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「鎌倉個道」

鎌倉の歴史、草花、食物

「四万六千日参り」

2008-08-10 11:27:00 | Weblog
■岩殿寺へ
思い立って「四万六千日参り」に出かけた。
普段なかなか行かない逗子の寺からにしようと思う。
JR横須賀線に乗り逗子駅の橋上改札口を出ると左の坂を下る。

板東三十三観音霊場のうち10ケ寺が神奈川県にある。
うち鎌倉市には1番「杉本寺」、3番「安養院」、4番「長谷寺」がある。
逗子の「岩殿寺(がんでんじ)」は二番札所ということになる。


■岩殿寺入り口
細い道をくねくね行くと岩殿寺入り口である。
「四万六千日」にお参りすると10数年分と同じ功徳があるらしい。
現世利益をのみ求めたのではなさそうな時代の話である。
だから真夜中に寺を回ることで信仰心を高めたのではないだろうか。


■四万六千日観音経諷経
門前に張り紙がある。
「四万六千日観音経諷経」
岩殿寺本堂で午前10時に始まると書かれている。


■岩殿寺(がんでんじ)
観音霊場、逗子の名刹である。


■岩殿寺奥の院への石段
本堂でさい銭をあげ灯明と線香を手向ける。
それから奥の院に向かう。
悲しくなるほど急な坂を登らなければならない。


■岩殿寺奥の院
登りきったところに広場があり観音堂が配置されていた。
裏側に霊場(奥の院)がある。
この寺には古い歴史があり行基菩薩と徳道上人が開基である。
源頼朝、徳川家康などとも縁の寺は曹洞宗の霊場である。


■鏡花池
さらに岩殿寺は明治の文豪・泉鏡花とも縁が深い。
明治35年と37年の夏に鏡花はすず女と逗子に暮らしたという。
住職と親交を結んだ鏡花は後に「瓢箪池」を寄進した。
それに因んで名付けられたのが「鏡花池」である。


■山頂からの景色
鏡花池そばの熊野神社に手を合わせる。
細い坂道を再び登る。
山頂には瑞光亭という見晴台がある。
逗子の海が光って見えた。


■岩殿寺本堂
本堂そばの芙蓉が美しく咲いていた。


■クサギの花
次に一番札所「杉本寺」に向かう。
岩殿寺は鎌倉の外輪山にあたる位置にあった。
山裾の久木の住宅地から
ハイランドと呼ばれる逗子・鎌倉の市境を上って行く。
クサギの花が美しい!


■杉本観音
ハイランドは逗子市(久木)と鎌倉市にまたがる。
ひと山が開発されたからバスも両方向の停留所が交差している。
鎌倉行きのバスに少しの間揺られる。
1番札所の「杉本観音」杉本寺に到着する。
真夏にもかかわらず大勢の観光客である。


■杉本観音に上る
鎌倉最古の寺「杉本寺」でも深夜から法要が営まれていたようだ。
「またお会いしましたね」
岩殿寺で出会った一組の親子連れに声をかけられた。
四万六千日参りの功徳かもしれない。
歩くことに足が慣れてきたようだ。
すり減った石段を昇って行った。


■杉本寺本堂
法要の余韻が残っている。


■杉本寺
遠い昔の戦いの犠牲者を祀るのだろうか?
お米・野菜が手向けられていた。
新しい卒塔婆も供えられる。
三界萬霊の位牌が無造作に置かれていた。

午前12時「四万六千日」の功徳も終わる時刻だ。






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