kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

tabe合宿2

2012-01-07 | 陸上競技
今回の合宿は本当に追いこみました。「ひたすら走る」というだけでなく「終わりが分らない辛さ」というのもありました。通常の練習メニューでは「100m×5本×2セット」のように終わりが見えます。先が長ければ通常の選手は「このペースで行ったら最後まで持たない」と考えるので自分の力をセーブします。最初から100m×1本であればほとんどの選手が全力で取り組むでしょう。考えたら当然の話ですね。しかし、今回はこの「ここを乗り越えたら」というのさえも分りませんでした。「この練習をやる」というだけ伝えられました。これは精神的にかなりしんどいと思いますね。どれだけ走ったら終わるのかが見えません。数本走ったら終わりという練習に慣れている選手たちは「いつまで走るのか?」という気持ちになったはずです。先頭が走ればそのレベルに合わせて走るという感じになるのは仕方ないと思います。

しかし、本当に強くなりたいのであればどんな状況でも前向きに練習に取り組まないといけません。うちの選手はこういう場面で先頭に立って声を出すことができません。雰囲気が重くなってもその中で埋もれてしまいます。ここが克服できない限りはもうワンランク上がることはできないですね。嫌々走っている間は絶対に強くなりません。先頭グループで走ればいいわけではなくその中で沈む雰囲気を明るくできるリーダーシップを発揮できる選手が育たなければいけないと思います。なかなか殻が破れないですね。「出来ない」のではなく「やらない」のだと思います。人は変わろうと思えば必ず変われる。それができていないというのは物足りないですね。他校の選手が声を出して全体を引っ張ってくれている。それに乗っかって練習をするというのがこの合宿のテーマではありません。自分たちで限界を超えるというのが大事なのです。ムードメーカーが不在というのが今のうちのチームの大きな課題かもしれません。
救いは最後の練習の中で遠く離れたところで今まで出来ていなかった女子が声だしをしてました。最後の1本だからかもしれませんが、この合宿中に一度もなかったことです。男子はtabeの選手を中心に声だしができていましたが、女子は全くできていませんでした。最後だけでも声が出たというのは遠くにいた指導者も「お!?」っと感じるものがありました。最後のバウンディングの前にもう一度声だしをしていました。なんと、それを言っているのはうちの女子エースでした。これまでは人の後ろについてついていくようなタイプでしたが少しずつ変わりつつあります。私自身が感情移入しているからではないか?と思われるかもしれませんが間違いなく変わりました。これが最初の1本目から声ができるようになったり、自分が疲れて動かなくなったときにしっかりと声が出るようになるともって強くなると思うのですが。これは今後の課題でしょうか。

今回の合宿中に「ここまできたら「力」に差はない。10秒9で終わるか10秒5になるかは本人の意識次第だ」という話がありました。もちろん公の場ではなく私的に話している間に出てきた言葉です。インターハイに行ける可能性のある「力」がある。それをどこまで引き出せるかは指導者の力だけではなく選手自身が「どこまで狙うか」「本気かどうか」という「心」の部分に大きくかかっていると思います。どれだけこちらが「情報」を与えてもそれを受け取る側がどれだけ本気かでその「情報」を生かすか殺すかは決まってくるのです。「指導者が何でもできる」と思っている方もいると思います。実際は違います(と、私は思っています)。もちろん、ある程度までは「力」を引き上げることができます。しかし、最後は「何が何でも目標を達成する」という強い「想い」が選手自身にあるかです。練習の時間は3時間程度、それ以外の時間で競技成績は大きく変わってきます。それほど努力をしなくても勝てる選手というのもいます。そういう選手は中学時代から活躍をしています。悔しいことですが「能力」というのには「差」があります。中学時代から10秒8で走っているような選手、女子で12秒5を切るようなタイムで走っている選手と全国の舞台で戦おうと思えば「本人の意識」というのが大きく影響してきます。やるのは「選手自身」です。ケアにしても補強にしても勉強にしても全ては「自分自身のため」であるというのを忘れてもらいたくはありません。うちの女子エース、11秒台を目指したいと思います。このスピードを生かして200mで全国で勝負。そのために私ができることは全てやらないといけないと思いますが、本人が「現実のものにするため」にどれだけ行動してくれるかですね。その姿を見て周りの者が「本気になる」というのがどのようなことかを感じ取って自分で努力してもらいたいですね。簡単なことではないというのは分っています。これまで山口県の高校生で11秒台を出した選手は1人だけ。これまでの実績から考えると「不可能」だといわれてもおかしくない部分です。しかし、出来ると信じてやっていきます。達成します。

この合宿の期間中、ogawa先生と一緒に「あること」についてひたすら話していました。これからの練習の方向性です。我々は正直、師事している方に技術的な指導で勝てることはないと思っています。それくらい大きな差があります。もちろん勉強していくこと、教えを請うことで少しずつ追いついていきます。それがこれからの課題です。しかし、それ以外に我々のオリジナリティを見出していきたいと考えています。先日、研修会で聞いた内容をogawa先生に伝えてかなり長い時間考えました。一人で考えるよりも二人で考える方が絶対に解決策が見つかります。秘密にして自分だけで実行しても良かったのですが、私だけでは出来ない部分がありますからね。秘密にするほどのことではありませんし、多くの指導者がこの研修会を受けています。これを自分なりに理解して行動に移せるかどうかは大きな違いが出てきます。土曜日に実際に練習をしながら確かめていこうということになりました。同年代で一緒にやっていける同士がいるというのは大きいですね。午前中に走って午後から身体づくりにしようかと最初は話していたのですが、この合宿の練習負荷を考えると間違いなく無理だなということで午前中の練習を引っ張ってやっていくことに。身体の使い方をしっかりと身につけさせたいですね。

多くのことを感じる合宿でした。

コメント
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