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イタリア

 怒涛のスマコン4連戦が終わって、我が家にも穏やかな日常が戻ってくるかと思いきや、妻は頭の中にまだまだ、バンバカが駆け巡っているらしい。頭の中のリズムに合わせているためか、動きが妙にリズミカル(コミカル?)だし、時には妙な掛け声を出したりと、まるで夢遊病者のようだ。4日間で合計16時間も異空間に遊んでいれば、そうなるのも当然だろう。しかし、同行した娘の方は、イタリア旅行を翌日に控えているため、そんな余韻に浸る余裕もなく、荷造りに忙殺され、動き回っていた。何とかやり終えて、3時過ぎに大きなトランクを抱えて出て行ったが、私としては娘の今回の旅行に、強い不安を感じている。というのは、団体ツアーで旅行するものと勝手に思い込んでいたら、実は、旅行会社は大まかな日程を組み、飛行機とホテルの予約をしてくれるだけで、移動のスケジュール・手段などは自分たちで決めるという、個人プランの旅行なのだそうだ。これを今朝知った私と妻は、しばし呆然としてしまったが、娘は「ツアーなんかで行くわけないじゃん」と、平気な顔をしている。今さら怒ってみてもどうしようもなく、ただ、「それなら余計に、身辺には注意しろよ。絶対に危なそうな場所には近づくなよ」と念を押すことしかできなかった。
 中・高・大と同じ学校に通う友人と2人で、ローマ・フィレンツエ・ヴェネツィア・ミラノを1週間ほどで旅するのだそうだ。怖いもの知らずが2人で調子に乗らなければいいが、と心配の種は尽きないのだが、「イタリアに着いたら現地の空港で、国際電話もかけられる携帯電話を借りる予定になっているから、心配ないよ。日本からも普通にかけられるし」と娘は全く屈託がない。それでも、今日は一日準備をしながら、「胃が痛い、胃が痛い」と彼女なりに緊張感を見せていたらしいから、彼女なりに用心して、危険な所に近づくような馬鹿はしないだろうと、自分に思い込ませようとしている。考えてみれば、娘は今までに海外に行ったのは2回しかなく、しかもそれは小学校に入学する前のことだったから、今回が初めての海外旅行と言ってもいいだろう。だから、適度な緊張感を最後まで持続させ、旅行を楽しむだけの分別は持ち合わせているはずだと、また1つ自分を納得させる根拠を見つけようとしている。家にいないのはいつもと一緒だから、別に心配しなくても、と思ってもみるのだが、やはり外国だと思うと、私までも緊張してしまう。変なものだ。これが、老婆心というものなのだろうか。
 しかし、何故イタリアなのだろう。ふつうなら、アメリカかイギリスに行きそうなものだが、イタリアとは意外だ。イタリアに興味があるのは知っていたが、以前はイギリスに行きたいと言っていただけになおさらだ。我が家が何かイタリアとつながりがあるわけでもない。あえて探せば、私が最初に買った洋楽のレコードが、「ジリオラ・チンクエッティ」というイタリア女性のものだったなどと言っても、娘が知る由もない。13年ほど前に私が「ランチア・テーマ」という車に乗っていたのは娘も知っているだろうが、故障ばかりしてほとんどまともに乗れずに、1年たたないうちに手放してしまったから、さほど印象には残っていないだろう。今ここで思い悩むくらいなら、出発前に聞いておけばよかったが、なにせ、スマコンで大忙しの我が家であったため、まともに話しができなかった。まあ、理由がどうあれ、イタリアの長い歴史の中で生み出された芸術文化に直接触れる機会がもてるのは、彼女の今後の人生にプラスになるに決まっているから、じっくりと堪能してきて欲しい。
 大学に入って、バイトしながら、コツコツ貯めたお金で行く旅行だから、たいして派手なことはできないだろうから、無茶なことはきっとしないだろう。イタリアの文化を味わうための研修旅行に行ったんだと思って、無事に帰ってくるのを心待ちにするだけである。
 
 あっ、しまった。小遣いはやったけど、土産はいいぞ、と言うのを忘れた!
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