”後悔先に立たず”ではないが、起きてからでは何事も遅すぎる。
ドラッグストアの大手で調剤過誤は発生した。
人間のやることなので大なり小なりの過誤は生じる可能性がある。
ただ、忘れていけないのは過誤によって命を奪うこともあるってことだ。
残念ながら過誤が原因かどうかは、これからだが患者が亡くなっている。
患者家族は、担当した薬剤師とその薬局の管理薬剤師、そして会社の管理体制に対して訴訟を起こしているようだ。
家族の身になると私もそうすると思う。
さて、2021年8月から薬機法改正に伴い薬局ガバナンスの強化が施行されている。
覚えているだろうか。
薬局の開設者の他に薬事に関する業務責任を有する役員を明確にする必要がある。
これはより現場に近い立場からの監督させる意味じゃないかと思う。
この役員を「責任役員」と言う。
大きな組織になると社長の知らないところで法令違反が起きていることもある。
例えば、現場で敷地内薬局の権利を得るために、法に触れるようなことがあっても、知らないと言えるってことだってある。
この例はちょっと違うかな。
次に大事なことは薬局内の管理薬剤師の責任が重視される事だ。
薬局内で法令違反行為があった場合は、速やかに開設者または責任役員に意見申述の書面を提出しなければならない。
この意見申述書がないと、管理薬剤師の責任になる。
ただ意見申述書を出したからと言って安心はできない。
違法性が改善されなければ意味がない。
その場合は知りながら放置していたとして責任義務違反に問われるのではないだろうか。
要は2021年8月からは管理薬剤師の責任が大きくなったってことである。
先ほどのドラッグストアの調剤過誤においても、管理薬剤師が直接かかわったわけではないと思うが、薬局全体の管理は管理薬剤師の責になる。
調剤過誤を防ぐには業務の流れを見直す必要がある。
見直すと言っても現場にいると、業務は日々当たり前に流れている。
当事者では“おかしい“と気付けないものだ。
そこで、ある程度の店舗がある場合は、管理薬剤師による他店舗への視察訪問を勧めたい。
他店舗からの視点は新たな業務の工夫や改善点などが見えてくる。
いいことは即採用し、ダメな部分はその店舗に対する改善点の提案と自店舗の見直しを検討したい。
何ごとも起きてから後悔しても意味はない。