KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

リハビリと言えば剣山!(笑)

2023年09月08日 | 四国の山


『腰とは、背中側の肋骨の下縁から、お尻の下縁までの範囲を指します。』との事。


ここ最近、登山の後半になってくると背中がパンパンに張って痛くなっていた。通って

いる接骨院でその話をして『この辺りが痛くて・・・。』と言うと、『そこは腰やで』

と言われた。そうか腰痛だったんだと納得していたが、一昨日久しぶりに軽いギックリ

腰になってしまった。家の玄関を出て立ち止まって振り向いただけなのに・・・・・。

一日中デスクワークで椅子に座っていると、夕方になって立ち上がると痛む。昨日は

様子見で接骨院で治療をしてもらい、今日は軽めにどこか歩こうと考えた。じっと座っ

ているよりは歩いた方が調子はよくなる。但し腰に負担がかからない程度にあくまで軽

めにだ。そこで思いついたのが塔の丸。久しぶりに笹原歩きがしてみたいし、高低差も

それほどではないのでリハビリにはちょうどいい。天気予報は曇りだが、それでも稜線

からお向かいの剣山系の山々は見ることが出来るだろう。そう考えて出かけてみた。


朝起きると自宅付近は青空。しめしめこれなら笹原歩きには絶好の天気だ。そう思いな

がら自宅から県道5号線を前山の峠を越えると周りの雰囲気が一転した。目の前が霧で

真っ白で視界が悪く車のスピードを落とす。脇町に入る頃にはその霧は無くなったが、

正面に見える山には雲がかかっていた。そして貞光から国道438号線を見ノ越へと走

って行くと、第三ヘアピン辺りからまた周りが白く視界が悪くなってきた。スキー場跡

を過ぎる頃にはますます霧が濃くなってきた。『これじゃ~全く景色も見えずせっかく

の笹原歩きも楽しくないな』と思い、急遽、剣山に予定を変更する。


見ノ越の駐車場もこの空模様、いつになく停めている車の台数が少なかった。今日は独

り歩き、劔神社の石段も周りに咲いている草花を探しながらゆっくりと登って行く。



ハガクレツリフネソウ


レイジンソウ




神社簡易宿泊所の横の温度計は16度。県内ではまだまだ夏日が続いているけど、山で

はそろそろ服装を選ばないと思い、ジップシャツを一つ厚手を着て来たけれど、それで

も汗を掻く前だと少し寒い。







相変わらず登山道も霧の中。リフトも営業前で、いつもスピーカーから聞こえてくる観

光案内も流れていないのでとにかく静かだったが、今日は台風の影響で東からの風なのか、

木屋平側から吹き上げてくる風が強い。風が当たるととたんに寒くなってきた。










登山者も後ろから追いついてきた人と、前を歩いていた人の二人だけ。定点観測の場所

からも、もちろん雲に隠れて雲海荘は見えなかった。










西島駅の横のベンチに腰掛ける。いつもは見える今日歩こうと思っていた塔の丸の姿は

ない。駅の横の花壇に咲く花。



シコクフウロ


アキノキリンソウ


オニユリ




西島駅の横から刀掛けの松へと登って行くと、1ケ月ほど前に来た時はまだほとんど葉

だけだったテンニンソウの花が咲き誇っていた。花が下から上へと咲いて行く様子を天

人、天の花に例えたという説がある花だけれど、どう見ても天人のイメージが湧いてこ

ない。ここから先もほぼこのテンニンソウだらけの登山道になる。

西島駅までは支尾根西側を巻いた道だったが、西島駅から刀掛けの松への道は、東祖谷

と木屋平との尾根道になる。すると途端に東側からの雨交じりの風が強くなってきたの

で、風の当たらない場所でカッパの上着だけ着込む。

テンニンソウ








アキノキリンソウ









刀掛けの松に着いたがまだ時間は10時前。このまま山頂に登っても時間を持て余しそう

になったので、少しは咲いている花が多いかなと思って行場へと歩いてみる。










行場ではテンニンソウの薄黄色の花の中で明らかに色の違うシコクブシが咲いていた。

これ以上ない毒々しい紫の花の色は、周りのテンニンソウの中にあって特別目立つ。










夏の花がそろそろ終わり、秋の花への端境期なのか、期待したほどの花は咲いていなか

った。(それとも見つけられなかったのかな)

サラショウマ


カニコウモリ


??




不動の岩屋まで下って行くと岩屋の中からは、轟々と流れる水の音が聞こえて来た。辺

りは霧で薄暗く、さすがにこの雰囲気では中の梯子を下りて行く気にはならなかった。






オタカラコウ







不動の岩屋から山頂へと登って行く。岩壁を覆った苔の中に咲く花?を何の花かは分か

らないが取りあえず写してみる。














岩壁の頂部からは鎖場への分岐になる。その分岐を過ぎると道は笹原の中の九十九折れ

の道。これまで見た中でもけっこう大きなヤマミミズも、霧雨に濡れて何だか生き生き

している。














刀掛けの松からの道と合流する。前回はここからは大勢の人とすれ違ったが、今日は

宝蔵神社の雨戸も締められ、山頂ヒュッテの前もやはりひっそりと静まり返っていた。







時間もあるのでヒュッテに入ってコーヒーを頂く。ヒュッテの壁にはこのヒュッテの

昔からの写真が飾られていた。その中にかつては表参道だった富士の池の劔山本宮劔

神社
が盛況だった頃の写真もあった。










写真を眺めながらコーヒーを飲み終えたあと山頂へと向かう。山頂への木道も数十メー

トル先までしか見えない。この剣山には何十回と登って来たけれど、山頂に誰もいなか

ったのは初めてかもしれない。

















帰りは二度見展望所から西島駅への道を下って行く。展望所から西島駅への道は晴れて

いたらそびえ立つ御塔石が見えるのだが・・・・。ここでも道の両脇はテンニンソウが

斜面一面に咲いている。今日はこのテンニンソウに始まりテンニンソウに終わるといっ

た感じだ。

















途中でこの天気の中カッパを着て登山道の整備をする人がいた。『ご苦労様です』と声

を掛けてすれ違う。山頂から35分ほどでやはり人影のない西島駅に着いた。



ミヤマタニソバ




西島駅から見ノ越へも途中で一組とすれ違っただけだった。霧雨の中、眺望も期待でき

ずに平日にわざわざ登る人も少なかったのだろう。ここ数回の山行では夏場で気温も高

く、雨が降ってもカッパを着ずにそのまま濡れて歩いていたけれど、これからの季節は

やはり服装にも注意して歩かなければと気づかされた静かな静かな今日の剣山。登山道

には赤や黄色の落ち葉が目につき始め、秋の気配を感じたリハビリ登山だった。








帰り道、国道483号線の蜂須トンネルの手前の橋から右手にチラッと見える神社の赤い屋

根がいつも気になっていた。今日は時間も有ったので橋の上で車を停めて橋の下を覗き込ん

で見ると石灰岩だろうか、白い断崖の直下に鳥居と赤い屋根の神社の祠が見えた。GooglMap

では蜂須神社となっていた。口コミでは道が大変分かりづらいと書いてあったので、今日の

ところは次回に譲ることにして車に乗り込んだ。