KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

そうだアケボノツツジを見に行こう!

2022年05月05日 | 四国の山


先週のカタクリの花に続いて、毎年のワンパターン。

『アケボノツツジを見に行こう!』と奥様たちと相談。

でも今年はまだ西赤石山兜岩からの写真がネットにあまり上がってこない。

東平への道が崖崩れで通行止めになり、ほとんどの人が日浦から登るので、

兜岩には行かずに山頂までの行程の人が多いのも理由にあるが、まだ8合目辺りが満開で、

北面の山頂直下のアケボノツツジはまだ先の様だと。となれば他の山にと調べていたら

YAMAPにJr.さんstoneriverさん獅子舞の鼻のアケボノツツジを

アップしていた。昨年GWは綱繰山に出かけので、それじゃ今年は獅子舞の鼻の

アケボノロードに出かけてみよう!ただお二人が歩いたのが4月30日。その辺りが

満開だったようで、それから晴れの日が続き一昨日には平野部でもけっこう強い風が吹いた。

『どうぞ、花散らしの風になっていないように!』と祈りながら今日の朝を迎えた。


世間ではGWだが、残念ながら私には関係なく、いつもの様に水曜日の休み。

ただ世間一般ではやはりGWなので、いつもの奥様たち以外にルリちゃんの娘さんの

マリリンと、私の友人のムラちゃんが参加できるようになった。

二台別々の車で大永山トンネルの南側登山口に集合した。予想通りトンネルを出て

直ぐの駐車スペースは満車。更に道路脇のスペースには数珠なりに車が停まっていた。




萩生の森さんの説明によると、ここからのルートは笹ヶ峰新道と呼ばれているそうだ。

【以下その説明文】

銅山峰からちち山の別れを経由する尾根筋ルートについて伊藤玉男さんの”山守り30年”に

書かれている。以前は、銅山峰から笹ヶ峰に行こうとすると、一度別子に下って中七番か

三ツ森峠を経由して再び、平家平から冠山の稜線に登り返す必要があった。

昭和40年に、伊藤玉男さんが中心となって、すでに廃道となった馬道や古道などを整備し、

笹藪を刈って銅山峰から西山、ツナクリ山、獅子舞の鼻、ちち山の別れと通じる尾根通しの

ルートを切り開いた。このルートを笹ヶ峰新道と呼んでいる。


獅子舞の鼻のアケボノツツジも笹ヶ峰新道の名も今回初めて知った。


トンネル横の廃道になった林道のチェーンを跨ぎ、その先にある脇から取り付いて行く。

林道からひょいっと登ると杉の林の中の道。手入れされ枝打ちされた木々の間から

柔らかい日差しの差し込む道。その道は直ぐに銅山川の支流に沿った道になる。










かつては炭の道(馬道)と呼ばれた名残りが、足元の石垣に垣間見ることができる。

当事この道を人と背に炭を載せた馬が、別子銅山へ行き来していたのだろう。










小滝を横目に見て大岩を回り込んで上がると、沢筋に出た。

右岸に沿って歩き、二股になった沢の中央部へ渡ってさらに登って行くと

また杉林の中への取付きになった。木の根の階段を登って林の中へ。














杉林の中を抜けると綱繰山笹ヶ峰との分岐に出る。

写真を見ると三人が道を間違えているように見えるが、あっちゃんとマリリンが

『リスがいる!』と言って右の綱繰山の方向に歩いて行った後をムラちゃんが付いて行っている。

その分岐からしばらく歩くと地形図では大坂屋敷越と書かれている土山越の分岐。

この道標にある中七番と書かれた道は、トンネル横の林道へと続いている。










土山越からもしばらくは緩やかな道が続いている。足元には先ほどと同じように石垣が残っている。







馬道の別れと書かれた道標からは、獅子舞の鼻から派生する支尾根の道になる。

先ほどまでの緩やかな道から次第に急な登坂になっていく。







馬道の別れからは道には笹が現れ、周りの木々の植生も変わってきた。

ブナやリョウブが目につく広葉樹の林。




苔岩の日本庭園まで来ると、獅子舞の鼻まであと少し。

苔岩の前に可愛らしく並んだマムシの子!

家に帰ってネットを見てみるとこの辺りは獅子舞の庭というらしい。







この笹ケ峰新道の主の大ブナは芽吹いたばかりで、枝の隙間から青空が良く見える。

大ブナの背に、その空と一緒に『おっ!アケボノツツジが咲いている!』










その大ブナの上部にある岩の下に獅子舞大権現が祀られている。

獅子舞大権現の大岩を回り込んで尾根に上がると、先ほど遠目に見えたアケボノツツジ。

今春、お初のアケボノツツジに他のメンバーの歓声が上がる。







尾根道を少し進むと四等三角点 迫割 1481.6mのある獅子舞の鼻に着いた。

獅子舞の庭で『獅子舞の鼻で休憩しましょう!』と声を掛けたが、猫の額ほどのピークに

次から次と人がやって来て結構密になってきたので、一息は入れずにそのまま進む。

白骨樹の横に咲くアケボノツツジや木々の間からピンク色に染まる斜面が見える。







さぁここからがアケボノロード。期待に胸を膨らませながら歩いて行くと、

すでに下ってきている3人組とすれ違う。その内の女性がすれ違い際に

『花は少し遅かった感じで、途中で引き返してきました!』と。『え~~⤵ ( ゚Д゚) 』

その女性の言う通り、登山道沿いの花はまだそこそこきれいに咲いていたが、

冠山を背に、少し離れて密生している場所の花は枯れていたり、散っていたりで

もうピークは過ぎてしまっているように見える。







それでも獅子舞の鼻からの痩せ尾根の両側にアケボノツツジのプロムナードは続いて行く。

ちち山の別れに続く笹尾根が見え始め、名前とは不釣り合いな山容の岩肌のちち山も見える。











獅子舞の鼻とちち山別れからの支尾根の鞍部で振り返ると、もう盛りは過ぎているとはいえ

こんもりしたピークの山肌がピンク色に染まっていた。これが最盛期なら

さぞや見ごたえがあっただろう。オオカメノの白色とアケボノノピンク色のコラボレーション。










痩せ尾根が終わるとアケボノロードも終端になる。帰りにまたね!としばしの別れを告げる。







アケボノロードの終わりは、ちち山分れへの笹原尾根の始まり。

周りの木々がなくなると一気に視界が広がり、そして一気に日差しが飛び込んでくる。

額に汗が流れ始め息も切れ始めたが、足元の小さなタチツボスミレがみんなで

『ガンバレ・ガンバレ!』と声を掛けてくれている。

















振り返ると眼下に先ほどの痩せ尾根のアケボノロードが見える。

そして右手には笹原ゲレンデの沓掛山と、荒々しい岩峰の黒森山の姿が見える。











次第に目線とほぼ同じ高さに冠山と平家平が見え始めると、ちち山分れはすぐそこ。

まだ少し葉先に冬の色を残す笹原を、少し肌寒いくらいの風が吹き上げてくる。










三差路になったちち山分れは左に冠山、右にちち山への道になるが、

どちらもため息が出るような笹原が広がっている。

そして振り返ると西赤石山から東赤石山に続く稜線。

このちち山別れはまさに石鎚山系からの分かれ道。左手はその西赤石山から東赤石山を経て

翠波峰への赤石山系・法皇山脈へと続く稜線。そして右へ辿れば冠山から平家平、

三ツ森山・大座礼山を経て、四国中央部の山地への稜線が続いて行く。

その点でちち山分れは、二つの山系を一度に眺められる希有な分岐点となる。











ちち山別れでマリリンが、YAMAPを見ながら『あと25分ですね!』と言ったが、

それはちち山直下までの時間で、そこから山頂まで更に15分、合計で40分と

YAMAPのコースタイムには載っている。時間は11時30分前。

『それじゃ~ちち山でお昼ご飯にしましょう』と言いながら、ちち山へのトラバース道を歩いて行く。













谷側に傾いたトラバース道は、笹の根も露出していて歩きづらい。

何人かの人とすれ違うが、その内の団体さんの中に見覚えのある顔があった。

WOC登山部で一緒に歩いたのは一度だけだったが、その時もこのちち山に来た時だった。

自転車に乗ったり、岩にも登ったりしているアクティブなハラちゃん

今日は観音寺おけぼの山の会の山行で来ているそうだ。

トラバース道から、ちち山と書かれた小さな道標に従って尾根に向かって直登の急登。

ここにきて完全なシャリバテ。どんどん登って行くメンバーのお尻が遠ざかって行く。

さっきのちち山別れで行動食でも口に入れればよかったと後悔する。

















ちち山山頂には男性が一人、大岩に腰掛け寛いでいた。その大岩には蔵王権現祀る祠がある。

東にちち山分れから続く稜線上にある綱繰山の北斜面も、ピンクに色づいているのが見える。

南には高度が上がり冠山と平家平の奥に西門山と稲叢山の尾根が見えた。













メンバーがその男性に周りに見える山々の山座同定をしてもらっている間に、いつになく

待ちきれずに一番にザックからお昼ご飯を取り出し食べ始める。

山頂からは笹ヶ峰の右手に石鎚山左手には瓶ケ森と西黒森山から伊予富士へと続く稜線。

その奥には筒上山と手箱山の山々が一望できる。














山頂では次々と登山者がやってくる。先ほど獅子舞の庭の手前の急登で追い越した男性も登って来た。

この男性、東赤石から二の森への縦走に来ているという。容量を聞くのを忘れたが、

私のザックと比べても、たいそうな荷物を担いで歩いている。歳を聞いて女性陣が驚くぐらい若々しい。

度々再発する腰痛に悩まされ、週に一度の山登りで疲れている今の私には、とてもじゃないが無理!








山頂で20分ほど休憩した後、元来た道を戻って行く。トラバース道までの山頂直下の道は

急登だったと言う事は急な下り坂。『今日は何事もないように!』とあっちゃんが言うので、

『そう毎回何かあってたまるかい!』と返すと、『毎回何か起こるじゃない!』とブーメラン。







トラバース道も笹の葉は刈られいるので、昔と比べるとずいぶんとマシになった。

以前は笹に隠れて足元が見えず、さらに傾いた道はとても歩きづらかった。
















ちち山分れからは笹原の最後の下り。新居浜の市街と燧灘が少し霞んで見える。

相変わらず先頭を行くルリちゃんの下りのスピードが半端ない。
















笹原が終盤に差し掛かると、次第にアケボノ尾根が近づいてきた。

いい感じのペースで降りて行くメンバーを他所に、今日は転倒などのアクシデントを

絶対に起こさぬように、ストックを使って慎重に下って行く。











『アケボノさんこんにちは!またお会いできましたね!』と、さっき別れたばかりなのに・・・・。

そのアケボノツツジの花も薄いピンクもあれば、濃いピンクもあり様々な色をしている。

花付が疎らになってはいるが、けっして散っているわけでもなく足元にはほとんど

散った花弁は見られない。多くの花弁は散る前に枝に付いたまま枯れている。























満開の時に是非もう一度来てみたいと思わせてくれる獅子舞の鼻のアケボノ一色の山肌。










アケボノツツジの花はやっぱり青空の下でなきゃ絵にならない。陽が当たり透けている色も

堪らない。その点では今日は最高の天気だ!










戻ってきた獅子舞の鼻には往路の様に人はいなくて、三角点でパシャリ!

そして回り込んで下って行った獅子舞の庭も新緑が目に眩しい。











広葉樹の尾根では上達した鳴き声を披露するかのように、ホトトギスが自慢げに鳴いている。

濃い緑になる前の今が一番気持ちのいい季節かもしれない。

植栽の林に入る前に最後に見えた、中七番越しの三ツ森に別れを告げる。













人工林もジメッとした感じで薄暗い林もあるが、枝切りや間伐で手入れがしてある林は

明るく歩いていても気持ちがいい。土山越えからもそんな林を下っていると、奥様たちの

世間話が始まった。静かな林の中二人の声だけが大きく聞こえてくる。

『朝ドラと世間話が始まるといつも道を間違えるんや~!』とマリリンに言うと

あっちゃんが『今日は間違ってないわよね!』と。『ハイ、ハイ大丈夫ですよ!』














炭の道の石垣の残る道まで来るとゴールはもうすぐ。トンネル横の林道へと降り県道に出ると、

最初の駐車スペースには一台の車が残っているだけだったが、そこから下の道路脇には

けっこうまだ車が残っていた。皆さんここから綱繰山経由の西山、銅山越えの周回か、

中七番から平家平・冠山の周回なのだろう。久しぶりに三人以外に二人加わっての山歩き。

アケボノツツジは少し遅れた感じだったが、それでも何度も歩いた道に、あれだけの

花が咲いていることを初めて知った今日。ここの所頻発するアクシデントもなく、

無事五人がというよりは、私がゴールできて何よりだった。














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