競うセミファイナルラウンド(3月16~18日、岐阜メモリアルセンター)への出場権を勝ち取った。
2011/2012シーズン女子プレミアリーグ・レギュラーラウンド順位表
1位 東 レ 18勝 3敗
2位 久光製薬 15勝 6敗
3位 デンソー 14勝 7敗
4位 岡 山 11勝10敗(得セット41、失セット41)
5位 J T 11勝10敗(得セット39、失セット41)
6位 パイオニア 7勝14敗
7位 トヨタ車体 5勝16敗
8位 NEC 3勝18敗
※ 4~5位はセット率による。1~4位は準決勝ラウンドに進出、7~8位はチャレンジリーグ上位1~2位チームとの入れ替え戦に回る。
【東レが後半独走。久光、デンソーを抜いて2位に】
昨年12月から8チームが3回総当たりで行ってきたリーグ戦は、東レが第3節に入って独走し1位。第2節まで首位争いを演じていたデンソーは息切れし、最終戦で久光製薬にも抜かれ3位に後退した。この3チームは早々と準決勝ラウンド進出を決めていたが、4位争いは熾烈を極めた。最終週の2試合を残して2月26日時点で、JTと岡山の両チームが10勝9敗で並び、得セット(36)と失セット(37)も同じ。得点率(総得点÷総失点)でわずかにJTが上回っていた。
3月3日、JTはパイオニアに勝ったが、岡山は久光に善戦及ばず敗戦。この段階でJTが勝率で一歩前進したが、決着は4日の最終戦にかかっていた。4日、JTは首位の東レにセットカウント0―3で負けた結果、11勝10敗で得セット39、失セット41で終わった。一方、岡山はトヨタ車体に大一番の緊張からか1セット目を簡単に取られたものの、3―1で勝って11勝10敗で並び、得失セットとも41。ずっと5位だった岡山が最後の21試合目で、JTをセット率の差で上回って4位となった。
【若手の成長がチームに活力を与える】
(2月11日、兵庫県尼崎市のベイコム総合体育館で)
岡山は第3節の初戦で過去2戦とも勝っていたNECに取りこぼし、その段階で通算7勝8敗と黒星が先行して、目標の4位以内に黄信号がともった。だが、その後、過去2戦とも負けていたデンソー、JTに続けて勝ち星を挙げたのが大きかった。さらに3月3日、過去2戦とも1―3で負けていた久光に善戦、2―3と2セット取ったのもセット率勝負での4位浮上につながった。
前季わずか1勝(25敗)しかできず、ほとんど補強もなかったチームが今季、ここまで健闘するとは誰が想像しただろうか。前年の悔しさをばねにした一人ひとりの努力の賜物だろう。森和代や山口舞、福田舞らベテラン勢の活躍に加え、高校生セッターの宮下遥をはじめ川畑愛希、関李香、丸山亜季ら若手の成長がチームに活力を与えた。今季の戦いぶりには、このチームがまだ発展途上にあることを痛感させられた。
実業団チームばかりのプレミアリーグの中で唯一のクラブチーム。一般のファンや大阪国際滝井高校(岡山シーガルズ所属選手22人中14人の出身校)の生徒たちの熱い応援が、コート上の選手たちを後押ししたのは間違いない。準決勝ラウンドは4チームの1回総当たりで、3日間続けて行われる。その結果を受けて3月24日、3位決定戦と優勝戦がある。今季の締めくくりとして、岡山には来季につながるような悔いのない戦いを繰り広げてほしい。