経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

1/29の日経

2014年01月29日 | 今日の日経
 1/28日経電子版の「悩める年金官僚 無理を承知で高利で安心」(大林尚編集委員)は、公的年金を、高利をうたう金融商品に例えているが、これは、さすがにやり過ぎではないか。12/20の日経ビジネスオンラインで、ニッセイ研の中嶋邦夫さんが指摘するように、「運用成績が年金財政の収入に与える効果は、全体の2割程度… 運用利回りが高くても、あまりインパクトはない」からである。

 年金財政を大きく左右するのは、積立金の利回りではなく、人口、すなわち、平均余命と出生率である。その点で言えば、出生率は5年前の財政検証の時より上昇し、最新の人口推計の中位推計も1.26から1.35になっている。したがって、筆者は、今回の財政検証では、前回の「出生率の低下を積立金の高利で補った」構図とは、逆になると考えている。

 確かに、前回の利回りは高過ぎるものだったが、問題は、政治状況が所得代替率50%の維持を絶対的なものにしたことだろう。大事なのは、出生率や経済成長が低下して、代替率50%を切るようなことがあったとしても、冷静に受け止めることであり、どうしても50%がほしければ、かんばって66歳まで働き、もらい始めを遅らせれば良いと道を示すことである。徒に年金の不安を煽ったり、政争の具にしたりすることは、国民のためにならない。

 もはや、年金を巡る言論の中心は、「破綻」から「いくらもらえるか」に移っており、日経ビジネスの特集(12/9)がそれを端的に示している。本紙も、そろそろ変わって良い頃ではないか。なお、今回の財政検証の見所については、中嶋邦夫さんが1/15に「公的年金財政の仕組みと注目点」として平易に書いているので、関心のある方は読んでいただきたい。本当の問題点がどこにあるか良く分かると思う。

(今日の日経)
 派遣見直し来年春から。国立大の研究力に赤信号。初診量120円上げへ。理財商品の不履行回避。為替市場は円高に備え。新興国は利上げで防戦。専業主婦・年収基準守っても扶養外の場合も。経済教室・発電施設の売却・橘川武郎。

※テーパリングが世界的な金利高に結びついているね。

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1 コメント

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Unknown (asd)
2014-01-29 10:44:55
年金不安を煽ることで財政不安を煽るのがいつものパターンですね。
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